子ども・若者の現在と未来 〜暴力を超えて〜


このコーナーでは、子ども・若者をめぐる社会の問題、教育問題、当事者の声などを掲載・発信していく予定です。

カナダ調査日程表
 
 旅行日程の開始
 日本時間 12月4日(月)午後5時成田発  カナダ時間 12月4日(月)午後3時10分トロント国際空港着
 ※以下は、トロント時間で記載。

月日

時刻と場所

レクチュアまたは聞き取りの応対者と概要

備考




 12月
 5日

 (火)







 

12:00
 
LaMarsh Centre of
 Yrok University
 Room 217D YL
  
 



15:00
David & MaryThomson School




 

Dr. Jennifer Connollyラマルシュ・センター長、心理学博士
 Research & LaMarsh overview  
 暴力と葛藤解決に取り組む実践センターにおける研究活動の概要と、現在、いじめ問題の予防プロジェクトで連携している下記高校の活動について説明を受けた。


Jennifer Connolly with visit
Michelle Moran: Social Worker and Coodinator  
 
同高校が任意に募集した生徒たち約30名(11年生から12年生が主)で構成されるいじめ予防プロジェクト(RISE Projectのサークルの例会に参加し、生徒たちといじめのとらえ方、最近のサイバーいじめの問題、いじめにおける性差の問題などについて意見交換をした。
        

移動はタクシーによる。

 







 



 12月
 6日

(水)



































 


 10:00
 
Room 353B YL


 11:00



 12:00



 15:00

  East Metro Youth Service

























 

Dr. Yvonne Bohr, Ast.Prof. of PsychologyResearch Presentation
 専門のコミュニティ心理学の立場から、幼児期における母親の育児トリートメントをどのように発達的なものにしていくか、という課題から市民の支援を行ってきたが、最近では移民(主に中国から)の人たちの育児支援に乗り出し、新たな課題が生じていることなどをレクチュアしていただいた。

Dr. Alison Macpherson,Ast.Prof. of Kinesiology & Health Science
 自転車のヘルメットによる傷害、ホッケー試合におけるボディチェックにおける傷害に関する実態調査、これらの経年の変化などについて定量的な調査をキネジオロジー(分布予防学)的に考察するレクチュアを受け、質疑を行った。        


Dr. Trevor Hart, Ast.Prof.of Psychology
 専門はHIV患者の研究やうつ病患者の研究を手がけているが、トロント社会の特性である@移民が多い、A低所得者層が多い、Bゲイフレンドリーな社会である、という現実から、社会的不安とリスキーな性行動との関係についてインタビューを駆使してリサーチしていること、最近は1418歳のリサーチにも広げていることなどをレクチュアしていただいた。


Jessica Weiser: Supervisor(社会学のPh.D)
 自らソシオロジストと称する同氏は、同センターの経緯とNGOとしての活動の特性と課題を中心にレクチュアを行い、質疑応答を行った。同センターは、12〜18際の何らかの生活上の問題を抱える若者を対象とした支援活動が中心であるが、@1974年以来の活動歴があること、APrevebtionCounselingTreatmentの3機能が中心であること、B若者の発達課題や社会的復帰の現状に即した5つのプログラムが用意されていること、Cスタッフはソーシャルワークの経歴を有し学士又は修士の学歴をもった専門家集団が支援していること、などが浮き彫りになった。






 










































 


 12月
 7日

(木)















 


 10:00
 
Room 217D YL




 12:00
 ランチミーティング

 
 
 
 2:00
 
Room 353B YL





 

 Greg Malszecki:Ast.Prof. of School of Kinesiology and Health   Science
 暴力の定義と本質、現代社会における暴力の構図、「精神主義」にみられる男性性、戦争のメカニズムなどについて氏の研究関心をお聞きし、質疑応答を行った。


 池谷寿夫(日本福祉大学):本調査の目的と観点についてプレゼン テーション。
 折出健二(愛知教育大学):上記の補足で、日本における最近のい じめ問題とその特徴について付随プレゼンテーション。
 その後、センターのスタッフや院生と質疑応答。

Dr. Debra Ppeler: Prof. of Socialpsychology 
 現在オンタリオ州の基金提供で行っている大規模いじめ調査における最近の調査結果、特にいじめの加害被害における男性と女子の加害性の差異やいじめ加害が成人期における子育てにおける加害性に与える影響の程度や質についての考察をお聞きし、質疑応答を行った。


 





















 




 12月
 8日

 (金)



 


 10:00
 
Selwyn Public School





 3:30
 トロント大学OISE
 政府刊行物センター


Patti AndrewsPrincipal(最近、保護者教育でPh.Dを取得)
トロント市教育委員会作成のいじめ問題対処マニュアルの内容をまとめたパワーポイント(ビデオを含む)を使って、@いじめの特徴、A学校における対処の課題、B教職員における認識の共有の重要性、などについてプレゼンテーションを受けて、質疑応答を行った。
また、各学年の教室や図書室などを見学した。

