魔法遣いに大切なこと
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01話 夕焼けと鉄骨・前篇今月から始まる新番組の中で、いちばん期待値の高かった作品。事前チェックでテレビ朝日の公式サイトの絵にひと目ぼれだった。
舞台は現代。国の機関に魔法遣いを管轄する魔法労務局があり、魔法遣いの存在が当然のことと認知されている点以外、普通の世界と何ら変わらないように見える。そして魔法見習い研修生として東北から上京してきた女の子、菊池ユメが主人公。
不慣れな都会に戸惑いを見せるような、まだ何色にも染まってなさそうなユメの視点を中心とした、穏やかで緩やかな語りがいい感じ。見習いの身ながら、しょっぱなからとんでもない潜在能力を持ってそうな一面を見せてくれたり。「汗くせ」と言わせてみたり。そう言わせて、シャワーシーンがしっかりあったり。見ているこちらの期待をいい具合にくすぐってくれる。
作品のタイトルから、キャラクターの性格付け、世界観の設定、などアンテナにビビッときまくりな作品。それだけに裏切られることが恐く、ひとまず平静を装いつつ、見ていくことにしようかな。絵的には問題ないようなので、原作者がひとりで全ての回を担当するという脚本の出来に大きく左右されるかと。
2003/01/09
んー、落ち着いた雰囲気は保持でいいんだけど。ユメの性格がどうにも。
1話で、魔法で行った善之助へのお礼が大量の札束だったのはそんなつもりじゃなかったってのは、まあそうだろうってところだったけど、お金で多少なりお礼をするつもりだったのは本当だったようで。都会の人はお金のほうが喜ぶだろうと要らぬ深読みをしてしまったのかもしれないけど、それでOKと思ってしまうユメの感覚が理解できない。田舎育ちだからって理由だけでは説明つかない感覚のズレ加減。
魔法局では、魔法留学研修生アンジェラと初顔合わせ。このアンジェラ、異国少女で、プライド高そうな性格で、ぶっきらぼうな喋り、その上声が「ウィッチハンターロビン」のロビン役渡辺明乃、と。何気に個人的に要注目キャラになりそう。アンジェラと会話する時、アンジェラは日本語喋ってんのにそれに気付かないで、英語で挨拶し返してるユメ。基本のコントさせて、ユメにボケキャラ要素もあるとしたいんだろうけど、単なるアホにしか見えなくて苦しかった。
で、善之助にどうしても謝りたいと街なかに飛び出すユメ。どうしても行きたいところがあるって、行くアテがある訳じゃないんじゃないか。この街じゅうを探し回るシーンでのユメの田舎者丸出し描写には食傷。なんか今回はユメの素朴な性格を強調しすぎ。
運良く、いや運良すぎでみごと善之助に再会。そこでまたユメは善之助がもういいよと言ってるのに、何度も何度も謝り通し。ユメってのはゴメンナサイを連発してればそれで済むと思ってるようなタイプのキャラなんかい。卑屈すぎるのも嫌味にしかならないんだよねえ。
そして最後はもう一度きちんとお礼がしたいってことで、善之助はアメでもくれればいいよと言ったのに、ユメは別のことをしてた。人の言うこと全然聞いてないってね。自己中キャラだ。プロのサッカー選手になるのが将来の夢だったが、バイク事故で片足義足になってその夢も諦めたという善之助に、サッカー選手として活躍させる夢(?)を見させる再度のお礼の内容。これも人の受け取りようによっては微妙。本当は走れるのに、義足だから走れないと思い込んでいた善之助の目を覚まさせる展開になっていくなら問題ないけど、一過性の夢を見させただけであるなら残酷なだけ。こんなんでは、魔法遣いとしてというより、人間としてのユメの感覚を疑いかねない。
あー、けなしまくってるなあ。ほんと今回は落胆させられる場面が多かった。実にがっかり。天井突き抜けてた期待値が、こんなものか、実際はこんなものだろうって位置に落ち着いた感。ユメの設定はいいものあると思うんだよね。なのにすんなり感情移入できる、好感の持てるキャラに映らない、描き方に難あり。見た目も悪くないだけに、見かけ倒し、雰囲気だけの作品にならないことを願う。大きな期待を寄せること、すなわち、求めるものも多いということ。
