まだ日は沈みきってはいない。
赤い橙色の空
一番最初に異変に気がついたのは、門番の美鈴だった。
「空が、暗くなっていく!?」
空を見上げていた美鈴の近くから声がする。
「ここに、霧雨 魔理沙が来てる筈だけど?」
「!?」
一瞬で間合いを離す。
髪が伸び、大人びた少女が立っていた。
「誰、ですか?」
「あら、お土産までくれたのに・・・酷いわ美鈴さん・・・」
よよよ、とわざとらしく泣き真似をする。
「え、まさか、ルーミアさん?」

図書館で咲夜の帰りを待っていた4人も異変に気がつく。
数少ない窓から差し込んでいた光が突然遮断されたのだ。
部屋中が真っ赤に染まっていたのが一瞬で暗くなる。
「まさか、向うから来たの?」
「みたいだな、まぁ、この人数ならメイド長が来るまで余裕だろ。」
「げほ、ごほ、先に行ってて、薬、飲んでいくから。ごほっ」
「あぁ、終わった後にでもこればいいさ。いくぜアリス、妖夢」
と気楽に図書館を出て行った。

「魔理沙さんは来ていますけど、なんの御用ですか?」
「今日は、お礼をしに来たのよ。」
美鈴の後ろから声がする。
「お礼なら、グリモワール3冊でいいですわ」
澄ました声が聞こえた。
「ご登場ね」
魔理沙である。後ろにアリスと妖夢も続く。
「それで、何のようなの?」
「言ったじゃない、お礼に来たのよ」
「(聞いてないわ)お礼?」
「そう、リボンを外してくれたお礼と、今までのお礼参りよ!」
ルーミアの妖力が増大する。
「いくらリボンが取れて強くなっても、4対1で勝てるのかしら?」
「あら、誰が1人で戦うなんて言ったのかしら?」
両手を広げ、スペルカードを発動させる。
「闇扉・逢魔ヶ刻!!」
広げた両手近くの夜がグニャリと捻じ曲がる。
捻じ曲がった夜が縦に渦を巻き、中から騎士とメイドが現れる。
「3対4よ。マリーは魔法使いを、リカルドは門番と剣士をお願いね。」
「舐められたものね、メイド1人が相手だなんて・・・いいわ、相手をしてあげる!」
格下に見られたと思い、苛立つアリス。
「お、お手柔らかに、お願いします、ね。」
「そうそうマリー、」
「はい?」
「アレを使っていいわ」
「は、はい・・・」
マリーと呼ばれたメイドはおびえながらそう言うと、ルーミアから離れていった。
「美鈴さん・・・」
妖夢が目の前の騎士に警戒を強める。
「はい、強い、ですね・・・」
「ふむ、お嬢さん方、あちらで、試合ましょう。アレは危険ですからな。」
騎士が率先して離れていく。
妖夢と美鈴に背中を見せているのは余裕の表れだろうか?
「ふふ、1対1よ魔理沙。」
「これは、親切にどうも。」
「試してみたいでしょ?私の力」
「正直、間に合ってるけどね、いいさ」
「さぁ、夜に沈みなさい、黒い魔!」
「ふん、切り裂いてやるぜ、暗き夜!」

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「只今戻りました、紫さま」
「もう、遅いわよ、藍」
「(誰のせいで・・・)すみません、はい、幽々子さん」
と持ってきたお酒「雪崩れ(ゆきくずれ)」を渡す。
濁り酒である。
「あら、ありがとう、妖夢ー・・・あら?」
「あぁ、妖夢どのなら、先ほどメイド長に連れられてどこか行きましたよ。」
「メイド長って紅魔館の?」
「はい。なんだか夜がどうの、封印がどうのって言ってましたけど。もぐもぐ」
そう説明して、食事をつまむ藍。
ふと箸が止まる2人。
「夜、封印・・・?」
「ふむ、まさか・・・」
考え込む二人。
「あら、どうしたの?」
「幽々子、ちょっと出かけるわ」
藍がギクリとした。
「ふふ、藍は残ってていいわ。橙も。」
「いきますか、紫どの」
「あら、夜摩様もいくのですか?」
「すまんの、すぐ戻るよ」