 通訳者:本林響子さんのガイド

 











 



 12月
 9日

 (土)




 


 8:00
オンタリオ湖畔にある市場を見学。1800年代末期から歴史をもつ市民の市場。
魚介類、肉類、果実、野菜、民芸品が複数の建物に個性的な店構えで展示販売されている。 

 トロント大学ブックショップ
 


 Rick & Debra Peplerの案内による。 








 











 
 
 調査旅行の終着
 12月10日 午後1:25発が2時間遅れの3時25発に変更。成田空港着は、2時間45分遅れの7時半になった。

このたび、あいち県民教育研究所として「団体加入」を呼びかけることになり、そのために所長として書いた文章です。最終的には多少軸の変更があるやもしれません。(2006年7月25日掲載)

教育改革を進める共同活動にご参加を
                    あいち県民教育研究所長 折出 健二
 
 日頃から、あいち県民教育研究所へのご理解とご支援をいただき、御礼を申し上げます。
 貴団体からこれまでにも多くのことを学ばせていただき、調査研究活動の参考にさせていただいています。
 今回、このようなご挨拶を差し上げることに致しました。教育基本法改悪・日本国憲法改悪の動きを初めとして社会と教育・文化が大きな曲がり角にある今、微力ですが愛知の改革を探るわたしどもの研究所に貴団体としてご加入いただき、教育改革という県民に開放される事業のために共に歩みませんかというお願いです。
 子ども・若者の成長と発達をめぐっては、県下でも「格差」社会が進み、非常に深刻な問題を顕わしています。一つには、小中学校、高校時代を経て、労働市場へ参入できない若者が年々増えています。しかも、この新たな貧困層問題が世代から世代へとつながっている点にかつてない危機的な面がみられると専門家は指摘しています。愛知の相次ぐ虐待問題あるいは成人犯罪の背景にはそうした要因が働いているともいえるでしょう。
 二つめに、企業社会の競争激化のもとで、正規社員の採用抑制という雇用の崩壊、若い正規社員が過酷な労働のもとでぼろぼろに疲れ果てていく労働の崩壊、そして「居場所」が無く分断化・孤立化した、関係性の崩壊があります。
 三つめに、こういう現実の中にいま多くの子どもたちとその保護者が投げ込まれ、しかも「自己責任」で競争をあおられ、不安と生きづらさを抱えながらも懸命に、こつこつと生きている状況があります。
 この子ども・若者の同時代人である教師が身近な共感的理解者、援助者として関わるべきまさにその時に、行政権力は、「特色」「魅力」で学校を競わせ、個々の教員を「成果」「管理への従順」で評価して競わせるというやり方を持ち込んできています。それらは、「競争原理さえ徹底すれば状況は変わる」という企業神話をそのまま公教育に持ち込む愚策でしかありません。
 特にそれは、県下でも「学力向上」と称して激化しています。他府県では、大学進学実績をあげるため特定公立高校に財政・人事の優遇をする動きなど、公教育の原理を損なう事態さえ起きています。
 こうした否定的と見える現実の中に、実は、地下茎のように、しっかりと横につながる幾多の改革的な教育実践や子育ての取組みがあります。個人だけではなく学年や学校でも、また地域のサークル等でも、愛知の民衆がそれらを支えて育みつつあるのです。
 当研究所はいわゆる教育運動団体ではありませんが、上述のリアルな状況においてこれを食い破るように生まれる諸実践や諸運動をていねいに交流し、そこから今後の改善と改革の可能性、子育て・教育の様々な担い手の自立と連帯を発見する公共の場を担っています。この点において、貴団体とも共同していくことができると考えております。
 
 いま時代が激しく動いている時、当研究所に団体加入をしていただき、調査・研究交流、課題究明のための討議、そして県民と共に歩み出す行動を創り出していきませんか。どうぞ加入についてご賢察をお願いします。
今後の貴職および貴団体のご活躍・ご発展を祈念し、ご挨拶とします。

「ワーキングプア」(働く貧困層)の問題についてNHKが真摯に制作した番組の内容メモです(06.7.23.)。

NHKスペシャル「ワーキングプア」
(放送日 2006年7月23日21:00〜22:15)
 
(1)雇用が崩壊する
 
ワーキングプア(以下、WP)とは生活保護水準以下  推定で400万世帯もいる?
社会の最底辺で生きる若者のWP:働きたくても仕事なし。働いても豊かになれない。
 
  ある青年:建設現場日雇い斡旋   一日 7000〜8000円
  一人になると怖い(31歳)
 
(事例 1)
路上生活者 小山(仮名) 34歳(高卒)
いつも履歴書を持ち歩く。20種の仕事を経験・・・  すべてが短期契約。
警備会社の場合、道路工事の警備:月12万だった→ その後、10万に減少。
   ↓
別の業種へ  手取り 7万に。
当人の声「働いても働いても安定しないまま。将来の見通し、立てようがない」
ハローワークで、警備員関係をさがす。ガラス拭きの仕事が見つかるが、住所(不定)のことで取り消しに。
いま車の清掃  時給800円→ 月、10万円に。
 
