■干上がる加茂川 〜愛媛新聞「伊予弁」より〜 (2005年6月)
 西条市を流れる加茂川の下流がもうひと月以上も干上がったままだ。4月の雨も少なかったが、上流の成就社でさえ5月はいつもの年の半分も降らなかった。土手を下り、白く乾いた河原を歩くと、イソシギが警戒の声をあげた。わずかに残った水たまりに、小さなアユが閉じ込められていた。まわりにはサギが集まっている。雛を育てている最中のサギたちには願ってもないチャンスに違いない。その水たまりも5月下旬には消えてしまった。河口では、遡り遅れたアユが黒い塊になっていた。

 川には一生を川でのみ過ごす魚だけでなく、川と海を行き来する魚がいる。アユやウナギがよく知られているが、加茂川にもそうした生活史を持つ魚が多くすんでいる。水がある年には、春から初夏にかけて水辺に座っていると、川を遡る魚たちの姿を間近で見ることができる。

 川を流れ海へ注ぐ水。それは、人に恵みをもたらすだけでなく、多くの生きものを支えている。川と海は繋がっていなければならない。降りすぎた雨を受け止め、降らなかった雨にも川を満たす強い山を取り戻さなければならない。11日、やっと梅雨入りした。
(西条自然学校主宰 山本)

2005年6月14日 愛媛新聞 コラム欄「伊予弁」掲載
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