夜は寝台」と言うテーマで開発された「581系」である。翌1968年には、改良型である
「583系」が登場した。大阪〜博多間の、寝台特急「月光」に投入された事から、別名
「月光型」とも呼ばれている。この583系は、夜(寝台)は寝台特急「月光」「しおじ」
「はくつる」「ゆうづる」の他、急行「きたぐに」(上りの新津⇒新潟は快速電車)等、
多くの夜行列車に使用され、昼間(座席)は、特急「はつかり」等に使われた。現在は、
583系の活躍の場が狭まっており、定期運用では、新潟〜大阪間の急行「きたぐに」に
残るのみとなった。アコモデーション改良の施された、JR西日本オリジナル車両での
運転となった。国鉄色を残すのはJR東日本所属車両のみで、東京ディズニーランドへ
行く団体専用寝台急行「わくわくドリーム」号を始めとする、団体用を含む臨時列車
運用するに留まっているものの現役である。原色の583系も、いよいよ仙台と秋田に
残るのみとなった。6両編成2本である。JR西日本では、10両編成6本が、京都総合
車両センターに在籍し、「きたぐに編成」「シュプール&リゾート編成」と言うのが
ある。グリーン車の車内にサロン室があるのが「シュプール&リゾート編成」である。
但し夜行急行「きたぐに」号には、「シュプール&リゾート編成」も使用されている。

月 光
新大阪〜博多を山陽本線経由で結んだ、寝台特急「月光」。
九州鉄道記念館(2003.8.11)

はくつる ゆうづる
「はくつる」は上野〜青森間を東北本線で「ゆうづる」は常磐線経由で結んでいた、
歴史的寝台特急。「はくつる」は、元々は20系で運転していたが、昭和43年から583系
運用となった。1993年にブルトレ(24系)に戻された後も、臨時運転81・82号は、583系
(電車3段寝台)9両編成で運転していたが、2002年11月に「はくつる」自体が廃止と
なり、583系も消滅。「ゆうづる」は、もっと早い1993年12月に消滅。常磐線内での
利用客が減少した事、新幹線や飛行機、夜行バスに客を奪われた事が理由である。
東北本線:上野駅(2001.5.5)(2002.10.4)

み ち の く
「みちのく」は、上野〜盛岡間を常磐線経由で結んでいた、昼行特急。
上野駅(2002.11.3)

シュプール蔵王
現在は「アルペン」と名前を改称されている「シュプール」。また「シュプール蔵王」と
言う電車は、現在の「ゲレンデ蔵王」の前身でもある。また、この「蔵王」も含めて、シュ
プールは全て急行だった。現在は「ゲレンデ蔵王」と言うのが運転されるようになった。
大宮駅(1999.3.6)

青森運転所に残った583系で廃車予定だった6両が、2003年に大幅リニューアルを
施工、仙台車両センターに転用された。南秋田運転所には9両編成が転用されたが、
3両が廃車、6両編成にされた。従って、原色の「サロ581型」は残念ながら消滅と
なった。2003年にリニューアルされたクハネ583-8〜クハネ583-21の6両編成はN-2
編成となり、同年夏に初登場の臨時夜行快速「ムーンライト東京」(東京〜仙台間を
東北本線、武蔵野線、貨物線、京葉線経由)からスタート。「ムーンライト東京」の
運転区間は東京〜仙台間往復だったが、後に上り(仙台→東京)がこの名前で、下り
(東京→仙台)は「ムーンライト仙台」となった(一時期は「ムーンライト松島」と
言う名前で走った事もあった)。しかしここ最近は運転されていないようである。

ゲレンデ蔵王
2004年からスキーシーズンのみ大船⇒山形の片道のみで運転を始めた、臨時夜行
寝台快速「ゲレンデ蔵王」は全車ゴロンとシートである。いわゆる「寝台快速」とも
言えるべく電車で、非常に珍しいものである。「シュプール蔵王」を快速に格下げし、
団体専用ではなく一般の臨時列車にし、1〜3月の金土日に大船発で運転開始したが
2007年は団体専用列車で運転された。2008年以降はどうなるかが気になるところだ。
大宮駅(2004.3.5)


水 戸 観 梅
仙台〜偕楽園(臨時)を結ぶ、常磐線の昼行臨時快速。2004年から運転を開始した。
常磐線:勝田駅(2005.3.12) 赤塚駅(2007.3.17)

