カンタレラ(Cantarella)
ボルジア家と言えば「カンタレラ」と言われるくらい有名な単語。

カンタレラは、スイスの文化史家ブルクハルトが「雪白な味の良い粉薬」であると伝えているだけで、
材料などそれ以外のことは殆どわかっていなというのが実情。  
どうやらボルジア家は豊富な毒物学の知識を持っており、
プトマイン(屍毒 注1)の調合方法を完成していた可能性が高いといわれてる。
カンタレラは逆さに吊り下げ撲殺した豚の内臓に亜砒酸を加えて、それを腐敗させて乾燥させる
または液体にして精製したものと考えられている。
 
カンタレラは、時に遅効性で、またある時には即効性を持った。まさに万能の毒薬だったらしい。

[カンタレラという名の語源の諸説]
  1. 19世紀の毒物学者フランダンは、イタリア語で「強請る」という意味であり、
    毒を飲ませて金品を巻き上げるというニュアンスがあるとした説
  2. 「カンタリス(斑猫の粉末)」に由来するという説
  3. ボルジア家での宴席に用意された毒入りのカンタレルス(ラテン語で「小さな杯」)
    を暗示しているのだという説

カンタレラのエピソードで有名なモノといえば、アレッサンドロとチェーザレに起きた1503年の出来事。
ある宴のあとチェーザレとアレッサンドロは倒れ、父のアレッサンドロはそのまま死んでしまう。
チェーザレも瀕死の重体に陥る。この時彼らの飲み物にカンタレラが混ざっていたのではないか?
と言われている。
ボルジア家お得意の毒は彼らをも滅ぼしてしまったのだろうか・・・・

注1
ギリシア人は、ある種の動物の腐った血を毒薬として用いていた。これが屍毒である。
主に用いられたのは牛やヒキガエルであったが、時には墓を暴き人間の骨髄を盗むものもいた。
近代科学で説明するならば、有機体の中にあるアルカロイドが腐敗によってプトマイン(屍毒)に
変化するのを利用した毒である。