2003/01/17
評価下げ止まらず。戦後最安値を更新中。「ありえなーい」はこっちが叫びたかった。今回の話に見るべき点を何も見出せない。登場人物たちのやってることって結局何なの?って。
ユメは今回も相変わらず好き勝手やった後で、私ってダメダメですと反省した振り(本当に反省してるなら同じこと何度もやらないって)をするやりっ放しキャラ。イタイ、イタイよ。ユメのことを好きになれないのが、かなり致命傷。
アンジェラはもう少し自分持ったキャラかと思ったけど、今回の見る限り、ユメといい勝負。アンジェラがぽろっと涙を流すシーンにはア然とした。えっ、今は泣くシーンなのか、この程度で泣くのか、この程度で泣かすのかと。
依頼人の女性がイイ人として描かれていたのにもうんざり。匿名ならいざ知らず、街頭募金で一万円も寄付する人は信用しません。いくら宝くじに当たったからと言っても、そんなことする人の思考回路は理解できないし、したいとも思わない。小山田さんは。彼はやる気ないんだと思う。生きることに疲れているのだ。早いとこ魔法遣いを引退させたほうがいいんじゃないのか。どうしたもんだろう、この物語は。本当に見かけ倒しな気がしてきた。
2003/01/24
さて、今週もこき下ろしの時間がやってまいりました。というのは冗談で、いや冗談になってないか。ほんとこの作品は毎回けなす材料に事欠かなくなってる。
今回初登場の少女森川瑠奈に全て表われてる。この少女、態度変、喋り方変、話す内容も変と変尽くし。「変」がどうもこの作品の特徴らしく、しかもその変がちっとも変じゃないこととしてストーリーが進行していくのだから、話についていけるはずもなく。毎回いい話を語ってるようなんだけど、一度たりと感動できた試しがない。むしろ失望させられっ放し。いい作品、いい雰囲気の作品を作ろうという意図が感じられて、そうなってない、なってないどころか失望させられてるってのは救いがたい上、黙って見過ごせない重大な犯罪行為のようにも思えてくる。
やりたいこと、言いたいことはそれとなく分かるんだけどね。でもそれが話の中できちんと表現できてないし、登場人物たちを通してもそれが伝わって来ない。必然性の感じられない場面は多いし、地の文のようなセリフを多用したりと、脚本に問題があるのは明らか。それは作り手も脚本を読んだ段階で分かると思う。素人じゃないんだから。それを特に手も加えず(手を入れてこの有様だとしたら、言葉なし)、そのまま絵にしてるということは、手垢のついていない、未熟さの残る話をあえて語ることで、新鮮さを表現しようとしてるのかなあとも。うーん、書きながらホンマかいなと心許なくなってきた。
絵や音楽は申し分ないだけに余計シナリオの拙さが浮き彫りになっているような。まるで某大作RPGのようだ。魔法を軸に話をどうこうしようとするからおかしくなってる気もする。いっそ魔法抜きのほうがいい物語になったのではないかとすら思ってしまうが、作品タイトルは伊達に命名したわけじゃないと信じ、今後の展開を見守りたい。いや正直なところ、評価の下落は底知らずで、本当はふざけるなとちゃぶ台ひっくり返したい気持ちでいっぱいなんだけど。ユメの無恥な言動には、物語の主人公にここまでイライラを感じたことはないっていうくらいに呆れ切ってるんだけど。ユメを見ていると、魔女狩りをした人間たちの気持ちがよく分かるよ。ユメの存在は世界を滅ぼす。
2003/01/31
なんだ、瑠奈ちゃん、普通に素直でいい子じゃん。ごめんよ、変だなんて言って。てっきりデフォでそういうキャラなのかと思ったから。
