B

 

 

クリスティアン・バデア

Christian Badea

BWV.1004

 

 

 

クリストフ・バラティ

Kristof Barati

BWV.1001-1006

2002

 live

 

レイチェル・バートン・パイン

Rachel Barton Pine

BWV.1004

2004

 

 

カレン・ベントレイ

Karen Bentley

BWV.1004

2001

 

 

アレッシオ・ベンヴェヌーティ

Alessio Benvenuti

BWV.1001-1006

1997

 

 

タカシ・ベルンヘフト

Takashi Bernhoft

CHACONNE

1983

 

 

アマンディーヌ・ベイエ

Amandine Beyer

CHACONNE

2005

 

 

イーゴリ・ベズロドニー

Igor Bezrodny

CHACONNE

1950s?

 

 

パトリック・ビスムート

Patrick Bismuth

BWV.1001-1006

1991

 

 

ローラ・ボベスコ

Lola Bobesco

CHACONNE

1981

 

 

クリスティーナ・ボルツェ

Christina Bolze

BWV.1004

1982

 

 

ハイマン・ブレス

Hayman Bress

BWV.1004

1962

 

 

ハイマン・ブレス

Hayman Bress

BWV.1001-1006

1960s?

 

 

ハイマン・ブレス (*)

Hayman Bress

BWV.1001-1006

1970

 

 

オットー・ビュヒナー

Otto Büchner

BWV.1004

1973

 curved bow

 

アドルフ・ブッシュ

Adolf Busch

BWV.1004

1929

 

 

エフゲニー・ブシュコフ

Ewgenij Buszkow

CHACONNE

1986

 

(*) arr. R. Schumann
A C D E F G H I J Ka Kr L M N O P Q R Sa Sk T U V W X Y Z &


 

クリスティアン・バデア
Christian Badea


chaconne=
( Duchesne DD-6040 )


 クリスティアン・バデアの名を、ボベスコ関連で記憶しているファンが多いに違いない。ルクレールの2vnソナタを二人で入れたレコードがある。
 そのバデアが一人ぼっちで第2パルティータを入れている。堂々たる演奏だ。彼が決して脇役ではないことを教えてくれるLP。一曲に両面を使った贅沢なカッティング。

(2007/07/08)




 

クリストフ・バラティ
Kristof Barati

Jun 18, 2002
chaconne=17:19
( SAPHIR LVC-1030 )


 ライヴ一発録りの全曲。残響はほとんどなく、素朴なヴァイオリンの音を堪能できる。演奏もライヴとは思えぬほど、キズのない仕上がりで驚かされる。オーディエンス・ノイズもほとんど聴き取れない。演奏が終わり、拍手が湧いて初めて、ライヴだったのかと気づかされるほどだ。
 客質もよく、ヴァイオリニストも気をよくして弾けたのだろう。どのような会場なのかはわからぬが、さほど大きくないホールではないか。
 演奏自体はごく普通。不愉快ではないが、聴き手に感動を与えるにはまだ未成熟という感じもある。

 クリストフ・バラティは1979年ブダペスト生まれ。ロン・ティボーやエリザベス王妃などのコンクールで好成績を収めた。1706年製のストラディヴァリウスを使用しているとのこと。シャコンヌは17:19と遅め。

(2007/07/08)




 

レイチェル・バートン・パイン
Rachel Barton Pine

Jan 29-30, Feb 01, 2004
chaconne=12:54
(
CEDILLE RECORDS CDR-90000 078 )


 レイチェル・バートン・パインは数々のコンクールに出まくり、その都度優秀な成績を収めているようだ。1992年のバッハ国際ヴァイオリン・コンクールでは優勝を飾っている。
 演奏は、悪くはないものの、体重を載せきれていない感じがあり、やや迫力不足か。ピリオド楽器による演奏とのことだが、その印象は強くない。1770年製ニコラ・ガリアーノを使用の由。 この人の場合、あっさりモダン楽器を使っておけばいいような気もしますな。
 全曲無伴奏のアルバム。佳品、ビーバーの『パッサカリア』も入れてくれている。

(2007/07/08)




カレン・ベントレイ
Karen Bentley

Oct 23-24, 2001
chaconne=15:24
( Neptunus Records NEPCD005 )


