今日はメリーの試合の日。
「って、貴女が遅刻って珍しいわね・・・」
励ましにきた蓮子が漏らす。
「ふぁ・・、だって、仕方ないじゃない。
また夢を見てしまったんだから・・・」
眠そうに、メリーが言い訳をする。
いつか別の世界に行ってしまう夢を見たと相談されたっけ。
彼女、メリーは境界を見る程度の能力がある。
最近では寝ている間に境界を越える能力に成長しているようだけど、
少し心配だ。
いつか私が置いて行かれるんじゃないかって思ってしまう。
あぁ、私にも境界が見えればなぁ
・・・羨ましいから言ってる訳じゃないのよ?
それにしても、
こちら側にこれたのは、彼女の力のおかげか、それとも他の誰かの力なのか・・・
私にはわかるはずがないし、今現在すら実は夢なのかもしれない。
・・・むしろ夢であって欲しい。
昨日の試合を・・・無かった事にしたいくらいだ。

っと、そんな事考えてる暇はないんだった。
「さ、メリー、早く髪を梳かして準備しましょう。
時間は限られているのよ?」
「ん〜〜〜、」
いまだ寝ぼけているメリーを引っ張って、鏡の前に座らせた。

◆□◆□◆


蓮子ったら、自分が終わったからっていい気なものよね。
昨日見た夢の話を聞いてもらいたいのに・・・
確か、あれは・・
不思議な女性がどこからとも無く現れて、
「人間にしておくにはもったいないわね、貴女。」
とか理不尽な事言われて、
「今日は特別に、色々連れてってあげるわ。」
ってスキマに連れて行かれたっけ。
・・・ん?
スキマって何だ?
うぅ、頭がまだ覚醒していないみたいね・・・
それに、あの女性は、どこかで見た覚えが・・・
「はい、おしまい。
ほら、髪は梳かし終わったわよ?」
「ん?、あ、ありがとう。
あ、昨夜見た夢の話なんだけど・・・」
私は話を切り出してみる。
「夢の話は、23時間10分59秒後に聞いてあげるわ。
もう、開始まであと9分53秒になってしまったじゃない」
「むぅ・・・」
あ、そうだ、昨日の約束があるんだ。
「蓮子、私の応援お願いね〜。」
「はいはい、頑張れ〜マエリベリー・ハーン」
うわ、やる気の無い応援だ。
「・・・それだけ?」
「ほらほら、時間時間。」
「うわ・・蓮子のケチー」
悪態をついて、部屋を出ようと、扉に手を掛けたとき、
「あ、メリーちょと待って。」
と、肩を掴まれて、呼び止められる。
「もう、まだなに・・、」
振り返った私の眼前には蓮子の顔。
(え・・?)
私は一瞬混乱してしまい、動きが止まってしまう。
どんどん近づいてくる。
思わず身をすくめる。
「・・んむ!?」
(え、ちょ、ちょっと、)
唇を塞がれる。
完全な不意打ち。
私はよろめいてしまい、そのままドン、と扉にもたれてしまう。
それでも、離れない蓮子の唇。
(蓮子、なにしてるの?)
ただ塞がれているだけ、
舌をどの、唾をどうの、歯茎がどうの、とかは一切無し。
ただ、唇を重ねるだけ。
ほんの数秒だったかもしれない。
でも、私にはその瞬間が悠久にも感じられた。
これは・・・夢?
それとも・・?
「・・・ん、ふぁ。」
蓮子の唇が離れる。
私は、両手を胸に抱いたまま、ずるずるずる、ペタリ、
と床にしゃがみ込んでしまった。
胸に当たった手から、
ドキン、ドキン、と激しくなった胸の鼓動が伝わってくる。
まだ、頭の中が真っ白だ。
蓮子が真っ赤な顔をして、口を開く。
「・・・言ってたでしょ?
最初の試合の時に、」
・・・・あぁ、思い出した。
最初の試合の時、パチュリー選手が小悪魔選手にされた”オマジナイ”
そのとき私は蓮子言ったのだ。
『はいはい、あ、蓮子、私にも試合の日には”必勝のオマジナイ”してね♪』
私は蓮子を見上げる。
(え・・?)
見えてしまった。
その意味を脳が理解する。
「ほら、立って、本当に時間が無いわ。」
「ぅ、うん、」
蓮子が照れながら私を立たせてくれる。
「じゃあ、イッテクルワ・・」
「うん、いってらっしゃい。」

見えてしまった。
蓮子の、・・友情と・・・の境界が・・

◆□◆□◆

私は、控え室を後にするメリーの後姿を見て心配になる。
ついつい昨日の事を思い出した勢いでやってしまったけど、あれで本当に大丈夫かしら?
彼女、足取りがフラフラしていたけど・・
まるで、夢遊病患者みたい。
・・・知らないけど。
あと、出て行くときの表情が怪しかった・・・
・・・・心配だ。

◆□◆□◆

「では、試合前の自己紹介をどうぞ。」
司会のレティがメリーにマイクを向ける。
メリーは、真っ赤な顔のまま、
向けられたマイクをひったくると、一歩前にでる。
「私、マエリベリー・ハーンは、遂に・・遂に、境界を越えましたぁああ!!(゚∀゚)」
ぐっと握りこぶしを振り上げる。
観客も、司会のレティも意味がわからない。
だが、かまわずメリーは続ける。
「私は、彼女の期待に答えます!」
会場が一瞬ざわめく。
彼女の期待?
おいおい、なんなんだソレ?
まさか芸でもするとか・・
色々な声が聞こえてくる。
すぅ・・、と息を大きく吸うと、
会場がしん、と静まり返る。
そして、とても幸せそうな笑顔で、
「蓮子ーー、私も・・、」
「、大好kんfd;あjtふぁメルポfぇ@gf」「イッテクルってそっちかぁああ!!」
一瞬でメリーの懐まで踏み込むと、即頭部に回し蹴りを喰らわせる。
綺麗な円を描いてメリーが吹っ飛ぶ。
後日、「踏み込みが見えませんでした・・修行し直します。」
と、目の前にいた妖夢が語るほどの速さだったとか。
「ハァ、ハァ、ハァ、・・・すみません、少し待っててください。
元に戻してからつれてきます。」
「・・・は、はい、」
息を切らせて吹っ飛んだメリーを拾い上げる蓮子。
そのまま引きずって控え室に消えてゆく。
司会のレティはそれを震えながら見ているしかなかった。

その後、メリー復帰までに10分はかかったとか

あとがき! 今更最萌2の支援ssですが^^; キャラ破壊2号! 設定とは大きくそれていますね・・ でも、自分の中では二人はとっても仲良しなんですよ! で、今回は蓮子の中で友情と愛情の境界が移動してしまっているのを見てしまい、 これはもう、気持ちに答えるしかない! ってメリーが暴走するって話です。 しかも、メリーは夢だと思い込んでいるので大胆ですw ちなみに、メリーが気持ちに答えるってのは、自分も境界を越える事。 超えた境界はもちろん 「友達と百合の境界」 です。 10分かかって蓮子が説得して元に戻っちゃいますが(´・ω・`)チェ…

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