瑠奈の家庭事情をメインに持ってきた今回の話。瑠奈が母親とうまくいってないことや、なぜ瑠奈が江戸弁を話すのかなど、ごくありふれた扱いが却って安心して見れた。母親と喧嘩して、家を飛び出した瑠奈を探すくだりで、自らの経験からも、母親自身に探してもらうほうがいいと、今回は魔法を使わないことにしたユメ。ユメが魔法を使って探してくれると思ってた瑠奈の母親を説得し、励ましたりと態度も大人。今までの話上、そういうことされても、おまえにそんなこと言う権利ないよと、ついつい思ってしまうが、ま、今回は本当に使わなかったので良しとしましょう。
それに、やっぱり魔法使わないほうがいい話。使わないから、いい話に収まってるというべきか。相変わらず意図のよく分からない微妙な描写や場面も多々見られるのだけど、それがこの作品の特色になりつつあるし。絵や音楽、雰囲気は元々いいものを保っているのだから、話が突き抜けていなければ、それなりにいい話に仕上がるという妙。
冒頭、局長が登場した時は今回もまたダメかと落胆しかけたんだけどね。いや、無難に普通の話をやってくれて、良かった、ほんと安心した。って、普通でOKってどういう物語なんだか。
瑠奈ちゃんてお嬢様だったんだねというユメの言葉に、「おぼっちゃまじゃないわな」と言ったり、家出する時の書き置きが「奉公に出ます」だったり。笑えた。瑠奈と一緒にいたら、瑠奈語録なるものが作れそうだ。やっとこの作品で好きになれるキャラができた。嬉しくて、涙が出そうだよ。
作品の評価もようやく底入れ? これ以上、下がりようがないという気もするが。今回のサブタイの付け方と、実際の話のテーマとの関係とかを見ていると、この作品のズレ加減はいよいよ確信犯的なもののような気がしてきた。それともこの作品のスタッフはみんながみんなズレてるのか。
2003/02/07
今回の主人公は、ケラ。これがまた、ふたを開けてみたら、けったいな人物だったという。見ながらまず、ケラは幾つなんだ?と思った。公式サイトの設定では25歳。まさかこの歳になるまで、魔法がどういうものか知らなかったとは言わないよね。もし魔法遣いになりたがっていたのだったら、自分でちょっとは調べるくらいのことするだろう、普通。魔法士の小山田のだんなのそばにいながら、魔法遣いになりたいんですの一言も言い出せなかったなんて、憧れの先輩に好きと言えなくてうじうじしてる中学生じゃあるまいし。原作者はケラがそれだけ純粋なんだと言いたいのかも知れないけど、ユメにしろ、ケラにしろ、純粋さとか素朴さの意味を履き違えてるよ。こんなことならケラはただの脇役のままだったほうが、まだ好きでいられた気がする。
で、すでに共感できないキャラと化してしまったので、後半はケラが何をしようと響いて来なかった。これまでの前科も災いし、こちらとしても穿った見方しかできず、話に少しも引き込まれない。登場人物たちが勝手に演じているのを、ただ見せられている感覚。相変わらず、いい話にしようとしてるんだけどね。いい話にしようとして、うわべだけ取り繕ってそれで精一杯で、中身が全くからっぽ。スカスカ。出てくる人はみんなイイ人、みたいな偽善な作りにも、ほとほと嫌気がさす。雰囲気だけはいいっていうのも同じく。
一旦は心停止した男の子を、ケラが魔法で生き返らせるシーンにしても。何が何でも死なせはしないというケラの強い想いに頷けるというよりは、見せ方としても、それからこの世界での魔法遣いとしても、禁じ手であるはずのことをしてまで、何かしら感じさせようとすることに対する拒絶反応のほうが強い。見てるこっちはそんな簡単にはなびかないぞと言いたい。
結局、今回感じた印象はいつもと同様の、薄っぺら。今回はさらに泣かせることも目論んで、ことごとく外してた。パーツで見るならば、いいところはある、と弁護するのもバカらしくなってきた。良いと思わせる面をぶち壊す要素、ありすぎ、多すぎ。原作者の山田さん自ら、これまで脚本家としては鳴かず飛ばずで、書いた脚本は何度かボツになったことがあると語っているけど、そりゃ当然。この作品のような調子で書かれたら、儲けを考える立場としては確かに躊躇するでしょ。故に、今回のアニメ化を決断した方(プロデューサー?)の英断には、もう大拍手。アニメ向きと判断した時点で、すでにこの企画は失敗だったかも。実写ドラマ化したほうが、安っぽさがむしろリアル感出たんじゃないかと、今更ながらに思う(実情は予算的にアニメ化が限度だったってところかな)。
