WOLF'S RAIN
01話 咆哮の街角かっこ良さがよく表現されてる手堅い作り、騒々しくない語りに、つかみは好印象。音楽も菅野よう子さんということで。期待しちゃっていいのかな。ほんと「グラヴィオン」の後釜とは思えない。「グラヴィオン」で得たファン層はほったらかしかい、って言いたいくらいに。まあ、製作がBONESだから「ラーゼフォン」つながりなんだろうけど。「グラヴィオン」のほうが単なるつなぎ役だったということか。「グラヴィオン」で結構楽しんだ者にとっては、何とも寂しいね。
人に化けることのできる狼たち。でも興味を引くのはやはり狼の姿の時。今後もその凛々しい姿を見せてくれるのだろうか。狼の姿のキバが人語を喋っているシーンや、人を噛み殺して口の周りが血だらけになっているシーンでは、「もののけ姫」がふと頭をよぎった。作風は全く違うし、パクリとかそういうことが言いたいんじゃなくて、ただ何となく。
「楽園」がキーワードになっていたり、退廃的雰囲気漂う世界観など、まだまだ分からないことだらけだが、しばらくチェックしてみたいと思わせる作品。
2003/01/06
今回はトオボエが新たなキャラとして登場。このトオボエ、気が弱そうで、狼の姿の時でもおどおどしてるのが狼っぽくなくていい。キバとツメは、少しタイプの異なる孤高キャラ。ヒゲは人なつっこくて、要領良さそう。と、これで主要キャラの性格をそれとなく知ることができた。これに、チェザや元夫婦コンビも加わって、キャラクター的にはどうなっていくのか楽しみ。
どうでもいいけど、今回のサブタイトルにはえらく悩まされた。話の中でトオボエが哭くところは、親切にしてもらった少女レアラの目の前で、狼の姿に戻って遠吠えするシーンとか何度かあった。なのに、「哭かないトオボエ」とはどういうことなんだろうって。おそらくは、狼たちを執拗に追い続けるいわく有り気なハンターと街中で遭遇した時に、トオボエが立ちすくむばかりで、逃げることも吠えることもできなかった場面を指して、こういうサブタイにしたのだろうけど。別の解釈では、トオボエみたいにめそめそしたりはしないが、孤独な存在という意味では似た者同士ということで、ツメが「哭かないトオボエ」だと暗に言いたいのかなと思ってみたり。的外れな深読みをしすぎや、とも思うけど、こういうくだらないことをうだうだ考えるのは大好きなので。
それと、1話、2話と次回予告がなかった。公式サイトにはアップされているので、作る余裕がない訳ではないみたいだし、尺が足りないのか、それとも今後も予告は流すつもりがないのか。見たいなら公式サイトで配信されているものを見ればいいし、絶対必要なものでもないけど、なければないで寂しいような。1話同様、ドタバタせずにじっくり見せてくれる展開。名作の予感と言うにはまだ気が早すぎるので、抑揚の効いた、ある程度安心して、落ち着いて見られそうな物語と位置付け。
2003/01/14
貴族ダルシアの手に落ちたチェザ。貴族ってのは経済的な特権階級というだけでなく、特殊な能力を持った人種でもあるのかな。鼻のひん曲がる下水道で食事にありつくキバとヒゲ。ご馳走はネズミ。彼ら狼的には、骨は喰えても尻尾は残すものらしい。リアル描写追求で、ネズミにパクつくシーンとかは……やっぱりやらんよね。物語の趣旨変わってしまう。
トオボエとツメ。この二人(正確には二匹か)は今後もコンビを組みそう。自分のことは分かってないのに、ツメに対しては核心突いてるトオボエが面白い。シェールとハブの元夫婦。なんで離婚したのか分からないけど、ハブは未練たらたら。シェールもハブの言葉に顔を赤らめたりして、まんざら気がない訳じゃなさそう。ハブのキャラ、今のところ好き。前回に引き続き登場のレアラ。今回はずっとひきつりっ放しでした。怯えたレアラの顔を狼姿のトオボエがぺろっと舐めたりしてくれたら、もっといいものが見れたはずだけど、そういうサービスはこの作品ではやらないようだ。
「月の花」の匂いもしなくなった街にいる理由がなくなったということで、チェザを追って冒険の旅へいざ出発。街から出る途中、トオボエを助けたことで、ツメは少しは癒されたってか。ただ、ツメの役割がちょっとクサすぎるのが鼻につく。特にラストのセリフは要らないって。場面場面の語りがいい。じっくり熟成型。
2003/01/21
月の光があれば、ひと月何も喰わなくても平気だったというキバ。解脱しちゃってる。このままいけば、次はきっと即身成仏。ツメの足の傷を舐めるトオボエ、もまたやってくれる。そっち系が好みそうな演出。トオボエがツメのことを好き、好き言ってるのもそういう意味かと勘繰ってしまう。他にもハエがたかってる獣の死骸に人間の姿で群がるところとか、一歩間違えば引いてしまうような場面も狼的にはアリなんだろうなと納得して見ている自分。すでに惑わされているのかな、ねえ、クエント・ヤイデンの旦那。そういや、あんたはこれからはどうやってキバたちを追うんだ?
