■渡るシギ 〜愛媛新聞「伊予弁」より〜 (2005年9月)
 夏も朝夕に涼しさを感じるようになると、加茂川河口の干潟やその周辺の水田ではシギやチドリの姿が見られるようになる。愛媛では50種ほどのシギ・チドリが観察されているが、そのほとんどが旅鳥である。旅鳥とは渡りの途中で日本に立ち寄り、通過していく鳥たちのことをいう。シギやチドリの仲間は、繁殖地であるシベリア周辺と越冬地であるオーストラリアや東南アジアの間を往復する途中で日本に立ち寄る。今は子育てを終えた成鳥と今年生まれの幼鳥が越冬地へ向かう途中だ。

 潮が引いた干潟に、どこからともなくシギ・チドリが集まって来る。長い嘴を泥の中へ挿し餌を探す。カニが好みの種類もいればゴカイをすする種類もいる。飛び立ったハマシギの群れは見事な編隊飛行を見せる。最も小さなトウネンと呼ばれるシギは、体重わずか30gほどしかない。その小さな体で北極海沿岸からやって来て、この先まだオーストラリアまで行こうというのである。

 そんなシギ・チドリを見る楽しみの一つに識別の難しさがある。よく似ている種類が多いのだ。羽の色、脚の色、図鑑を見てもなかなか難しい。分からない時は、来年彼らが渡ってくるまで待つしかない。それもまた楽しみである。


キョウジョシギ

シロチドリ

イソシギ


チュウシャクシギ

(西条自然学校主宰 山本)

2005年9月6日 愛媛新聞 コラム欄「伊予弁」掲載
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