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対峙する1人と2人。
「まずは、名前を聞きたい、私から名乗ろうか。」
全身を甲冑で包んだ騎士がぶぅん、と大剣を構える。
「私はリカルド、リカルド=シルベリウス。」
「魂魄妖夢、」
「紅 美鈴、」
「ふむ、魂魄・・・剣豪・魂魄妖忌の娘か孫か、
なるほど、そちらのお嬢さんは、武術ですかな?帽子の龍が気になりますが・・・
ふぅむ、お二人とも参られい!」
牽制するように七色の弾幕を撃ち出す美鈴。
「様子見など、できるのかな?」
弾幕を気にせず距離を詰めようとする騎士。
「はぁぁぁ!獄界剣・二百由旬の一閃!!」
弾幕を盾にして先手必勝とばかりに妖夢が真っ向から楼観剣で斬りかかる。
「なかなか良い太刀筋、しかし、」
ギキィン
必殺の斬撃を丸みを帯びた篭手で軽く受け流し、
「まだまだ未熟!」
崩れた所を蹴り飛ばす!
「ぐぅ!」
体が軽いため、かなり吹き飛ぶ。
さらに追撃して止めを刺そうとする。
「させません!」
バキィ
「むぅ」
美鈴の蹴りがリカルドを捕らえる。
が、甲冑に阻まれて効果が無い。
美鈴も分かっているのか反動を利用して間合いを取り、弾幕を展開する。
「妖夢さん、大丈夫ですか?」
「けほっ、だ、大丈夫です。」
構えを正す妖夢。
間合いを取り、2人を見つめる騎士。
「ふむ、これは、骨が折れそうだな・・・」
一角獣のような角のある兜の中で騎士がニヤリと笑った気がした。

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「操符・乙女文楽!!」
魔力弾から人形が飛び出し、弾幕を展開する。
「ぐす、わわ!」
泣きながらも、的確にソレを回避するマリーツィア。
「たかが泣き妖怪の癖に、さっきからうろちょろと!」
「お返しです、涙符・止め処ない雫!!」
マリーの周囲に水の弾が無数に出現し、アリスに襲い掛かる。
「この程度で、うわ!?」
マリーの手元から高圧縮された水が数条撃ちだされる。
人形が半数も撃ち落された。
「えぇい、行きなさい!
操符・マニピュレイトパペット!!」
スペルカード同士が相殺する。
「しっかし、今回も上手く避けたわね・・・・」
泣き妖怪バンシーは、死期の訪れた人が居ると、泣いて知らせるのである。
つまりは、危険予知が可能。
これを上手く利用すれば、涙の流れない場所が安置となる。
なので回避が異常に上手いのである。
「続けて、行きます、泪符・・・」
メイドがスペルカードを起動させる。
ここにきて、アリスは考えを改める。
相手を見くびらない、単なるメイドとは、思わない。
「ふぅん、・・・すこし、そう、少しだけ実力を出すわ・・・」

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黒い弾幕が容赦なく黒い魔法使いを襲う。
「ちぃ・・・(確かに強くなってる・・・)」
「ウフフフフ、逃げてばっかりじゃあつまらないでしょ?」
箒に魔力を篭め、地面すれすれを高速移動して、弾幕を大きくやり過ごす。
「なら、これでもどうぞ」
魔理沙の手からマジックミサイルが無数に放たれる。
「そんな攻撃、以前の私でも避けられるわ」
体を少しずらし、紙一重で避ける。
「こんなのはどうかしら?」
避けながら、頭上に両手を掲げる。
妖力が両手に集まっていく。
ルーミアの動きが一瞬止まる。
ニヤリ
魔理沙の口がゆがむ。
「甘いぜ!」
紙一重で避けたミサイルが突如爆発する。
「きゃ!」
至近距離での爆発で力の集中が中断し、体勢が崩れる。
「いくら力が強くなっても、扱う者が成長していなきゃ意味は無いぜ!」
追撃とばかりに周囲に浮かべた魔法玉からストリームレーザーを放つ。
「くぅ!」
体勢を崩しながらも莫大な力を利用した瞬発力で回避する。
お互いに距離を離す。
「小ざかしい真似を!!」
もう一度頭上に両手をかざし、大量のレーザーを地上付近にいる魔理沙に放つ。
距離があるため、降り注ぐレーザーを難なく避ける。
「ふふん(さて、どうしたものか・・・)」
力の容量差はかなりある。
経験と技量と知恵でどうにか覆せないかと魔理沙は思案する。

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あとがき! ついに戦闘開始! リカルド戦はかなり苦戦しそうです。 マリーツィア戦は、アリスが優勢かな? ルーミア戦は、分が悪そうです。

第五話


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