この日、幻想郷の夜は静かだった。

地面にうずくまっているのは紅白だった少女。
今は赤一色で息をするのがやっとの状態である。
それを見ているのは館の主とそのメイド長。
二人と対峙し、うずくまる少女の傍らに立つのは
闇に映える長い金髪と背中には4枚の漆黒の揺らめく翼を持つ女。
足元には赤いリボンが落ちているた・・・


「って訳なんで、庭借りるから。」
紅白の巫女、博麗霊夢は撃墜したばかりのルーミアを抱えて紅魔館に来ていた。
なんでも戦っている間にリボンの封印を解いてみたくなったらしい。
万が一の事を考え、紅魔館に来たようだ。
「いいわよ。」
館の主、レミリア・スカーレットは簡単に承諾した。
時間帯は夜になったばかり。
7時頃だろうか。
傍らにはメイド長の十六夜咲夜が付き添っている。
ルーミアを庭に寝かせて霊夢が愚痴る
「魔理沙もこればいいのに・・・」
「なんでもパチュリー様と一緒にアリスの屋敷で研究らしいわ」
答えたのは咲夜だった。
「よし、それじゃあ解くわよ!」
リボンに霊力が集中した手をかざす。
リボンを中心に結界が現れ、霊夢の手を弾こうとするが関係ないとばかりに
さらに霊力を込めて反発結界を解除する。
「二重封印?、まぁいいわ。」
今度はリボンに直に触れる。
「封印解除!!」

パリーーーーーーン!!
その瞬間、夜が一段と濃くなり、
パシャっと水を撒いたような音がした。


「ふぅ・・・ありがとう、霊夢。
お礼に殺しはしないわ」
金髪の女はうずくまる巫女に優しく言った。
「な!!・・・・」
驚愕する主人の前に出るメイド長。
主の身を守るためだ。
が、レミリアはメイド長の前に出る。
「宵闇妖怪風情が・・・霊夢から離れなさい!」
「ふふ、そういう貴女は吸血鬼風情ね。」
「なっ!」
主人とルーミアのやり取りの間、咲夜は相手の力量を探っていた。
「(封印されていたのは能力だけじゃなく、知能、外見まで・・・)」
レミリアは右手をルーミアに向けて
「もう一度言うわ、霊夢から離れなさい。」
スペルカードを使うつもりである。
「あぁ、怖い。お嬢サマ、1つ質問するけど夜の反対は何かしら?」
ルーミアは余裕である。
「そんなの昼に決まってるわ。」
「正解〜」
「プレゼントは貴女の命で十分よ」
右手に妖力がカード状に集中する。
「プレゼントはコレよ」
レミリアはこの一言で今までに無いプレッシャーを感じた。
パチンと指を鳴らす。
レミリアの突き出した右手上空の夜が無くなる。
「まずい!」
これに気づいた咲夜は咄嗟に時間を止め主人を動かすが、既に光は右腕を撫でていた。
「あっ―――――!!?」
光を浴びたレミリアの右腕が崩れていく。
周囲の夜が薄れてさらに淡い光がレミリアに降り注ぐ。
いくら時間を止めて主人を移動させても追いつくはずも無く
レミリアは全身を光を受け、ジリジリと焼かれる。
「キャァァーーーー」
その、あまりのショックに崩れこみ震えだす。
とたんに光が消え、夜が戻る。
「そんなに日光が怖かった?」
「お嬢さま!」
咲夜はもっとも傷の深いレミリアの右腕の時間を止めてその崩壊を止める。
「あと、私は宵闇の妖怪じゃないわ」
宵闇妖怪ルーミアは言う
「私は夜」
と

「貴女の能力は時間操作のようね、私の僕になりなさい。そうすればそこの吸血鬼は殺さない。」
「・・・もう一つあるわ。」
「何?」
「貴女が死ねば全て解決よ!」
すかさず時間を止めてルーミアの周囲に銀のナイフを並べる。
時間が動き出せばそれで終わる。
はずだった。
「何?」
回避不可のナイフの群れはルーミアをすり抜けていった。
「言わなかったかしら?
私は夜。
霊は切れても夜は切れるかしら?」
ルーミアの前方に無数の夜の塊が浮かび咲夜を穿つ。
「ちぃ!(妹様を呼んでくるか?)」
時を止めて回避するが、こちらの攻撃が通用しない時点で敗北は確定である。
「吸血鬼は夜の眷属
夜の支配を受けるもの」
不意にルーミアが口ずさむ。
震えていたレミリアが硬直する。
「レミリア、霊夢も咲夜も助けてあげるわ」
「え?」
「?(吸血鬼は夜の眷属?・・・まさか!?)」
「咲夜を眷属にしなさい。」
「そんな!」
抗う事のできない命令がレミリアを襲う。
「あ・・・さ、くや・・・」
泣きながら立ち上がり咲夜に一歩ずつ近づく。
必死に抵抗している様が手に取るように判る。
凄い汗だ。
咲夜は主を見捨てて逃げ出すか、ここで主の時間を止めて勝てない戦いをするか一瞬迷った。
「手伝ってあげるわ」
咲夜の迷いを見抜いて周囲の夜を伸ばして絡め取り、動きを封じる。
「しまった・・・」
「あぁ・・ごめんね咲夜・・ごめんね、ごめんね・・・・・」
歩を進めながら動けない従者に泣きながら謝罪する。
そして
従者の白い喉元に主人の口が触れる

その夜の内に紅魔館はルーミアの支配下になった。
吸血鬼じゃない霊夢を縛る為に傷を塞ぐ時に夜を混入させておいた。
これで、命令に従わなければ全身に激痛が走る。

「(封印のできる霊夢、時間を操れる咲夜、紅魔館の兵隊の確保・・・
昼は・・・居ないか、
隙間妖怪は出てこない。
あいつは眠っているはずだ。
眠っている間に夜一色にしてしまえばいい。
そうすれば昼と夜の境界は無くなる。
ならば後の脅威は、星の魔法を操る魔理沙と日、月の魔法を扱えるパチュリー位か・・)」
星と月は夜に輝く。
つまりは夜の力が強ければそれだけ強力になる。
日は夜と対を成す属性である為、お互いに打ち消しあってしまう。
日が消えれば、反射する光がないため星も月も輝かなくなる。


あとがき? ルーミアの封印解けたらどんなんだろうなー やっぱ成長しそうだなーって事で書きました。 宵闇は夜にランクUP 吸血鬼は夜の王だけど、夜に支配されている。 だからレミリアは逆らえないんです。 霊夢が簡単に解除した結界+封印ですが 霊夢が天才だからです。 並みの巫女、魔法使いでは手も足も出ません。

第二話


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