「あら?誰かと思ったら・・・まぁ、静かにしてれば此処を使っても構わないわ」
そう言って本に目を落す。
なにやら持ってきたものがあるらしい。
どうぞ、と渡される
「・・・!?黒の書と夜の書じゃない、どうしたのこれ?」
「家から持ってきたの。」
「そう。あぁ、写本したいんだけどいいかしら?」
「いいよー」
と気の無い返事が返ってくる。
「ありがと、リトルー」
「はい。」
とティーセットを持って姿を現す小悪魔リトル
「はい、写符。この2冊を写本しておいて。」
「わかりました。」
と図書館奥の別室に移動する。
「ねぇねぇ、」
「ん、どうしたの?」
本を持ってきてくれたルーミアが相談したい事があると言う。
なにやら封印関係の話を聞きたいそうだ。
「ま、あんな手土産持ってこられては自分で調べろなんて言えないわね」
先ほどまでの上目使いから一転、満面の笑みでありがとうと言われた。
「まず、封印と言うのは蓋をする事と一緒ね。」
あえて簡単に説明する。
以前の事から飲み込みは早いようなのでもっと詳しく知りたいなら自分で調べてもらう予定だ。
「基本は、結界と言う蓋で出てこないようにする事。そのリボンも貴女の何かを出てこないようにする為に付けられたんだと思う」
「封印を施すには、対象と同じか、より強い力が必要なのは解るわね」
コクコクと頷くルーミア
「だから解く場合も同じね。封印より強い力が必要。」
「あと、封印の方式も関係するわね。大まかに2つ。
道具を併用する方法と術式のみで使う方法。
前者は、実力が無くても道具の性能でカバーできるのが利点で、
この道具が破壊されれば封印の効力が激減するってのが難点ね。
後者は、相当な実力が必要だけど、効果は絶大。
長期間に渡って封印する場合は前者だけど、貴女の場合相当な実力者が術者のようね・・・
そのリボン触れないんでしょ?」
「うん。」
「外部からの干渉を防ぐ結界でも併用してるのかも・・・」
そっとリボンに手を伸ばす。
ふにッ
「あら、普通に触れる?力を加えると弾かれるようね。」
「なんでー?私触れないのに・・・」
まぁ、詳しい事は紅白に聞いたほうがいいかもしれない。
図書館別室からリトルが出てくる。
「ルーミアさん、ありがとうございます。」
と2冊の本を手渡す。
「次は、結界についても教えるわ。」
「結界とは、境界線で結んだ空間の事よ。」
その時、扉を開けて魔理沙が現れる。
「お邪魔するぜ。」
「・・・何しに来たの?」
手には本が数冊、どうやら返却しにきたらしい。
「何してるんだ?ル−ミアがいるなんて。」
「ルーミアに封印関係の事教えてるのよ」
「珍しい、何か魔術書でももらったな?」
と言うとルーミアの隣に座り、付き合うぜと言った。
「まぁ、いいわ。」
「境界線とは区別する線。結界とは言うけれど重要なのは線の方ね。
円の結界でも、球の結界でもそれは変わらないわ。
先ほど、結界で蓋をするって例えたけど、もう少し正しく言うと結界で閉じ込める事を封印と言うわ。」
ふむ、と魔理沙が関心する。
「線?」
「お前なぁ、紙と同じだよ。
こうすると、"線"だろ?