初回からずっと静かな語りで雰囲気いいのは変わらず劣らず。で、今回は動きのあるシーンも多く、静と動のメリハリがあってさらに良かった。廃墟と化した街での獣と無人メカという人間を介さない攻防。まるで本能のように意思を持っているかのごとく、ツメたちを執拗に追い回す無人メカ。それに対して、ツメを助け、立ち向かっていくキバが美しかった。特にキバがほぼ垂直の崖を駆け上がるシーン。あれは思わず見とれた。ストーリー的には、楽園とか、キバの謎めいた過去とか、そのもったいぶった感じが今後マイナスに作用しそうな気がしないでもないが、言葉を多用せず、徹底して絵で語ろうとしている作りはいい。そういう意味で、萌え要素もないのに絵のみでも楽しめる数少ない作品。どうしても萌え要素を持ち込みたいなら、シェールで大人の香り満喫。でもやっぱりそれは萌えとは言わず。
2003/01/28
今まではストーリー抜きで絵のみでも楽しめるものと位置づけていたけど、今回ので、絵のみでしか楽しめないものかも知れない、にちょっと修正。今のところ、ストーリーに魅力を感じられない。キバが楽園にこだわる理由が分からないし、楽園を目指す旅に否定的なツメにしても、旅をやめて、例えば今回訪れた街にとどまる選択をして、何になるのかと思う。結局、旅を続けるにしろ、続けないにしろ、どっちもどっちという感じで、「楽園」をキーに話を引っ張るにしては弱いかなって気がする。だいたい、狼なら誰でも目指す楽園というのが、何ともうすら寒さを覚える。揃いも揃って理想郷主義とはねえ。気高い狼たちもたいしたことないんじゃないかって。そういう自分はかなりの確率でユートピアンであったりするけど。だからと言って、キバたちに自分自身を投影した見方をしたいとも思わないので。今回の話で取り上げられていた老いた者たちと若者たちという対比も新鮮味がなく。まあ、覚りきってるキバが若さに身を任せて突っ走るタイプには見えないんだけど、自分の行動に疑いを持たず、自分の行動が正しいと思い込んでいるってのも若さの証拠だって言いたいんだろうか。
相変わらず、本当に、絵のクオリティは素晴らしく、見せ方も同様に素晴らしいものがあるので、それだけにシナリオにも個性をもっと発揮してもらいたいと切に願う。今回最も気になったのは、女狼コールの歳は幾つなんだろうってこと。見た目は若く見えるけどね(人間で言えば二十代ってところ)。案外あれで歳食ってるかも。ここでもまた惑わされてるやも知れぬ。
2003/02/04
放送に間隔が空いてしまったせいか、前回の話の続きだっていうのに、すっかり醒めて見てたかも。話が退屈すぎる。いくら絵が良いとは言っても、それだけでは自分にはちょっと厳しいものがある。これまで群れを組むことに否定的な態度を取り続けてきたツメに「俺たちが楽園を見つけてやる」なんてこと言わせたりと、ツメの扱いが終始一貫して陳腐。紅一点の雌狼コールにしても、もう少し別な使い方がなかったのかなと思ったり。雰囲気いいことはいいんだけどね。落ち着いているというより、語り方が型にはまりすぎているのかなという気がしてきた。あっと驚かされる部分がなくて、面白みがない。予想のつかない展開ならいいってものでもないけど、時には騙しが欲しいなとも思う。見てて面白いと思うのは、トオボエのすることなすことが笑いを誘うことくらい。ってそれじゃ801系のノリでしかないわけで。結局、作者の語りたいことと、自分が求めているものにズレがあるってことかなあ。うーん、微妙だ。
2003/02/25
楽園病、すか。思わせぶりで、飲み込めない部分が多いのは相変わらずだけど、ようやく話に動きが見られて、今回は面白かった。ストーリーより絵で見せるこの作品の本領がますます発揮された場面も多かったし。特に、冒頭のダルシアとハモナの私たち二人だけの世界よ、なシーンの連続には何が始まったのかと思ったよ。これまでもずっとそんな感じではあったけど、この物語は少女漫画系だとみなしていいってことかな。深夜の少女漫画。楽園を目指す本当の旅はここにあった、とか。
