フィンランドの馬術競技と馬産について


ヨーマ・カインライネン/Jorma Kainulainen

フィンランド馬術連盟は1930年に設立されました。来年2000年には創立70周年を迎えます。 馬術連盟には約2万人の会員がおりますが、ここ2年で急増しています。 乗馬スポーツ全般にわたり、ここ10年で急速に競技人口が増えましたが、これにはキラ・キルクランド (Kyra Kyrklund's)選手の国際的な成功が大きく影響しているものと思われます。

フィンランド温血種(FWB)のスタッドブック/血統録はかなり小規模です。 他のヨーロッパ諸国の乗用馬生産が、騎兵の縮小により大きく減少したのと同様に、 1960年代にフィンランドでも同じ状況になりましたが、現在でも生産は続いており、 スタッドブックには1千頭の繁殖牝馬と20頭の種牡馬が登録されています。

フィンランドで最も有名な馬は、国家的な種牡馬であるマタドールII(Matador II)です。 同馬の父はオト・ホーファー(Otto Hofer)やシュベン・ローテンベルガー(Sven Rothenberger)が 競技で騎乗したアンディアモ(Andiamo)と同じメイシェリフ(May Sherif)です。アンディアモは1990年、 マタドールは1991年のワールドカップで優勝しています。 マタドールは3歳時にフィンランドへやって来て、1991年に皆さんご存じのように日本へ売られました。

マタドールの以前のオーナーは、キラ・キルクランドに調教と試合を依頼していました。 その成果は1988年ソウル五輪5位、1990年ストックホルム世界選手権2位、 そして1991年のワールドカップ優勝でした。その後キラは、 ロシア産トラケーネン種の種牡馬エディンバーグで1992年バルセロナ五輪5位、1993年欧州選手権4位と活躍を続けました。 エディンバーグの後にはスウェーデン産のフライングル・アラミル(Flyinge Amiral)がやって来ます。

マタドールはフィンランドに多くの産駒を残しましたが、残念ながら父を超えるような馬は出ませんでした。 現在何頭かは国内の競技会で良い成績をおさめています:
セン馬のマラドーナは1993年に6歳馬に贈られる第1回フィンランド生産者賞を受賞しました。 同馬は現在セントジョージ・インターメディエイトI級の小さな競技会で活躍しています。
コンキスタドールSは有望な馬です。同馬は、キラ・キルクランドの教え子で、 調教師・選手として第一人者のジャンネ・バーグ(Janne Bergh)が調教・試合を担当しています。 キラ・キルクランドは現在イギリスに住んでおり、彼女がフィンランドを離れる際、 ヘルシンキの乗馬センターの仕事をジャンネに引き継がせたのです。 ジャンネ・バーグはフィンランドの馬場馬術ナシュナルチームのメンバーであり、 97年にフィンランドで開催された欧州選手権、98年の世界選手権、99年の欧州選手権に出場しました。 彼女がグランプリで騎乗するのはシムケント(Chimkent)という名のロシア産セン馬です。
現在国際的に活躍しているフィンランド産温血種(FWB)は、皆さんご存じのシータスはじめ、 1人乗り馬車競技の世界チャンピオン・SGOベロン、障害飛越のGGバロック、 牝馬ラベラはジャンネ・バーグと共に馬場馬術の小さな競技ツアーに参加しています。

ラベラ号とジャンネ・バーグ選手
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以上がフィンランドの馬術競技の簡単なご紹介です。私たちは8月末に行われるフィンランド選手権を 心待ちにしています。馬場馬術の選手権はインターメディエイト級で行われます。(Intermediare I, Intermediare I+ and as a final Intermediare I+ Kur. Intemediare I + (one plus)
これはフィンランドとスウェーデンでよく行われる形式です。パッサージュとピアッフェも含まれますが、 ピアッフェは常歩からのみ、ピアッフェからパッサージュへの移行は無しです。
現在のフィンランドにはグランプリ級の競技ができる人馬が多くないため、フィンランド選手権としては 不満な形式ですが、競技人口がより増えれば、もっと魅力ある競技会になるでしょう。


この記事と写真は、フィンランド・ヘルシンキ在住のヨーマ・カイラインネンさんからお寄せ頂きました。
ヨーマさんはフィンランド馬術連盟で審判をなさっているそうです。今回、法華津寛さんのシータス号が、
フィンランド産馬であることに興味を持たれて、私にメールを下さいました。日本の乗馬愛好家向けに記事
を書いて欲しいとお願いしたところ、快くOKしてくださいました。

フィンランド基礎情報
人口513万人
面積33.8万平方キロ
首都ヘルシンキ
人種フィン人
言語フィンランド語
スウェーデン語


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