エパレクニュース No.10

    1. 第2回大相談会が開催されます!!
    2. ぜん息患者は、生命保険に加入できない?
      患者団体が、共済保険制度設立準備会を立ち上げる。
    3. ぜん息児キャンプ第1回ミーティング
    4. 新薬とジェネリック  ジェネリックとは?
    5. 「EP便り」の道のり
    6. 2005 製薬協フォーラム〜盛況だったけど?〜
    7. 厚生労働省が対策強化

第2回大相談会が開催されます!!

2月12日(日)に、盛況だった昨年に続き「第二回大相談会」を開催します。タイトルは

「ぜんそく・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎(花粉症)などについて
専門家と熟練患者(EP)が答える大相談会2
〜快適な生活はじょうずな自己管理から〜

  これは、毎月一回土曜日に行っているエパレク学習会の活動の一環として、昨年認定試験に合格した18名の熟練患者(EP)が中心となって運営します。
  今年の特徴はまず第一に、「日本アレルギー友の会」と合同で開催することが実現したということです。友の会さんには、電話相談業務のシステムがあり、またアトピー性皮膚炎のご相談にものれるということで、相談会の守備範囲も広がりました。耳鼻咽喉科の専門医も新たに御参加くださるので、この時期特に悩ましいアレルギー性鼻炎についてのご相談にも乗っていただけます。いくつものアレルギー疾患を抱えておられる方も多いと思いますのでこの際まとめてご相談なさってはいかがでしょう。医療費削減のニュースなどで、今後の医療に不安を感じる方も少なくないと思います。こんな時だからこそ、これからは共通の悩みを抱える病気の人たちの利益の実現のために、患者会同士が力を合わせて活動していくことがますます必要になって行くと思います。今回はその貴重な第一歩で、お互いの会の長所を勉強しあう良い機会ともなります。また今回もまた、多数の専門家の皆様が相談員として御参加下さいます。ぜひ足をお運びくださり、快適生活へのヒントを見つけてくださいますようお願いいたします。
(テキスト・矢内純子)

大相談会 10のテーマ

  1. セキをする他の病気との見分け方
  2. 薬の効能と副作用
  3. ぜんそくのじょうずな自己管理
  4. 発作の原因と対処法
  5. 検査結果の見方
  6. こどものセキとアレルギー
  7. 自己管理の具体策
  8. 病気に負けない方法(家庭や職場で)
  9. アトピー性皮膚炎とのつきあい方
  10. アレルギー性鼻炎について

専門家

足立満先生(内科医)、今井透先生(聖路加国際病院耳鼻咽喉科部長・耳鼻科医)、赤澤晃先生(国立成育医療センター総合診療部小児期診療科医長・小児科医)、冨岡玖夫(エパレク理事長 東邦大学医学部客員教授・内科医)、田中一正先生(当会副理事長 昭和大学保健医療学部臨床医学内科教授・内科医)、灰田美知子先生(当会副理事長 半蔵門病院副院長・内科医)
ほか、薬剤師、理学療法士、看護師など多数ご参加くださいます。

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ぜん息患者は、生命保険に加入できない?

患者団体が、共済保険制度設立準備会を立ち上げる。

「ぜん息の死亡率は高い」は幻想

  ぜん息患者は全国で、500万人とも600万人(含む小児)とも言われ、環境汚染の影響もあって患者は年々増加の傾向にあります。一方死亡率(ぜん息死)は、2004年が約3,700名、2005年は約3,200名と、このところ急速に減少しています。
  主な原因として、新薬の普及、専門医の諸先生方の研究の成果、病状に対処するための患者たちの自己管理能力の発揮によるQOL(Quality of Life)の向上などが挙げられます。
  こうした好ましい現状にあるにもかかわらず、いまだに病名を告知したぜん息患者は、原則的に生命保険に加入ができないのです。
  これはぜん息の死亡率が年間1万人以上だった一昔前に各生命保険会社が設定した内輪の取り決めがあり、この旧思想に支配されたまま実態が好転しているにもかかわらず、「ぜん息の死亡率は高い」というすでに幻想化した一種の妄想に、多くの保険会社が取りつかれているからであると思われます。
  一部の生活習慣病では、すでに保険の適用が緩和されている現状でもあり、ぜん息患者の生命保険加入のニーズは近年ますます顕著になっています。
  当会では、設立当初から数社の生命保険会社と個別に折衝をかさねて保険適用の道を探ってきましたが、一向に埒が開かない実情を踏まえ、それでは患者独自の立場でこの問題に取り組もうということから、今回新たに「共済制度によるぜん息患者のみの生命保険制度」設立のための設立準備会を、同様の要望を持っておられる「NPO法人 日本アレルギー友の会」「NPO法人 アラジーポット」の両患者団体と力をあわせて発足させることとなりました。
  ただ一部の保険会社ではシビアな条件付で、しかも高額の保険掛け金の下での保険契約に応じているという事実もありますが、これらが到底一般的とはいえません。
  また共済という制度に頼らずに、患者のニーズに合致した保険制度が近々に制度化されればもちろん問題ないわけなので、この共済制度の利用については、実現の過程で多くの紆余曲折があることは当然です。