主人公4匹の描写が、ねえ。キバは相変わらず何考えてるか分からなくて猪突猛進してるし、トオボエは相変わらず顔赤らめちゃってるし、ツメは相変わらず…な役割で。コントにしか見えないんだよね。それは楽しいことは楽しいし、遊びを取り入れてるつもりなのかも知れないけど、作品が漂わす落ち着いた雰囲気と主人公4匹のノリのブレンドが、自分にはどうにも馴染めなくて。今後チェザが加わって新風が取り込まれるのか。うーん、今回の感じだと、さらにコント化しそうな勢いだ。
2003/03/04
人を惑わす狼すら魅惑するチェザな回、とでもしようかな、今回は。チェザを連れて行くのか行かないのかで相も変わらず対立してたキバとツメ。楽園に行くためにチェザは必要だと言うキバに、ツメが言い放つ。
「その言葉は聞き飽きたぜ」
おっ、はじめてツメと気持ちを共有できたよ。ツメの役割はいまだ好きになれないものの、キバに対する意見では一致と。とりあえずトオボエとヒゲは見てて面白いし、あとはキバだけなんだけどな、感情移入できないの。キバとしては、破滅に向かうというハナビトの忠告も耳に入らず、それでも構わずまっしぐら、なんですかね。うーむ、前しか見えないってのはちょっと恐いような。
今回は、シェールと老婆ハナビトが落ち着いた雰囲気を形作っていた。その辺、男どもはやや頼りないってね。で、旅は多いほうが楽しいということで、クエントのじいさんが加わったところで幕。
2003/03/11
この作品はどう扱っていいのか自分には難しい。くそつまらないわけでもなく、手放しで面白いと思えるわけでもなく。魅入られる部分がある一方で、少しも魅入られない部分もあり。じっくり熟成型の語りも、それを大人の雰囲気と言ってしまっていいのか分からないが、あえて落ち着いたものを意図しているようだし。そういう作りの作品に劇的なものを期待してもしようがないし。なんだろうな。とりあえず様子見って思ってるうちに1クール終わってしまいそう。自分がせかせかしすぎなだけかも知れないが。
そんな訳で、今回は見るべきところをシェールに見出していた。前半は酔っ払いねえちゃん演じて色気を醸し出してくれ、後半は驚きの表情連発で妙に愛くるしいところを見せてくれてた。チェザがいまいち萌え娘ではないということで、ひとりで頑張っているのだろうか。ハブ坊やも久々の登場にもかかわらず不思議とキャラが立っていたし。元夫婦コンビが再結成(再会)すれば、それだけでも面白さが増しそう。
そういや、この作品のキャラは鼻をはっきり表現しないことが多いのに対して、チェザの鼻だけ取ってつけたような描かれ方されているのはどういうことかと思っていたけど、そうか、作られた花だけに、作った鼻なのかと独り合点。
2003/03/18
『WOLF'S RAIN』 10話「Moon's Doom」
訳分からんフクロウや、巨大ダンゴムシの大群など、遊び心はあった。もうそろそろ話で勝負して欲しいという期待は裏切られつつ。
ダンゴムシの前に敗れ去る様は誇り高い狼たちにとって確かにみっともなくて見せられないものやね。そりゃ必死に戦うわけだ。たとえ勝ってもいまいち誇れないけど。とりあえず主役4匹が毎回受ける傷の多さに、ああ旅をしているんだなと実感することはできると。キバなんて、前回受けた傷が塞ぎ切らないうちに新たな傷をこさえている感じで。体をイジメ抜いてます。キバにとっての楽園とは、事実昇天の意味なんじゃないかと思えてくる。
2003/04/13
いまいち乗り切れないこの作品、今回はちょっと気分を変えて、サラウンドヘッドフォンで視聴してみた。疑似5.1ch化機能は多少音が拡がったように聞こえる程度のものだけど、映画館にいるような錯覚は味わえる(金ない、部屋狭いで、ホームシアターな環境を持つ余裕のない者の苦肉の策)。
そしたら、まさに映画だった。もともと絵と音は申し分ないのだから、当然と言えば当然。冒頭の怪しげな雰囲気、月の花が咲いて、楽園への道ができるシーン、キバたちが傷付くシーンなど。かなり感動ものだった。まさに酔いしれるような心地。絵と音だけで、充分引き込まれていた。今回は久々に話も動いてたし。ダルシアがチェザに固執する理由が分からないなど、まだどうにもな部分はあるけど。それは後半に期待ということで、最適な視聴スタイルを得て、今後も見続けられそう。
