■秋から冬へ 〜愛媛新聞「伊予弁」より〜 (2005年11月)
 季節の変わり目は、一日、一日と新しい発見がある。

 10月2日は30℃を超す暑い日だったが、5日にはキンモクセイの花が咲いていた。7日にウスバツバメが飛んでいるのを見つけ、16日には遅くまで鳴いていたツクツクボウシが鳴き止んだ。ウスバツバメは蛾の一種で、決まって9月下旬から10月の初旬に現れる。幼虫はウメやサクラの葉を食べるので害虫とされるが、成虫の翅は透き通るような白で清楚な蛾だ。今にも落ちそうなほどたよりなく、ふわふわと飛びながら秋を知らせてくれる。24日には加茂川のカモの数が随分増えていた。

 木の実は次々に熟れ、アベマキ、アラカシ、コナラとドングリが順々に落ちてくる。イノシシは餌探しに忙しいのか、今月は3度も出会った。静かな林の中でドングリを拾っていると、時々落ちてくるドングリの音が楽しい。カケスの声も秋がよく似合う。しかし、青いドングリはいつの間に茶色に変わったのだろう。生き物たちはいつもこっそりと着実に次の季節を迎える準備をしている。

 そうそう、22日にはもう冬の匂いがした。季節を迎えたいと思いながら、いつも季節を追いかけている。けれど何より季節のある国に生まれたことを嬉しく思う。

(西条自然学校主宰 山本)

2005年11月2日 愛媛新聞 コラム欄「伊予弁」掲載
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