共済とは……

  共済制度とは、「任意の団体に所属する者の相互扶助を目的とする団体で、組合員の疫病、負傷、死亡、退職などに対し、一定の給付をおこなう。」という定義があります。
  とりあえずわれわれが目指しているのは、このうち「死亡保険」ですが、組合員が一定の金額を支払い、それが一定の金額に達すれば共済保険制度が発足し、加入者の死亡に伴う所定の保険金が支払われる仕組みです。
  ひところ、いわゆる「怪しい共催組合」が続出して「共済」と聞けば、「眉唾もの」という定説がありましたが、17年4月に「共済」の規制を主眼とした新法律が成立、18年春から施行されることになったので、近年ようやく「共済制度」が市民権を得たといってよいと思われます。

(テキスト・岡田龍一)

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ぜん息児キャンプ第1回ミーティング

「生きる力」を身につけて欲しい

 12月6日(火)18:00より独立行政法人環境再生保全機構(川崎)において、エパレク副理事長田中一正先生、再生保全機構・加藤信幸主任専門役および、スタッフ、北区・荒川区・新宿区の保健師、エパレク担当者、同事務局の合計11名で喘息児キャンプについての意見交換が行われました。各自治体は保全機構の助成金を活用し、毎年喘息児キャンプを実施してきたものの、継続する困難さを訴えられました。
  「主な課題は二つ。専門医療スタッフの確保と自治体内部の予算縮小。キャンプの意義は痛感しているが、その効果を客観的に判定する難しさに頭を悩ませている」とのことです。
  自治体独自でのキャンプ実施が難しいのであれば、自治体の枠を超えた新たな発想でNPOエパレクが主体性をもって企画することは、大きな意義があるのではないでしょうか。エパレクの特徴でもある熟練患者の方々の経験と知識を活用することも可能であるとも考えられます。ただし、資金調達と医療スタッフ確保の課題は残ります。協議の結果、キャンプを専門とするNPOも存在するので他団体とのコラボレーションも視野に入れて、引き続きミーティングを重ねて討議することとなりました。
  ぜん息と長い付き合いをしていかなければならない子供たちにぜん息について学んでもらうこと、そして何より野外体験、自然との触れ合いを通して「生きる力」を身に付けてほしいと全員が願いつつ、近い将来の実現を期待して、意義ある第一回のミティングを終わりました。

(テキスト・折敷郁也)

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新薬とジェネリック

 新薬が世に出るまでには、9〜17年の時間を要します。また、薬の候補となる化合物のうち実際に薬となるものは1/12,324と極めて確率の低いものです。途中で開発を断念したものの費用を含めると1つの新薬が世に出るまでの開発費は500億円とも言われています。新薬を開発するメーカーはそれだけのリスクと費用と時間をかけて新薬を世に送り出しているわけですから、当然薬価も高くなるわけです。
一方、いまTVコマーシャルでも見かけるようになったジェネリック医薬品はどうでしょうか。
 ジェネリック医薬品とは、有効成分の特許(20〜25年)がきれた新薬(先発医薬品)について、よりニーズの高い医薬品(品目選定)をジェネリック専門の製薬会社が開発をしていきます。即ち、先発医薬品を真似て作った医薬品のことです。従って、開発にようする期間は3〜4年といわれ、期間はもちろん費用も大幅に削減できるわけです。以下に新薬とジェネリックの大まかな開発過程を示します。

新薬の開発

@基礎研究 (発見した物質から化合物を合成 2〜3年)
A非臨床試験(動物での有効性と安全性の研究 3〜5年)
B臨床試験 (ヒトでの有効性と安全性の確認 3〜7年)
C承認申請と審査 (1〜2年)

ジェネリック医薬品

 @品目選定→A製剤研究→B溶出同等性試験(作られた薬が先発医薬品と同じ用に、溶媒液の中で溶けるかの確認)
→C臨床試験(生物学的同等性試験)→承認申請と審査
 生物学的同等性試験:20〜40人の健常成人を対象に先発医薬品とジェネリック医薬品の双方を一定の間隔で服用し、体内においてジェネリック医薬品が先発医薬品と同等の動き(吸収・分布・代謝・排出)をするかを確認する試験。健常人を対象とするため有効性の確認はしません。1試験1ヶ月程度と短期間で終了します。