 カレン・ベントレイはカリフォルニア州パロ・アルト生まれ。古典から現代音楽、室内楽からコンチェルト、他分野とのコラボまで、多彩な音楽活動を展開しているようである。
 第2パルティータの全楽章を入れている。ときに音程がふらつくことがあるように思うが気のせいか(とくにジーグ)。

(2007/07/08)




 

アレッシオ・ベンヴェヌーティ
Alessio Benvenuti

1997
chaconne=15:06
( Ludwig Classica 002/003 )


 アレッシオ・ベンヴェヌーティによる無伴奏全曲。
 すくなくとも、私はこのディスクを手にするまで、この人の演奏をまったく聴いたことがなく、その名も、この録音を知るまで耳にしたこともなかった。
 イタリアでは知られたアーティストらしく、ヴァイオリンのほか、ピアノ、作曲、指揮もやるというマルチ人間のようである。

 全6曲を入れている。CDRだが、自主制作でもなさそう。
 曲によってデキにバラつきがあるように感じるものの、パルティータ第2番に限ればすばらしい演奏だ。
 音楽は理性的で抑制が効いており、にごりのないひじょうに明快なもの。テクニックも安定していて、どこか美しいペン字を見るおもむきがある。ただ、個性を求める人には、多少物足りなく感じるかもしれない。いい演奏であるが、どこかで聴いたことが……そんな印象がなきにしもあらずなのだ。
 録音は、高域がややキツいと感じるが、まず文句のないレヴェルと言っていい。
 ただ、編集がぞんざいで、シャコンヌを含め、何曲かの最後で線をぶっちぎるように残響が途切れてしまう――実際、「ブチッ」というノイズ入り――のはヒジョーにアタマにくる。リリースしているのは、Ludwig Classica というイタリアのレーベル。「それくらい、かんにんシタリーナ」と、大阪言葉はイタリア的であるというジョークがあったりもするが、これはなんぼ大阪人のワタクシでも看過するのはムッリというものである。

 ベンヴェヌーティはイタリアのヴァイオリニスト。1976年、トッリータ・ディ・シエナで生まれた。人口7000ほどの町という。4歳でヴァイオリンを始め、ケルビーニ音楽院やキジアーナ音楽院のほか、ザルツブルグのモーツァルテウム、ニューヨークのジュリアード、ロンドンの王立音楽アカデミーで学んだ。とくに、ケルビーニ音楽院ではヴァイオリンとピアノを修め、シェリング、グッリ、ウギ、リッチ、オイストラフJr ら、そうそうたる顔ぶれに師事している。

(200/03/17)




 

タカシ・ベルンヘフト
Takashi Bernhoft

1983?
chaconne=
( 1184 B )


 シャコンヌonly。LPである。
 学生オケの記念制作盤のようであり、ベルンヘフト・タカシはそのコンサートマスターのようだ。
 日系の人か。写真だけではそうとはわからない。ライナーがオール独語でさっぱりわからぬ。
 わからぬなりに読んでみると、出生は1966年ケルンであり、ピアニストと歌手のあいだに生まれたらしく、1976年からなにかを始め、1980年には勉強のため、スイスのベルンにいたようだ。1982年と83年になにかがあり、1983年にこのオケのコンマスに抜擢されたようだ。さらに1984年の夏、アメリカのミシガンで、国際若者オーケストラに関することでなにかがあったようである。

 ブルッフのコンチェルト、ブラームスのハンガリー舞曲なども入っている。
 タカシには悪いが、オーケストラによるブラームスがけっこういい。

(2007/07/08)




 

アマンディーヌ・ベイエ
Amandine Beyer

Jan 17-20, 2005
chaconne=15:53
( Zig-Zag Territoires ZZT050601 )


 おもろい企画盤である。
 ここにはバッハのシャコンヌばかりが四つ入っている。編曲版が3種(ブゾーニ、ルッツ、ブラームス)とオリジナルのヴァイオリン版が1種。ヴァイオリン版を担当しているのは、アマンディーヌ・ベイエという女性。バロック・ヴァイオリンを手にしている。15:53は、バロック・ヴァイオリンにしては遅めか。

(2007/07/08)




 

イーゴリ・ベズロドニー
Igor Bezrodny

1950?
chaconne=
( MELODIYA D4856/7 )


