妖精たちが舞う。
湖の畔、雪原を楽しそうに。
青い妖精が元気に提案する。
「そうだ、鬼ごっこしよー」
周りに居た5人の妖精がコクコクと頷く。
「ジャンケンで鬼を決めるよ、ジャーンケーン」
ポイっと6人は一人の掛け声で一斉に手を出す。
「はい、あなたが鬼ね。10数えてねー」
と言うと残った5人は一斉に飛び去る。
鬼役の緑色の髪をした妖精は指を折って10数える。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
数え終わると勢いよく飛び上がった。
みんなどうやら木の茂ってる方に行ったらしい。
注意深く探していると1人目を見つける。
赤い髪をした妖精だった。
どうやら気がついていないようだ。
一気に急降下する。
赤い髪の妖精が気がつき、逃げ出そうとするが既に手遅れ。
背中をポンッと叩くと笑顔で次の得物を探す。
捕まった妖精は悔しそうにしていた。
そんな調子で1人、2人と捕まえていく。
最後に残ったのは提案した青い妖精だ。
キョロキョロとあたりを伺う
すると、
「あ」
不用意に出てきた所で目があった。
勝ちを確信して、緑の髪の妖精が距離を詰める。
ニヤリ
青い妖精が怪しく笑う。
「えい!」
と手を振ると、鬼役の妖精に雪が降り注ぐ。
「!!?」
どさどさどさッ
きゅ〜〜〜
「あははははッひっかかったー、さてと、逃げよっと、ウワァ」
と振り向きざまに何かにぶつかる。
「こら、チルノ!鬼ごっこなんでしょ?」
と青い妖精を叱る白い妖怪。
「レ、レティ・・・」
白い妖怪はパチンと指を鳴らす。
積もっていた雪が突風と共に吹き上がり、日光に当たってキラキラと輝きながら舞い降る。
その中心部で、埋まっていた緑の髪の妖精がプルプルと頭を振っていた。
「ほら、謝って」
「ご、ごめんなさぃ・・・」
緑の髪の妖精は、"気にしないで"と言う表情で笑った。
普通の妖精達は言葉を発しない。
妖精達は不完全ながらも、テレパシーで言いたい事を"大まかに"相手に伝えるのである。
チルノは"氷の妖精"として普通の妖精達よりも力ある存在なので言葉を発するのである。
ちなみにチルノは、この妖精6人中一番強い力を持つが、最年少である。
そんな彼女を叱ったのは、冬の妖怪・レティ・ホワイトロック
氷の妖怪よりも上位の存在である。
そして、唯一の話し相手でもある。
そんな冬の一コマ
とある日は、湖上の館の近くまで行って、門番におやつを貰ったり、
とある日は、湖の主といえるスキュラのお姉さんに叱られたり、
とある日は、化けガラスに襲われたところをレティに救って貰ったり、
しかし、冬は過ぎてゆく。
「今日は何して遊ぶ?」
いつものように5人の妖精達とおしゃべりしていると、レティが来る。
しかし、どこか具合が悪そうだ。
「レティ、調子悪いの?」
心配そうに聞くチルノ。
心配そうに見る妖精達。
「ん・・・・冬も終りが近いから。」
実は既に冬は過ぎ去ろうとしていた。
無理やりここに残っている状態である。
「ふぅ・・・・」
ため息をついて木の傍に座り込む。
「そだ、面白いもの見せてあげるよ。待ってて」
と、なにやらレティを元気付ける為にどこかに行ってしまった。
その後を追う4人の妖精達。
「?」
一人残ったのは、レティがテレパシーで行かないようにお願いした為。
「丁度良い・・・常にチルノの一番近くに居た貴女に任せるわ。」
「??」きょとんとして緑色の髪の妖精は"なにを?"と聞く。
「あの子の御守りよ」
その時、白い妖精が空から降りてくる。
「あぁ、リリーね・・・もう少しだけ待ってもらえるかしら?」
彼女は春を伝える妖精である。
彼女が現れたと言う事はもう季節は"春"なのだろう。
"冬"が居てはリリーは春に昇華できない。
すっと手をかざすレティ
「貴女を大妖精に任命し、名を授けるわ」
「!!」びっくりし、慌てる緑の髪の妖精。
「汝、名は"ラミュス"」
パァッと妖精が光る。
光と共に、羽が一回り大きくなり、力も増加する。
「わぁ!?・・・声が、私、喋ってる!!?」
「ふふ、これでチルノにも話し相手が出来たわ。」
レティの姿が薄くなる。
「レティ様・・・」
「そんな顔しないの。戻ってきたわ・・・」
「レティー!!!」
蛙を捕まえてきたらしい。
「見ててね、」
と蛙を地面に置くと
「えぃ!」
パキィッ
一瞬で凍る。
他の妖精がもってきた水をかけると何事も無かったように逃げ出す蛙。
「どう?レティ」
と顔を上げると、泣いている大妖精だけだった。
リリー・ホワイトの姿も無い。
「ねぇ、レティは・・・どこ?」
「レティ様は、私を大妖精にして、行ってしまいました」
「そんな・・・また、何も言わずに消えちゃったんだ・・・・」
沈むチルノを見て大妖精が提案する。
「チルノさん、次の冬にレティ様をびっくりさせましょう!」
「?」
「今から次の冬までに"成長したね"って言われるような事を出来るようにするんですよ」
「・・・・うん!そうだね、また会えるんだし。」
他の妖精達も"それがいい"と賛成する。
「そういえば喋れるって事は、名前を貰ったんでしょ?」
「はい。ラミュスって名前をつけて貰いました。」
嬉しそうに答える大妖精。
「これからも、宜しくねラミィ。」
「はい。」
「よーし、何やるか考えよー!」
「永久氷晶でもチャレンジします?」
「ん〜、無理無理」
「喜んでもらえると思うんですけどね・・・」
「もうちょっと簡単なのにしようよ」
「ふふふッ頑張ってくださいね。」
妖精達が舞う。
次の冬を迎える為に。
あとがき!
2面中ボスの大妖精とチルノがメインのお話です。
またもや勝手に名前をつけてしまいました。
ちなみに、湖の主がスキュラってのも勝手な設定です。
力関係は
レティ>チルノ>大妖精>他の妖精な順です。
これは、
冬そのもの>氷雪など、何かに特化した妖精>妖精のリーダー格>普通の妖精
って事です。
季節妖精は
季節の変わり目になると「次の季節を告げる妖精」が現れて
「前の季節妖精」が消え去ると、
冬を告げる妖精→冬妖精
春を告げる妖精→春妖精
夏を告げる妖精→夏妖精
秋を告げる妖精→秋妖精
↑のように「次の季節妖精」に昇華する
って感じな設定にしています。