この背景:非正規雇用が増えている(1600万人。労働者の三人に一人が正社員ではない)
 
(2)地域社会が崩壊する
 
秋田県 農村部:廃屋のみ。人は住まない。県内100以上の集落で。
地域経済の地盤沈下が背景にある。
 
税金が払えない人たちが増えている。
(事例 2)  
鈴木  年間収入 248,000円。税務署で支払い困難を申告。
 仙北市角館町 商店街の崩壊→秋田や東京へ出て行く。
 ここで洋服店  サイズ直し、裾上げ
 新調:去年二名、今年ゼロ  S61年頃には年100着の仕事
妻はアルツハイマー病で入院。鈴木の年金を医療費(1月 6万円)に。
介護保険料がほぼ倍に。役所から通知。→「収入が少ないので払えない」と申請。
貯金は100万、妻の葬儀代に取ってある。これを取り崩さないと、生活保護対象にならない。
(事例 3)
角館 つけもの販売 Tさん(税金支払いできない)。
   手作り 朝五時から 深夜零時まで。
   年間300万円売り上げ→ 利益30万円しか。
   競争で価格を抑えるほかない。
  米作もしているが、米価格の破壊(規制緩和で価格競争)で収入にはならない。
(事例 4)
矢地沢集落 5つの農家(以前20軒)の1つ、佐藤(仮名)
 イチゴ栽培 価格下落 産地間の競争、農薬等の値上がり
 4世代、10人が同居。
 収入、年549万円。しかし農機具など返済。借金でやりくり。
  長男 土木作業に。しかし、建設の仕事は減っている
  次男、就職の見通しなし
 佐藤の声:「はいつくばるまで農家やるしかない」
 
△アナウンサー
「なぜ自分のふるさとで普通に生きていくことができないのか」
 
《専門家のコメント》
○内橋克人  まったくあたらしい貧困が生まれている
       働く貧困層 能力あり、意志あり
       最も深刻な構造問題
       こういう社会で、企業の誇り、条件があるのか
○宮本みち子 自立を失いたくない→自立のための尊厳
       生活保護制度を柔軟に変えていく
       ワーキングプア→将来のために蓄えられない
               人間が荒廃していく
○村尾信尚  弱い人、困った人をすくのは政府の役割
       その財源は活力のある企業の増収で
       マーケットで活躍している人を攻撃するのは問題である
 
 
(3)子どもたちの将来が奪われていく
進学・就職の機会を奪われていく子どもたち
(事例 5)
東京 ある男性(50歳) 3つのスタンドでアルバイト
2DK 中1 小6の男子二人。
二人を何とか大学へ。
   600万円の年収が、200万円台へ。いまの業種では月に20万がやっと。 
  妻は病気で逝去。当人の勤務した会社が経営悪化、解雇に。
  週に4日 深夜の勤務に(より高い賃金のため)、朝になると、二人の子どものことが心配。
  長男は、塾に行きたいともいう。彼は弁護士の夢をもったが、いまはむずかしい。
 父親の声「大学にやれるぐらいするのは親の責任だと思う。子どものせいじゃない」
 
(事例 6)
児童擁護施設にくらす子どもたち、ある少年の場合。
 親の養育喪失、家庭経済の困窮。父死亡、母、家を出て行く
少年の声「普通の家に育って、普通の家が良かった」
 
(事例 7)
岩井(男性、35歳)路上生活者。
 WPで育ち、現在へ。
 雑誌をゴミ箱から拾って古紙業者へ(1部50円で買い取りをしてもらう)
 小学校時代はスポーツ選手もめざした。中1の時、借金のことで両親離婚。母親とくらす。母は一日500円を子どもにわたして、飲食店で働く。
 勉強では中の上、しかし金が絡むと一番下で、馬鹿にされた。
 高校でアルバイトもした。→ 30歳で仕事なし   
 「生まれ変わって別の暮らしがしたい」と思ったが、思ってもむなしくなる。
 自分のできることだけやるしかない。
 (アナウンサー:家族と社会とのつながりを失って)
 
児童養護施設での「将来の夢は」の問いに・・・・
女子:保育士→ 自分の子どもの子育てに役立ちそうだから
男子:でかい家を建てて家族皆で暮らす
 
《専門家のコメント》
○宮本:人口の10%か,20%が「はい上がれない状態」
    社会から排除された状態が世代から世代へと継承されていく状態を防止すべき
 
○村尾:所得格差が教育格差にむすびつくのはまずい。
奨学金制度の充実を
    トライもできない状態は問題。トライする資格まで奪ってはダメ。
○内橋:優れた労働力を持ち得ない社会になっている。
 
△ラストのアナウンサー:「取材の過程で努力をしない人は一人もいなかった。個人の問題としてではなく社会の問題として考えるべきではないか」

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