Aran Islands




場所:西アイルランド
アラン諸島とはアイルランドの西の町、ゴールウェイの沖合いに浮かぶ 三つの島である。この島々の西には大西洋を隔てたアメリカ大陸しか陸地
はない。表面のほとんどが剥き出しの岩盤であり、海岸線の多くの部分が 垂直の断崖となっている。その自然環境は酷薄としか言いようがない。土
さえもほとんどないのだ。しかし古代から連綿と、人々の生活がこの不毛 の岩盤の上に絶えることはなかった。そしてその痕跡は莫大な量の石に刻
まれて、いまなお島中いたるところに残されている。
まだ屋根の残る廃屋
僧院跡?野ざらしの石棺が路傍に置かれている。
斜めになった石舞台、何を意図したものか全く見当がつかない。
建設が途中で放棄されたものだろうか?
地上には永遠の不可解を残したまま、空はあくまで澄み渡って
いた。
西ヨーロッパ最大の古代要塞ダン・エンガス、この島にはいくつも古代の砦が点在しているが、その中 で最も有名なもの。いわゆるリング・フォートと呼ばれるものであるが、中心部は上空から見ると半円形 をなしており、背後は60mほどの断崖になっている。そして前方には人の背丈ほどもある荒削りの石柱 が立ち並び、近づく者の侵入を阻んでいる。
生産性の低い、さして大きくもない島に、これだけの規模の建造物が何ゆえ作られたのだろうか?これ
ほどのものを作りあげる集団がいたこと自体不思議であるが、一体何者から自らを守らなければならな
かったのか?莫大な労力を使い、ひたすら石を積み上げることに終始したその動機というものも考える
と空恐ろしい気がする。その構造から推測できることは、耐えがたい恐怖がその原動力となったとしか
思えない。しかし彼らは一体何を恐れていたのだろう。
アラン諸島