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「昨日ね、友達が花屋さんに行ったんだ、そしたらレアフラワーがあったんだって。」
「ふ〜ん。」

その女性は花を見たことがなかった。造花のことを本当の花だと思っていた。
本物の花を見て彼女は思った。
「そっくりだけど、やっぱり本物の方がきれいね。」
花屋をでて、友人の家へ向かう。
今日から三月、とはいえ初めて春らしい暖かな陽の光を感じて、こうして
歩く事が、彼女には楽しかった。

「今日ね、花屋さんへ行った時、レアフラワーを見たんだけど、やっぱり
本物のほうがよかったよ。」 
「ああ知ってる、あれって種に水をかけるだけで作れるんだって。」
「なら、もっと安くすればいいのに、」
「しかもきれいなのは、何日かだけなんだって。」
「ふ〜ん、つまり希少価値ってわけか。」
「ふ〜ん、つまり彼氏の受け売りってわけか。」
「ハハハ、そおゆうわけでもないよ、こうゆう話するとさぁ、機嫌悪くなるんだよねえ。
たぶん周りのおやじ達に感化されてるんだと思うんだけど、ま、二人が思うほどね、」
「思うほど、何よ。」
「テレとる。アンタ照れとるよ、あははは、」

「昨日ね、友達が花屋さんに行ったんだ、そしたらレアフラワーがあったんだって。
花粉は大丈夫なやつなのかなあ。」
「花屋にあるくらいなら、大丈夫なんだろ。」
「見たの初めてみたいでさあ、でも、やっぱり本物の方が、きれいだったって。」
「…ふ〜ん。」
「センスの良い娘で、見る目あるんだよね。」
「センス悪くてゴメンね。」
「でもこうゆう事話すと彼氏のご機嫌ナナメになるって、ちょっとグチった。」
「あのね、つっかかって来るのは、大体キミのほうだよ。」
「前向きな所がいいって言ってたじゃない。」「ほっといた方がいい事もあるだろ。」
「私は問題をそのままにしておくのが嫌いなの。」
「俺は、は・・レアフラワーが好きなだけなの。他の人と違うからってそれが問題?」
「それって、どこかのインチキ宗教みたいじゃない。」「インチキはないだろ。」
「なんか分けの判んない高い壺とか買わされて、」「買わされてないし、金も払ってない。」
「払ってるよ。土のある場所借りて、遠い所まで通って。そんな時間あったら、私とだって
もっと会えるし、バイトだって出来るじゃない。」
「その位の趣味、あったっていいじゃないか。」
「花だったら、花屋さんに行けばたくさんあるじゃない。」「それとは全然別物なんだって、
いつも言ってるだろ。」「じゃあ、同じ値段の花とレアフラワー、どっちがきれい。」
「そういう問題じゃないんだよ、キミには分からないだけで。」「わかってないのはあなたよ、
だから宗教って言ってんじゃない。私から見れば、本物の花の方がずっときれい。
仲間の人たちに色々言われてそんな気になっているだけよ。花よりレアフラワーが良いなんて。
それってどこが? 解ってない私に教えてよ。」 ーーー「・・・・・。」
「言ったて解らないってこと?」ーーーー 「そうじゃないよ・・・。」   
「言えないんじゃない。」
「・・・まあ、そのうち本物の花なんてなくなっちゃうよ。」
「レアフラワーね。 でも、もしそうなりそうなら、政府とかが動くんじゃない?」 
「いや、そうはならないだろうって。」
「なんで?」
「人気がないから・・・。」

2005年1月17日 島田博樹 

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