これまで登場した魔法を使う人間たち全てが魔法遣いとしての反面教師になりつつあるこの物語ではあるけれど、現実に魔法を使える人間が存在したとしたら、ユメやケラのような人間は絶対いるだろうなと実感できる、この点でのみ、非常にリアルであったり。
2003/02/14
『魔法遣いに大切なこと』 7話「魔法遣いになれなかった魔法遣い」
今回は魔法を使うシーンがたくさん。これぞ本作の見どころ満載な回だったとか。
話の作りは相変わらず。例えば、小山田先生が魔法を使う場面で、どうして先生はいつも寂しそうな顔をするんだろうとユメに言わしめるところとか。思わず、懲りないなと思ってしまう。気持ちは分からないでもないけど、話のテンポを大事にすることより、言いたいことを話の中に含ませることに一所懸命な人だね、この人は。書いてる本人としては、さりげな〜く語ってるつもりなのかも知れないけど。
今回、個人的に惹かれたのはアンジェラ。自分の意思を貫く態度を見せる時もあれば、情にほだされ人に流され勝手に解釈して勝手に世話を焼くユメのような態度を取る時もあったりと、アンジェラの役割というか、立ち位置がいまだによく分からないものの。ユメがダメダメな見習いであるのに対し、アンジェラは優秀だが魔法遣いとしては問題児、みたいな対比がされるのかなと思ってたけど、これまでのところ、単純に二人は魔法の無断使用回数を競う者同士、な描かれ方しかされてない気がする。でも多くを語らないキャラだけに、アンジェラが登場する場面は結構印象に残るシーンが多かったり。口からポンポン出まかせを言う(というより、言動が一致してないことにこれっぽちも気付いてない)ユメとは違い、アンジェラのひと言ひと言には重みが感じられなくもなく……。とにもかくにもアンジェラのようなキャラは、好き。ロビンは意図的に可愛く描かれることがなかったようなので、その点でもアンジェラにはますますハマってしまうかも。アンジェラ大活躍な話が早く見たい。と思いつつ、これまでの経験上、キャラを深く掘り下げられるほど、ユメと同様、もしくはそれ以上にイライラさせられる存在と化してしまうような気がして恐い。この物語は何事もほどほどに語るのがよろしいようだから。魔法に関することといい、人物描写といい、浅く語っている限り、雰囲気は維持されるという。というわけで、これからもアンジェラはほどほどに、控えめによろしく。あ、それから瑠奈も。
今回は予告も笑えたかな。予告は原作者の手によらないだけに、さすがによく分かってるって? 分かってんなら、誰か軌道修正しようとする奴はおらんのか。
2003/02/21
こんなに楽しい作品はとんと見かけない。たくさんツッコめて、たくさん笑えて(ただし、乾いた笑い)。愚痴や愚弄、その他諸々どんなに良くない意見であろうと、毎回言いたいことが山のように出てくるってのは、それはそれは素晴らしいことだと思う。いや、冗談抜きで。世の中には、何を言う気にもなれないものだってあるのだから。
アンジェラが井上さんに恋してしまうお話だった今回。その発端から、途中経過、最後の締め、つまり始まりから終わりまで、見ている側が常に置いてけぼり食らうのは毎度のことであり、自分が言うまでもないのでいいとして、井上さんごときに顔を赤らめてしまうアンジェラは見たくなかった。結局、アンジェラも普通の女の子だったんかい。しかも、魔法に対する無自覚はユメ以上であった、と。恋のためなら、空間歪曲にためらい無し、すか。コワイよ、コワすぎるよ。ユメやアンジェラと一緒の世界に住んでたら、どんなとばっちり食うか分かったもんじゃないね。だいたいアンジェラって、日本に何しに来てるんだか。留学とは名ばかりで、実は国外追放されてるとか。充分あり得そうでますますコワイ。