仙台〜日光間を、東北本線・日光線経由で結ぶ昼行臨時快速「日光新緑」号も、
2004年から2006年まで、5月連休中に仙台車で運転された。自由席もあります。
日光線:日光駅(2006.5.5)

2005年夏に、全車ゴロンとシートの「義経」号なんてのも運転された。
583系仙台車6両編成による、大船→平泉の片道だけの運転であった。
東海道線:横浜駅(2005.7.27)

JR東日本・秋田支社が企画している「東京ディズニー・リゾート・ツアー」で
運転されている団体専用寝台急行「わくわくドリーム」。毎月定期的に走る。
京葉線:舞浜駅(2006.4.1)

仙台車と同じ6両編成となった秋田車。貫通ドアは溶接され、非貫通となった。
東北本線:大宮駅(2007.5.26)

東日本ぐるっと
毎年、鉄道の日(10月14日)に運転される、団体専用の「東日本ぐるっと」号。
東北本線:大宮駅(2005.10.14)

ゴロンとなのはな
2007年3月、ちばデスティネーション・キャンペーン開催記念で、仙台〜
安房鴨川間(東北本線・貨物線・武蔵野線・京葉線・外房線経由)で、583系
仙台車6両編成を使った、臨時快速「ゴロンとなのはな」号が運転された。
千葉県内で寝台車が走るのは、寝台特急「ゆうづる」「ウイングはくつる」
以来の事となり、外房線で583系が走るのは、これが初めてのはずである。
京葉線:蘇我駅(2007.3.3)
*
*
現在、原色の583系を見る事が出来るのは、こうした臨時列車だけとなった。
それでは、583系仙台車に、乗車してみましょう。

寝台・座席兼用設計と言う、とても画期的な構造を持つ車両であるが、寝台
ともかく座席の時は、特急なのに急行と同じ4人掛ボックス席(当然、座席は
リクライニング不能で、後ろに倒せない)で、それで特急料金を取るのか,と
言った乗客の声もあったそうで、当時の国鉄は、583系は極力寝台で使うよう
心掛けたなんて言う説もあるとか。確かに車庫のスペースの事を考えたら、
当たりかも。しかし今の583系は、JR東日本は快速で運転する程で、それじゃ
逆にゼイタクだろう,と言う話にもなるかも知れないが、255系やE257系等の
新型車両が、一部区間ではあるが、普通電車で走る事があるのも、また事実。

さすが夜行用車両、トイレ・洗面所も、1両に2〜3箇所程あります!

座席モードの583系車内。天井がとても高い。日除けには、ベネシアン
ブラインドが採用されていたが、現在は通常のカーテンとなっている。

交直セクション通過時は、室内灯が消灯します。

き た ぐ に
アコモデーション改良を施した、JR西日本の583系。新潟と大阪を結ぶ夜行
急行「きたぐに」は、今となっては唯一の583系一般定期列車運用である。
信越本線:新潟駅(2002.1.20)

それでは、583系唯一の定期列車・「きたぐに」に、乗車してみましょう。

中央が通路で、その両サイドが寝台と言う、プルマン構造となっている
のが、かつての20系や14系15型等の寝台車両を、彷彿させます。通路に
散らばったスリッパや靴は、昔ながらのものです。寝台車における靴の
履き違いや紛失には充分気をつけて下さい。また、手荷物や貴重品にも
充分注意して頂き、財布や切符等は、常に身につけるようにしましょう。

3段寝台の中段は、小窓と、小物置程度しかありません。

「きたぐに」は普通車自由席(座席)がある。「きたぐに」の583系運用は、
昭和60年から始まりました。大阪〜敦賀間は、かつてのメインルートの、
東海道線・米原・北陸本線経由で走ります。また、上りは新津⇒新潟は、
快速電車として運転されていますが、自由席車両しか乗車出来ません。

583系のグリーン車は、残すところ、6両だけとなってしまいました。

583系の最後の砦となった「きたぐに」の定期運用は、あとどのくらい
続けられるのでしょうか? いつまでも続く事を、願いたいですね!!

運転席(クハネ583-27)
金沢(中には入れないので、乗務員の人が撮影してくれました。2006.8.26)