 イーゴリ・ベズロドニーは魅力のあるヴァイオリニストであり、彼のレコードはかなり蒐集した。
 彼のレパートリーには一貫性がなく、バッハ、ベートーヴェンから、聞いたことのないような作曲家の作品をレコードしたりもしている。ガーシュインのアルバムを出したりもしている。
 それがことごとく聴かせるから、おもしろくも魅力的なのだ。

 このシャコンヌはあまり見かけないが、ストイックで男性的な好演である。
 ガスト56(※50s後半プレスの意、とされる)。水色トーチラベル。
 1930年生まれ、1997年没。1957年に来日している。
 ほかにベートーヴェンのコンチェルトなども一級の演奏。


※なお、ベズロドニーの名演集がCD化されている。ヘルシンキのSibelius Academyがいい仕事をした。 このバッハはふくまれていないが、上記ベートーヴェンが鮮明な音で復活している。 その他、韓国YEDANGから、サン=サーンスの第3コンチェルトが出ていた。

(2007/07/08)




 

パトリック・ビスムート
Patrick Bismuth

Sep 02-12, 1991
chaconne=09:32
(
 STIL 0209/1209 SAN 91 )


 全曲。パトリック・ビスムート(ビスムス)は目下のところ、ディスク界において世界最速のシャコンヌを弾く男である。古楽器による演奏。
 悪くない。同じ早口でも、なにをゆうとるのかわからんタイプと、よーくわかるタイプがいる。ビスムート盤は後者ということができる。「これが一番」という人間が現れても否定はしない。たまに聴きたくなる快演。少部数ながら、アナログセットも出たらしい。

 なお、この STIL というメーカーは、ブラームスvn協奏曲の「われにおいて最高」であるヌヴー&イッセルシュテット盤をリリースしたメーカーだ。なかなか違いのわかるレーベルのようである。

(2007/07/08)




 

ローラ・ボベスコ
Lola Bobesco

Apr 21, 1981
chaconne=
( KBS Hall, Kyoto )


 あのとき、「もし」――。
 マチガイだったのだとは思うが、「もし」と思うことがある。
 「もし」、あのとき、なにか突然の事情があって変更になったのだとしたら……。
 「もし」、あのとき、突然の事情がなくて変更にならなかったとしたら……。

 マ、こんな戯れも……。

(2007/11/28)



 

クリスティーナ・ボルツェ
Christina Bolze

Apr, 1982
chaconne=
( THOROFON MTH-251 )


 独語ライナーでなにもわからぬ。クリスティーナ・ボルツェは1957年、ベルリン生まれらしく、ドイツ国内で活躍し、現在はどうやらシュトュットガルトあたりでがんばっているようである。
 ジャケを観るかぎり、充分合格点をやれるベッピン度だ。
 第2パルティータ完演。相方は嫌いなバルトーク無伴奏。
 CD以前のバークシャー・アウトレットで年がら年中カタログに載っていた。

(2007/07/08)




 

ハイマン・ブレス
Hayman Bress

1962
chaconne=16:51
( FOLKWAYS RECORDS FM-3351  LP-USA )


 ハイマン・ブレスの、おそらくバッハ無伴奏初録音。
 ピアノ付盤をふくめた、彼の3種の録音のうち、これがもっとも音が悪い。
 モノラルのようであるが、ステレオ針で聴くと、微妙なステレオ的拡がりがあるようでもある。いずれにしてもモノラルに限りなくちかい。

 演奏自体は、下のMACE盤とおおよそ似かよったもの。しかし内容的には、あきらかにあちらのほうが緊張感が高く、こちらがいくぶん落ちる。
 いずれにせよ、精神性を前面に押し出した無伴奏で、なにか強い外的エネルギーを欲するようなとき、これはより心に響くのではないか、そう思わせる気合いの音楽となっている。
 終始一貫してじっくりと慎重に弓を運んでゆくが、解説によると、彼はバルトークの無伴奏、シェーンベルグの幻想曲などの難曲をプログラムに載せているというから、本当はかなりの腕達者であるらしい。

 MACE盤と異なり、こちらのFOLKWAYS盤はなかなか見かけない。しかし、内容的にやや劣るうえ、録音はあちらのほうがはるかによいとあっては、こちらの存在価値は薄いと言えるだろう。

