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生きものの記録  黒澤明

35歳の三船敏郎が70歳の精力的な老人役を見事にやっている。当時の原水爆の恐怖を声高に叫ぶのではなく、狂人すれすれの老人とそれをとりまく「常識人」を描き、実際は誰が狂人で誰がまともなのかを複雑な複数の人物造形を交錯させて問うている。
見ていると、段々わからなくなってくる。不安になってくる。類型的な人物は一切登場しない。一見類型的な小市民も、言っていることは法的にはまともといわざるを得ない。家裁の判断は正しかったのであろう。しかし、老人とその味方の人間の方が洞察力があり、まともなようにも見える。しかし、ブラジル移住とは、如何にも・・・等と思考を巡らしてしまうのだ。
三船敏郎が最後に太陽に向かって叫ぶシーンは笑ってしまった。かなり変でおもしろい!


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