ああ、待望のアンジェラ大活躍な回だったというのに、悪い予感的中でアンジェラに対するホレコミ具合に疑問符が。このテのユメ大活躍話にはもう慣れたけど、同様のノリのアンジェラ大活躍には心底がっかり。この作品は、人物を深く描けば描くほど、その人物のことが好きになれなくなっていくという手法が確立されているかのようだ。普通は逆じゃないのか。誰かをメインに取り上げて、無難に良かったのって、瑠奈の回くらい。本当に、瑠奈ちゃん頼みになってきたような。何にせよ、脚本の暴走を誰も止めようとしない。誰も防ぎようがない。まさに、ユメたち魔法遣い研修生と魔法労務局の関係と同じ構図。これは、作り手たちが自分たち自身を風刺してる作品と解釈していいのだろう、きっと。公共の電波で流すほどのものかって想いが、東京タワーをねじ曲げさせたかと。
今回、最も笑いのツボを刺激された場面。ユメがアンジェラのもとへ飛び出して行った後で、「ユメちゃん、知らない?」とケラに尋ねていた小山田先生。ケラが、どこかにすっ飛んでいきましたよと答えたのに対し、「ん」とあまりにも素っ気ない反応。心配して居所を訊いたんじゃないのか。クールすぎますぞ、小山田の旦那。
2003/02/28
えー、今回は全てツッコミで応酬することにした。
前回のアンジェラの東京タワーねじ曲げ事件でお咎めなしだったユメの処遇について、小山田先生を呼び付けて古崎参事官が言うに、
「アンジェラの違法行為を通報もせず黙って見ていた。それもまた違反と言えませんか」
仮に通報したとして、魔法局がどうにかできたのか? 何もしない、は魔法局の専売特許かと思ってた。
今回はひとりで依頼を聞くことになり、ユメが身震いしながら、
「緊張してきました」
はい、ユメが暴走する手筈が整って、こちらも緊張してました。
ユメたちが依頼人の女性と一緒に、行方不明になっているという依頼人の父親の部屋を訪れて見ると、すでにそこには小山田先生が上がり込んでいて。その小山田先生、ユメたちに気付くなり、
「ん?」
……。相変わらずそれだけのリアクションかい。弟子が弟子なら、師匠も師匠って奴ですか。魔法遣いというのは総じて犯罪行為に対する認識が極めて低いと言わざるを得ない、なんて。
部屋に残されていた鏡に向かって、モノの記憶を引き出す魔法とやら使ったユメ。そこには行方不明になる前の依頼人の父親の様子が映し出される。ユメには女の子も見えるのだが、女の子が見えているのはユメひとりらしく、
「ユメちゃん、さっきからどうしたの」
いや、ユメはいつだってどうかしてると思うよ。小山田先生。
依頼人の父親を救ったユメに、座敷童子(?)の少女が、
「ありがとう」
ダメダメ、ユメにそんなこと言っちゃ。どんなお返しをしてくるか分からないぞ。
今回は、依頼も無事(?)解決し、参事官にも褒められ、有頂天気味のユメ。
「魔法が使えて嬉しいです。毎日すご〜く楽しいです」
そりゃ、お咎めなしだもん。やりたい放題だもん。楽しいに決まってるじゃないか。
って、いろいろツッコミつつ、今回はまあまあ良かったかなと思っていたりして。でもやはり評価は今回もボロクソみたいね。それがこの作品の味だと思えば、全く食えないものではないと思えなくもなく。
2003/03/07
今回は、冗談抜きでいい感じだった。依頼に対して魔法は成功するものの、依頼人の「頼むんじゃなかった」のひと言に、愕然とするユメ。善之助の足のことや、ガラスにヒビを入れられるイタズラに頭を悩ましてる商店街の件についても、結果的に魔法が何の役にも立ってないことを明らかにすることで、これまでのエピソードがきちんと活かされていたし。今まで何にも考えてなさそうだったユメが、自分のしてきたことに疑問を抱き、魔法とは何なのかと悩んでる。それだけでも見る価値あるってもの。ようやく、今ごろというか。長い道のりやった。
