迢迢牽牛星 (無名氏)
迢迢牽牛星
皎皎河漢女
繊繊擢素手
札札弄機杼
終日不成章
泣涕零如雨
河漢清且淺
相去復幾許
盈盈一水間
脈脈不得語
「書き下し文」
迢迢(ちょうちょう)たる牽牛星、皎皎(きょうきょう)たる河漢(かかん)の女、繊繊(せんせん)として素手(そしゅ)を擢(あ)げ、札札(さつさつ)として機杼(きちょ)を弄す、終日(しゅうじつ) 章を成さず、泣涕(きゅうてい)零(お)つること雨の如し、河漢(かかん)清く且つ淺く、相去ること復(ま)た幾許(いくばく)ぞ、盈盈(えいえい)として一水(いっすい)間(へだ)て、脈脈として語るを得ず
「語釈」
迢迢・・・はるかなさま、皎皎・・・明るいさま、河漢・・・天の川、繊繊・・・ほっそりとしたさま、章・・・あや模様、盈盈・・・水の満ちたさま、脈脈・・・目をみはって見つめ合うさま
「通解」
夜空はるかに牽牛星が見える。天の川のほとりに織女が輝いている。ほっそりとした手でとんとんと機織りの杼(ひ)をあやつっている。終日織り続けても、模様はできあがらず涙が雨のように流れる。天の川は澄みきって浅く、牽牛との距離もそんなに遠くない。だが、水の満ちた川一筋に隔てられ、ただみつめあうだけで言葉をかわすこともできない。
この詩は、漢の時代の「文選」所収、「古詩十九首」の第十首。七夕伝説をもとに、愛する男に逢えない娘の嘆きを歌ったもの。
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