それに、円の結界は線だけの物だし、
球でも円で円を書くだけだから結局は線だろ」
と、ルーミアに説明している。
そういえば、彼女は封印、結界関係には詳しくなかったと記憶している。
その彼女は、自分で本を探してきて調べるうちに
「なら、すきま妖怪ってデタラメなやつじゃないか!」と喚いている
ルーミアがなんで?と聞いてきた
「そりゃあそうでしょ、境界を操るって事は、そのどちらからも影響、干渉されないって事じゃない。
多分、夜と昼が出来たころから居るんじゃないかしら」
「ちなみに、基本的に結界は動かす事はできないわ。
貴女が動けば結界も一緒に動くけど。」
うんと頷くルーミア
「それは、貴女を基点としているからなのよ。
基点を決定して一度結界を張ると、その結界は別の基点に移す事はできないの。
でも、その基点を動かせば結界は動くわ。
そして、任意の基点を決めれるのは高位の術者のみよ。
普通は"場所"を基点にするの、もっとも簡単に施せれるからね。」
「そーなのかー」
「結界は境界によって区別された空間。
そのリボンは、貴女の何かを外に出さないようにする封印用結界の要。
さらに、そのリボンを基点にして、力に対して反発するような結界も施してある。
つまり、二重結界が張られてるわけね。」
なんとも、やっぱり紅白かスキマ妖怪くらいしか解けなさそうだ。
「あー、ちょっといいか?」
と魔理沙
「力について聞きたいの?」
頼むぜ、ノーレッジ先生と頼み込まれる。
「なんでそんな基本的な事を?」
「いや、基本を見直そうかなって」
・・・努力家らしい彼女の言葉だった。
「仕方ないわね」
「ついでに何で飛べるのかも」
とメモ張を取り出して言う。
「まったく・・・力とは"方向性のあるモノ"の総体。
しかし、このままでは扱いきれないので
分類されて、引き出されるわ。
妖力、霊力、魔力、幽気、気、超能力などね。
妖力、霊力、魔力、幽気は似たようなモノ
気、超能力は少し別の力ね。
霊力は"祓い清めるのに適した部分"を"方向性のあるモノ"から引き出した力。
まぁ、対幽霊、妖怪用に人間が開発した力ね。
妖力は妖怪自身の"特化した力とそれに関係した力"を引き出したモノ。
昔のメイド長なら金属、チルノなら氷ね。
魔力は"扱いやすくした方向性のあるモノ"。
その為に扱う者によって千差万別ね。
大まかに言えば霊力も妖力も魔力といって差し支えないわ。
妖怪でも、人間でも生前の力(妖力、霊力、魔力)は死後に幽気に変換される。
詳しくは違うんだけど、名称が変わるだけと思ってもらえば結構よ。
気は、生命力、活力とも言われる力を、増強、増幅して扱う力ね。
幽霊が使えるかどうかは調べなきゃ分からないけど。
超能力は、咲夜の時間操作、お嬢様の運命操作、妹様の万物破壊など、単一の事にしか使えない力の事。
強力な力だけど、扱える者も少ないわね。
ちなみに、鬼神が憑いた場合、その力も扱えるようになるわ。
飛行能力については、妖怪は普通に飛べるけど、
人間は魔法で空を飛ぶか、超能力や道具に頼るしか無いわね。」
「なるほど、ついでにスペルカードは?」
と、声が掛かる。
「スペルカードね。
大げさな儀式や長すぎる詠唱、自分では使えない術などを簡単に使用する為の道具ね。
スペル起動方法を術式として書き上げて、それを御札などに組み込む事で作れるわ。
使う時は"力"をスペルカードに流して術式を起動する。
すると、カード状に力が形成される。
この事からスペルカードって呼ばれるようになったわ。
後はカード状の力に起動する為の力を流せば発動するわね。
符の破損、符に組み込んだ術式が使いすぎで壊れる、発動に必要な力が供給出来なければ使用できないわ」
「・・・・さっきの声は?」
私じゃ無い。とメモしながら言う魔理沙。
そーなのかーと目を丸くしているルーミア。
その後ろからひょっこり顔を出すレミリア。
「お嬢様・・・」
「さすがはノーレッジ先生ね。」
と微笑む。
「これくらい当然よ。」
リトルが人数分の紅茶を持ってきてくれた。
コンコンとノックの音。
まったく、今日は人がよく来る。
「どうぞ」
「失礼します」
と咲夜が入る。
「お客様です。」
「誰?」
「マリーツィアという女性です。」
知らない名前である。
唯一反応したのはルーミアだった。
「マリーが?」
ルーミアに客が来たらしい。
「し、失礼します。」
入ってきたのは長い髪で、緑と灰色のメイド服を着用した女の子だった。
なぜか涙目である。
というより半分泣いている。
「あ、マリー・・・もう時間なの?」
「はい。グスッ」
「それじゃあ、帰るね。」
と2冊の本をマリーと呼ばれた女の子に渡して立ち上がる。
「それでは〜」
と一人先に出て行ってしまうルーミア。
「失礼します」
とお辞儀をし、丁寧にドアを閉める。
「あぁ、待ってくださいルーミア様ぁ」
と後を追う。
「「「「「・・・・・・・」」」」」
残った5人は一瞬の沈黙の後
「「「「「ルーミア様ァ!!?」」」」」
まったく同じ驚愕の声を上げた。
「おいおい、あいつ何者だよ」
魔理沙が全員の思った事を口にする。
「(・・・かなり高レベルなメイドね、紅魔館に欲しいわ)」
咲夜だけは別な所を気にしていたが。
あとがき!
創想話では、パチェ視点で書いて失敗した為に
大きく書き直しました。
まぁ、自分が東方ssを書く上で資料的なものを話しにしてみました。
ルーミアと本との続きにあたります。