落ち込んでるユメの力になれなくて、心配そうに、心惜しそうに家に帰って行く瑠奈の後ろ姿が、今回最も切なく感じたシーンだった。背中は口ほどにものを言うっていうくらいに、抜群の存在感、抜群の使い方。他にも、「ユメさん、眉間にシワこさえてる」という瑠奈の言葉に、「だから?」と睨みきかせながら振り向いたユメのカットも自分的にはツボだった。他意なく可笑しかった。この作品は、こうやって時々面白みのあるキャラの使い方をするんだよね。それが欠点にもなり、長所にもなる、ってところかな。ミリンダやケラの言動もあまり違和感なかったし。今回はたまたまいいところが寄せ集まったかも知れない。たまたま…。
2003/03/14
前回の依頼人だったお婆さんのお見舞いに行けば面会謝絶で、商店街で通りすがった親子との出来事を挟んで、落ち込んでるユメをさらに追い込む前半の展開はお見事。さすがのユメも気が挫いている様子が見て取れて、これが見たかったんだよ、これでこそ魔法少女の成長物語だよ、と思いながら見てた。前回辺りからやっとすんなり入り込める話になってきたかなと思うけど、それでもやっぱり遅すぎたという思いも。いい話じゃないのと素直に思う前に、あ、そう、とどうしても一歩引いた視点が割り込んでしまう。物語前半のとんでもワールドがやはり痛いなあ。
で、後半、小山田先生の過去が語られるに及び、またいつものこの作品に対する印象に逆戻り。何だよ、この程度のエピソードで納得させようってのか。こういうの見せられてもイライラ感しか覚えない。この場合、もし普通の人間だったら本当にどうすることもできないわけで、魔法で何とかできたと思っている小山田先生は思い上がりも甚だしい。それが魔法の力を持ってしまった者の葛藤と言えるのかも知れないけど。しかも10年もの間、その思いに囚われたままってんだから、後ろ向きな生き方もここまで徹底すると立派なものだ。アホっぽいなあ、小山田先生。ユメのことをやっとまともに見れるような気がしてきたと思ったら、まだ真打ちがいたか。アホな指導官にアホな研修生、とは変なところで粋なことをしてくれる魔法局であった、と。
ラスト、ぐったりして苦しんでる子猫を見つけたユメ。その子猫に対して魔法を遣うべきか遣わないか悩むところで次回へ持っていくやり方は演出としては良かった気がするけど。ここでもやはり思った。悩む前に、さっさと病院に連れてけと。まったく、この世界の魔法遣いはどいつもこいつも…。
2003/03/21
イイ人だらけの世界ほど気持ち悪いものはないと思った最終回。善之助も放火騒動のあった高橋のおばあさんもユメには感謝していたってことで、ユメは何も思い悩む必要はなかったというオチ。終わりに向けてここ数話せっかくいい感じになってきたかなと思っていたストーリーも最後にまた綺麗さっぱりひっくり返されて、気持ちとしては大どんでん返し。でもこの作品の場合、ひっくり返されっ放しで、驚きに値しない行為と化してるよな、どんでん返しはもう。
この世界における魔法や魔法遣いの存在意義って何なのだろうという疑問が最後まで解決されずに残った。月まで行ってしまったり、東京タワーをねじ曲げたり、他人の心理を操作するようなことまで可能と、何でもできそうで、おまけに使おうと思えば使いたい放題で、そんな強大な力を持った人間がごく普通の人間たちの中でとりあえず普通に暮らしていて、職業としても成り立つ、ってほんとにあり得る世界なのか? 極めて現実的な世界を描いているようだったけど、これっぱちもリアルさを感じられない。何から何までおとぎ話という設定のほうがまだ理解できた。ありえない世界なら、ありえないユメの存在も納得できるかも知れないわけで。
結局、素直に見れたのって初回くらいかな。その頃の期待感が懐かしい。思えば、見る前は今期最も期待の高かった作品だった。それがまあ見事に化けの皮を剥がしまくってくれて。A級戦犯ものに指定したいくらいだ、これは。
2003/03/28