師匠とてゐの試合・・・
明日だ。
どっちを応援すればいいんだろう?
そんな事を悩みながら廊下を歩いていると、
「あら、イナバじゃない。」
ん?
姫さまだ。
部屋に入ろうとして私に気がついたみたいだ。
「姫さま、なんでしょうか?」
「すこし、相手をしてくれないかしら?」
何の相手だろう?
そうだ、姫さまがどっちを応援するか聞いてみよう。
「はい。」
私は姫に続いて部屋に入っていった。
ずずず・・・
お茶をすする音がする。
「はぁ〜・・・やっぱりお茶よね〜」
相手とは、姫の話し相手の事だった。
私もお茶を頂く。
ずずず・・・
「あ・・美味しいです・・」
きちんと正座して頂く。
私はなかなか慣れないので直ぐに痺れてしまう。
姫も、もちろん正座だ。
多分永遠に正座していられると思う。
「ふふ、でしょ〜。
そういえば、永琳とてゐがね・・・、」
どうやら二人が何かをしているらしい。
二人でお茶を飲む少し前。
いきなり永琳とてゐが私の部屋をたずねてきた。
「姫、私とてゐ、どっちが好きですか?」
・・・・ハイ?
「・・・、ひめさま、こたえて・・・、」
ははぁ、どうやら明日の試合の投票予想を立てるのね・・
「そうね、二人とも好きだけど・・・どちらかといえば、永琳かな?」
「!!」
「ふッ・・」
二人の表情が面白い。
方や満面の笑み、方や悔しそうに膨れている。
「・・いいもん、・・・ウサギ達に、聞く・・」
そう言うとてゐがトトトトッと廊下を走ってゆく。
「あ、待ちなさい、てゐ!」
永琳もその後を追う。
「あらら、行っちゃった・・・」
永遠亭にいるウサギは、リーダーのてゐを含めて、178匹
「・・・って177匹のイナバ全員に聞くのかしら・・・」
「、・・・って、事があったの。
イナバは聞かれたかしら?」
ぶんぶんと私は首を横に振る。
「いえ、そんな事があったんですか・・・」
その頃、廊下にて、
「ハァ、ハァ、てゐ、そっちは何人かしら?」
と、息を切らせて永琳が人数を聞く。
暑いわといいながら胸元を少し緩める。
「・・・ん、89、」
てゐは普段から走り回っているおかげか息切れしていない。
「姫の票を合わせれば私も89・・・」
「・・・む、おなじ、」
「と、なると・・・最後は」
「・・・ん、れいせん・・」
(あの子を落すには・・・)
(れいせん、・・ふふ・・)
二人は密かに勝利を確信する。
お互いに鈴仙のツボは心得ている。
そして、襖を開ける。
ガラッ
いきなり襖が開く。
「うわ、師匠とてゐ、どうしたんで・・」
「ウドンゲ、」
「・・・れいせん、」
二人が私のセリフを遮り、私を睨みつける。
・・・・ごくり、
少し・・・怖い。
「「どっちが好き?」」
・・・・・、
「ふ、二人とも好きですよ?」
私は無難に答える。
が、甘かった。
「「どっち?」」
二人は更に勢いを増して私に答えを迫る。
「ぅ・・・、」
正座を崩して少し後ろに下がる。
えっと、二択しかないんでしょうか?
私が困っていると師匠が、
「ウドンゲ・・・私とあなたって、単なる師匠と弟子の関係でしか無いのかしら?」
師匠が、寂しそうな目で私に訴える。
グハッ、師匠、そんな目で見ないで下さいぃ・・
「ぅ・・そ、そんな、私、師匠の事は尊敬してます。」
その言葉に暗かった師匠の顔がパァっと輝く。
「本当かしら?」
と前にかがんで、私の目線に顔を近づけてくる。
って、なんで師匠胸元肌蹴てるんですか!
た、谷間がッ・・・
「私の事、好き?」
「も、もちろん、s・・・」
「れいせん、」
「ふぇ?」
言葉を遮っててゐが私を呼ぶ。
目に涙を溜めて。
「・・・、れいせんは、イタズラするてゐの事・・・キライ?」
耳をペタリと伏せて、両手を口元に添えて、恐々と聞いてくる。
くぅ・・、ワタシ、いぢめたんデスカ?
あぁ、泣いちゃう・・
私は優しい声で柔らかく言ってあげる。
「・・・てゐ、そんな事無いよ。
私は嫌ってないよ。
嫌うはず無いじゃない。」
てゐの表情が、笑顔に戻る。
「・・・、んふ、・・じゃあ、・・・好き?」
「ぅ・・・」
渋る私。
「ウドンゲ・・・」
「れいせん・・・」
迫る二人。
・・・ッて、もしかして私、どっちを好きって言っても片方に嫌われちゃう!?
くぁ〜〜〜〜ッ
頭を抱えて悶絶。
姫がそれを見てクスクスと笑っている。
(・・てゐ、流石ね)
(・・・、手ごわい・・)
((でも、駄目押しが私にはある!))
「くぅ〜・・・どっちに・・、ん?」
てゐが悶絶する私に近寄って、膝の上に跨って座り、
キュっと太ももで挟み込む。
て、てゐ、なんで膝の上に跨って・・アッ、腿が・・
「・・・、れいせん、」
「は、はい?」
ずぃっと、顔を近寄せる。
息の掛る近さまで。
(はわわわって、てゐ!?)
そして、私を見上げるように上目遣いで、
「・・・ね、てゐの事・・・」
そして、背後から回る師匠の腕。
キュッと抱きしめてくれる。
背中に感じる、師匠の豊かな胸の弾力。
(し、ししょうまでーーーーッ!?)
耳元に掛る熱い吐息。
「ウドンゲ・・・、私の事、」
二人が、
艶かしく、
優しく狂わすように、
私に問う。
「「好き?」」
ゾクゾクゾクッ
二人からの問いかけに、私は全身を震わす。
「・・・・・・・・・・・ぁあ、」
頭がごちゃごちゃになって、
「あ、ああああああああッ・・、」
もう、だめ・・・考えれない。
師匠、てゐ、ごめんなさい。
私に答えは出せません。
真っ白になった瞬間、
「あァ@☆k∩ΨspиЮΘ※〜」
切れちゃいけない血管が、
音を立てて、
プチッ
切れた。
「ッ―――――――、」
なにやら呟き始めたかと思うと、突然鈴仙の頭がガクリと傾く。
カクン、
「ちょ、う、ウドンゲ!?」
「!?れいせんッ!」
白目をむいて泡まで吹いて、
ぷしゅッ
鼻血。
目の前に居たてゐが赤く染まる。
「・・・・」
「て、てゐ、はやくチリ紙を!
って凄い熱!?
氷嚢もお願い。」
「・・・ん、」
突然の鼻血に固まっていたてゐはこくりと頷き、部屋を慌てて出てゆく。
慌てる二人を眺めながら
「あらあら、二人がいぢめるから、イナバ壊れちゃったじゃない。
クスクスクス。」
心底楽しそうに笑う輝夜であった。
あとがき!
永琳てゐ両方支援ssです。
この二人の試合は面白くなりそうですね〜。
個人的に師匠もてゐもネチョ関係で随分お世話になったからどっちも入れたいんですが・・・
書いた人・EXAM