 ある先発医薬品に対しはじめて出るジェネリック医薬品の薬価は、原則として先発品の7割と決められていますが、ニーズの高い医薬品は、多くのジェネリック専門の製薬会社が開発するので徐々に薬価は低くなり、平均すると先発医薬品の5割くらいになっているようです。
 では、特許が切れた一つの医薬品にどれくらいのジェネリック医薬品があるのでしょう。皆さんよくご存知のガスターについて調べてみました。ガスターは有効成分をファモチジンといい、一般医薬品でも既にガスター10として発売されています。そのファモチジンが医療用医薬品として出ている製品名を数えてみましたが、なんとガスター(先発医薬品)以外の製品が20もありました。同じ有効成分で同じ効果があって安いに越したことはありません。これだけの同じ薬が出来るからこそ安くなっているともいえるわけですが、本当にこれだけの数が必要なのかと考えると少々疑問を感じます。
 また、本当に全ての薬がまったく同じ効果を示せるのでしょうか。実は、2005年の臨床薬理学会でジェネリックの信頼性を疑わせるような発表がありました。
 発表には薬品名は公表されていませんでしたが、ある新薬(先発医薬品)のジェネリック医薬品6品目について、先発医薬品と比較をしていました。その結果では、先発医薬品の15%程度しか吸収していないもの、また先発医薬品を追い超し147%も吸収されていたものが見出されました。
 主薬の吸収が低すぎれば、薬としての有効性が期待できず、高くなれば副作用を危惧しなければいけません。
ジェネリック医薬品が今後さらに医療に貢献していくためには、コストだけでなく信頼性と品質の確保が望まれるのではないでしょうか。
いずれにしても、早く我々患者が安心してより安く薬が手に入る世の中になってもらいたいと願ってやみません。
なお、平成15年の厚生労働省「医薬品産業実態調査報告書」によると、日本の製薬企業数は1062社で、医療用医薬品を製造販売している会社は474社に昇ります。このうち、3億円以上医薬品売上高がある会社は395社、売り上げの70%以上が後発医薬品である製薬企業は71社存在しています。皆さんはこの数を少ないと考えますか、多いと考えますか?

(テキスト/鎌田 知)

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「EP便り」の道のり

 EP便りは、学習会にたくさんの人に参加して欲しいというEPスタッフの願いから書き始めました。でも、担当になった私は書くことが苦手なので正直困りました。頭の中に、学習会の雰囲気や学習したことなど伝えたい事はたくさんあるのですが、まず文章がでてこないのです。しかし、出来上がった読みくい文章を毎回添削してくださるEPスタッフの方々と、資料提供や指導をしてくださる灰田先生、薬剤師さん、薬に詳しい人、学習会員の方たちの助けをもらいながら、なんとか毎月発送していっています。
  EP便りには学習会の様子や話題になった事の他に、薬の情報などや季節の話題、関連する情報などぜん息の自己管理に役立つ情報を毎回掲載しております。是非一度読んでみて下さい。
  病気と共に生きるという事はつらい事ですが、きちんとした知識を持てばぜん息はコントロールできる病気です。そのためにも学習会に足を運んで正しい知識を共に学習しませんか。学習会の仲間には内容豊富なEP便りをお送りします。EPスタッフ一同心よりお待ち申し上げております。

(テキスト・荒川潮乃)

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2005 製薬協フォーラム

(盛況だったけど?)

 さる12月6日夕刻、日本製薬工業協会主催の「2005製薬協フォ−ラム」が、東京大手町の経団連会館で盛大に開催されました。
  総合科学技術会議議員の岸本忠三氏の「基礎研究から創業へ」と題する講演からはじまった同会は、その後懇親会に移り、製薬会社幹部、諸先生方、行政からは川崎厚生労働大臣を始め、多くの厚労関係の国会銀員、そしてわれわれ患者会、報道関係など500名を超える参加者が、それぞれの立場からの意見を交換しあうなど盛況でした。
  わが国の医薬品の市場規模は、アメリカの43.3%に次ぐ世界第2位の11.8%です。とはいえ、今日の日本の製薬産業を取り巻く環境は、その規模の大きさや、好調な伸びにもかかわらず、カスタマー(消費者)であるわれわれ患者からみれば、まだまだ閉鎖的な業界であるといえます。 また、他産業に比して、高価な研究開発費や、新薬を開発しても、行政の不備により、承認されるまでに欧米に比較して、数倍の時間がかかるなどといった多くの問題を抱えています。
  懇親会では、製薬協のトップの方々、厚労大臣以下、多くの国会議員や、著名人がスピーチされ製薬業界の未来などについて熱つぽく語られた反面、残念ながら、患者中心の製薬、医療については誰も最後まで語られなかったことが、大変印象的でした。

(テキスト・岡田龍一)

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厚生労働省が対策強化

 厚生労働省は来年度からの5年計画で、アレルギーの総合対策をめざすことになりました。
  中でもとくに、ぜん息死対策に力をいれる、ということで、発作が起きた際に即座に適切な治療が受けられるように、病歴などを記載した「ぜん息カード」の普及などこ考慮しているそうです。
  当会では、副理事長の灰田美知子先生を中心に、こうした行政の対策に呼応した、何らかの運動の実施を当会熟練患者を主体に計画中です。ただ、厚労省としては、いまひとつこの運動に対して、PR不足の感は免れず、ぜん息患者からは、もっと大幅予算を設定して、直接患者会などに協力を打診すべき、という声もあがっていることも事実です。

(テキスト・岡田龍一)