
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 競馬ファンのための乗馬ガイド □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
☆はじめに 競馬を楽しむ人が増えるに連れ、競馬ファンの中で乗馬に関心を持つ人が増えて います。競馬場に出かけて直接馬を見ることで、その大きくて愛らしい瞳や走る姿 の力強さなど、馬の魅力にひかれることも多いと思います。「自分も馬に乗ってみ たいなぁ」と思った人も多いことでしょう。ただ、乗馬に関する情報は必ずしも十 分とは言えず、どことなく「近寄り難い」イメージがあるのも事実です。
かくいう私も、89年のジャパンカップでのオグリキャップの激走に感動して乗 馬を始めました。乗馬歴はかれこれ6年になりますが、乗馬をきっかけに会社を辞 めて地方競馬の厩務員として働く機会もありました。通算の騎乗鞍数も500に届 くかどうかといった程度で、マイペースで乗馬を楽しんでいます。大きな競技会の 出場経験もなく、実際の馬術競技の世界はよく知りませんが「乗馬をやってみたい」 と思っている方々のお役に立てたらと、このガイドの作成を思いたちました。
なお、このガイドは私がNIFTY-Serve競馬文化フォーラム(FHCUL)のデー タライブラリに登録したものを加筆・修正したものです。
☆目標を決めよう・コースは3つ
一口に乗馬といっても、観光牧場でおじさんが曵き馬してくれるだけのものから、 オリンピックや国際大会を頂点とする競技としての馬術まで、非常に幅が広いのです。 このガイドでは乗馬クラブを利用した3つのパターンをご紹介します。
1)乗馬教室(体験コース)
「とにかく一度は馬に乗ってみたい」という方にお勧めです。多くの乗馬クラブで は、こういった乗馬がまったく初めての人を対象とした乗馬体験コースを開催してい ます。ヘルメットや長靴など乗馬用具は貸してくれますから、ポロシャツにジーンス など、動きやすい服装で出かければOKです。(用具のレンタル料はクラブによって 異なります)
内容を簡単にご紹介しましょう。乗馬教室はその名の通り、まず馬体各部の名称や
馬具の役目などを習ったあと馬場に出て騎乗します。騎乗したら「馬装点検」です。
鐙革の長さの調節や腹帯の緩み具合の点検をします。確認が済めば、馬を常歩(なみ
あし)で歩かせます。常歩というのは、パドックでのゆったりした歩様を思い出して
下さい。次に常歩で歩かせながら「馬上体操」をします。これは歩いている馬の背中
の上で仰向けに寝たり、両腕を上下・左右にぐるぐる回したり、屈伸運動をして馬上
でのバランス感覚を養うために行うものです。馬の背中で仰向けになると、自分の体
全体で馬体の温もりが感じられて、気持ちの良いものです。最初は落ちそうでコワい
のですが、すぐに慣れます。
体操のあとは速歩(はやあし)の練習です。常歩(なみあし)が馬の四本の脚が別
々の動きを見せる歩様であるのに対して、速歩は右前脚と左後脚、左前脚と右後脚が
対になった動きとなる歩様です。パドックで少しイレ込んだ馬を思い浮かべて下さい。
馬体は「いちにっ、いちにっ」とリズミカルな動きを見せ、馬の背中が大きく上下し
ますから、乗り手はこのリズムに合わせる必要があります。最初は馬の動きに随伴さ
せることが難しいため、乗り手は反動でポンポンと跳ね上げられてしまいます。これ
では馬も歩きにくいため、乗り手が鞍の上で軽く立ち上がり、反動を抜きます。この
乗り方を軽速歩(けいはやあし)といいます。乗り手は軽速歩の間、「立つ・座る・
立つ・座る」を繰り返します。軽速歩は人馬ともに負担が軽くなるのが大きな特徴で
す。競馬場では、レース前に出走各馬が発走地点に集まってくる時に、この乗り方を
見ることができます。逆に、反動を抜かずに速歩の動きに随伴させる乗り方を正反動
(せいはんどう)と言います。
乗馬教室・体験コースは30分程度ですから、軽速歩の練習のサワリまでで終了と
なることが多いようです。30分とは言っても、初めて馬に乗った人は「くたくた」
になっていることでしょう。料金は5千円程度です。
2)乗馬スクール
一通り乗馬の基礎を習いたい方には、乗馬スクールが良いでしょう。乗馬教室が1
回きりであるのに対して、4〜12回の連続したレッスンカリキュラムが組まれてい
ます。乗馬教室では省略しがちな、馬体の手入れ、馬装なども習うことができます。
馬房から馬を出してきたり、馬体にブラシをかけたり、蹄の裏ほりや蹄油塗りなどを
体験することもできるでしょう。
レッスン内容は、乗馬教室で習う内容の反復練習で基礎を固めるほか、少し大きめ
の馬場での方向転換と手前替え、歩度の調節、駆歩(かけあし)の練習などですが、
乗馬クラブや回数によって内容は異なります。料金は4回で1万5千円、12回で4
万円程度が目安です。
用具は乗馬教室同様貸してくれますが、12回の練習が終わったころにはかなり自
信が付くはずですから、自分用のヘルメット・長靴・乗馬ズボンを購入するのも良い
でしょう。ヘルメット、ゴム長靴、乗馬ズボン(キュロット)は、各々1万円程度か
らあります。
3)乗馬クラブの正会員
乗馬の楽しさ奥深さを知ってしまったら、一生乗馬を続けると心に決めたら、乗馬
クラブに入会するしかありません。しかし、乗馬クラブの正会員となると多額の入会
金や、場合によっては保証金が必要になることもあります。乗馬クラブの経営は広い
敷地や厩舎、馬を世話するスタッフなどが必要で、非常にお金がかかるものなのです。
入会金は安いクラブでも10万円、月会費や年会費なども必要で、年間最低10万円
以上の出費を覚悟しなくてはなりません。
乗馬クラブの正会員の最大のメリットは、自分から退会するかクラブが倒産して閉
鎖されない限り、終生好きなときに乗馬が楽しめることです。一生続けてゆく前提で
あれば、入会金の高さも納得できるでしょう。乗馬クラブ入会後は、騎乗経験・鞍数
や自分の目的(馬場馬術か障害か)に応じて練習を続けてゆきます。もちろん競技会
に出場せず、のんびり乗馬を楽しむのも自由です。
でも競技会に出るには正装の乗馬服や必要になったり、登録料や馬運車代、自分用
の鞍や頭絡などなど、非常にお金のかかる趣味であることは間違いありません。
それだけに、究極の「一生もの」の趣味であるとも言えましょう。
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