2003/04/20
『WOLF'S RAIN』 12話「Don’t make me blue」
遅れること1週間、やっと見れました、人型ブルー。未見だったにもかかわらず、結構あちこちで突っ込まれていたので、そのこと自体は既に知っていたという…。逆にどんな姿なのかと興味が沸いて良かったけど。この作品らしく、静かに色気を漂わす感じがいいね。心なしか、本来の姿の時のブルーまで色気があるように見えてしまう。これでやっぱり主役4匹より年上だったりするんだろうか。狼は(と言ってもブルーは混血か)人間以上に年齢不詳だ。
話のほうは、ダルシアにチェザを奪われて、というよりも、チェザと一緒にいたことで、と言ったらいいのか、人間に対する意識など、キバの中で何かが変わりつつある様子が見られた。今回、楽園以外の行き先に目を向けたキバに、素直に感じ入った。ようやくという感じで、初めてキバに共感することができた。
2003/04/29
チェザを取り戻すため、ダルシアの城へ向かうことにしたキバたち。これまで独りよがりにしか見えなかったキバがカッコ良く見えてきた。今はチェザを取り戻すことしか頭にないせいかも知れないけど、楽園、楽園ばっか言ってるキバより全然いい。自分が何なのか知りたいというブルーも一緒ということで、チェザの時もそうだったように、ブルーをめぐっての4匹の反応がまだまだ楽しめそうだし。男だけの旅なんて味気ないもんねえ。なんて思いきや、ハブとクエントは男だけで二人旅。でも、これが面白い。特製の酔い止め薬を飲まされ、副作用で長ションベンしてるクエントも、シェールとの思い出話に夢中になって車がエンストしたことにも気づかないハブも、二人とも憎めない。思いきり楽しませてもらった。いやあ、男だけの旅もいいものだ。って、どっちやねんだけど、嘘は言ってないつもり。
2003/04/29
みんな、ダルシアの城へ到着、の回。狼にまつわること、少し。世界が繁栄を極めていた頃の話、少し。ダルシアとキバの会話、少し。クエントのじいさんとブルーの複雑な再会、少し。最後はジャガラ軍が攻めて来て、散り散りに。何かはっきりと明らかになるわけでもなく、もどかしい想いはそのままに、事態は大きく動いているのかいないのか、という感じ。
2003/07/21
ツメ視点の総集編。時間変更に対応できていなくて、録画が途中からだったので、総集編で助かったというところで。ああ、そんなこともあったなあ、とかなり前のことのように思いながら思い出していた。
2003/07/21
トオボエ視点の総集編。また総集編ですか、ですが。これは面白いと思った。トオボエはキャラがはっきりしているから、物語を違う視点で見直す意味が出てくる。別に見直してもらいたくて、総集編をやってるんじゃないだろうけど。こういう風に、ひとつの物語を全く違う視点で語るのって、好きだったりする。「なぎさボーイ」「多恵子ガール」とか、かなり古いけど。まあこのテの面白さを知ったのが、この2冊が原点だったと思えば。
2003/07/21
ヒゲ視点の総集編。いつも女の尻ばかり追いかけているヒゲだから、ということなのか、ブルーとかチェザとかヒゲ視点というより花のある総集編。こうして見ていると、この作品も結構印象深いシーンは多い。一緒に旅することを、ほんとにいいの?とチェザがキバたちに問いかけるシーンはその最たるもの。何かに向かって、みなの気持ちがひとつになるって心地良い。そのシーンで流れていた、坂本真綾の歌も良かった。
2003/07/21
人間たち視点の総集編。特に目新しい発見もなく。ハブのことは好きなんだけど。シェールも。クエントも。どちらかと言うと、狼たちより人間たちのやり取りのほうを楽しんでいるのだけど。今回は普通の総集編だった。でも最後の最後にキバが衝撃の告白。なるほどね、キバも楽園があると信じているわけではないのか。それでも楽園を目指す、目指さなければいけない、目指さずにはいられない、と。
2003/07/21