 ハイマン・ブレスは1931年生まれのカナダ人。15歳でカーティスに入り、ガラミアンに師事。カナダを拠点として、広く欧米へも演奏旅行をおこなったりした。
 ここでは、1739年製のグァルネリウス・デル・ジェスを使用している。

(2009/02/14)




 

ハイマン・ブレス
Hayman Bress


chaconne=14:32
( MACE MCM9057 )


 全曲3LPバラ。60s後半の録音か。オリジナルはオイロディスクのような気もするが、よくわからぬ。これはアメリカMACE盤。モノラル・レコーディング。

 これもテマーソン盤とならぶ、被スルー度の高い無伴奏だ。
 1LPあたり数ドルで、しかもほしいときに入手可能といえそうなほど、つねにカタログやオークションのリスト上をただよっている。しかも、あろうことか、この第2ソナタ&パルティータ分のジャケットにはブレスの名がまったくない(※ラベルにはあります)。ホント、どうでもいい扱いをされている。あとの2枚はデザインの傾向が違い、ちゃんと彼の名がクレジットされているのは、どういうことか。一度くらいは装丁変更され、新旧が混ざってしまったのかもしれない。このジャケの図柄はけっこう好きだ。

(2007/07/08)


 ↑のFOLKWAYS盤を取り出したついでに、こちらも聴きなおしてみた。
 演奏も録音もこちらが上まわる。シャコンヌの演奏時間を計測してみたところ、両者間で2分以上の差がある。同じ奏者で、これほどの差が出るケースは、それほどないものである。別人の可能性もなきにしもあらずであるが、アプローチ的にもまず同一人物の演奏であると私は判断した。
 残響豊かなモノラル。激安価格で仕入れたのがアタマにあったせいで、甘く見すぎていたか。まことにソウルフルな演奏であり、重厚というよりは、濃厚といったほうが適しているかもわからない。思っていた以上に聴かせてくれたのでおどろいた。
 現在も安価で出まわっているのであれば、関心のある人は押さえておいてソンはないだろう。
 録音の今ひとつなのが惜しまれる。

(2009/02/14)




 

ハイマン・ブレス
Hayman Bress

P1970
chaconne=16:05
( CBS-W.Germany S77325 )


 編曲モノは扱わないというこのコーナーの決めに反するが、例外を一つ。ピアノ伴奏付である。編曲者がシューマンとなれば無視できない。

 すでに正真正銘の無伴奏版で全曲録音を達成しているブレスが、キワモノにチャレンジした。この3LPセットは、おそらく世界初の全曲録音。頑丈布張り仕様ボックスジャケ。世界初ということで、メーカーも力が入ったらしい。

 なんか暗いな……。それが第一印象。ヴァィオリンはオリジナルどおり、間断なく弾かれつづけている。そこにピアノがからみついてくる。聴いているこちらがわずらわしくなってくる。気ままな独り旅に出てみたところが、招かざる連れがくっついてきた。そんなわずらわしさである。vnとpfがほとんど融合しておらず、ズバリ、つまらない。

 この編曲版はその後、CD時代になってから、シュミット盤やカントロフ盤などが出ている。どうも手が伸びない。
 私は、一人の人間がヴァイオリンという小さな楽器を使って、巨大な世界へ対峙するという構図が好きでこの曲を聴いている。要するに「サシの勝負」、その潔さに魅力を感じているのである。
 はっきり言って、これはバカげた試みであると思う。シューマンは好きだが……。

(2007/07/08)




 

オットー・ビュヒナー
Otto Büchner

P1973
chaconne=
(CALIG VERLAG CAL-30403)


 あの、リヒターのマタイ受難曲旧盤で有名なオットー・ビュヒナーの演奏だ。湾曲弓を使用している。ビュヒナー自身はこの弓を肯定しているということだろうか。いくら聴いても、なんであるか、耳につかえてしまう。おもろいといえばおもろいが、私は苦手。
 日本ではたしか、ECMなどを受け持っていたトリオ・レコードが発売していた。

 ビュヒナーはこの盤が発売された時点で、バイエルン国立歌劇場管のコンサートマスター、ミュンヘン弦楽四重奏団のファースト・ヴァイオリンを務めている。ここで彼は自身の手になるモダン・タイプの湾曲弓を使用。ヴァイオリンは1727年製のストラディヴァリウスの由。

(2007/07/08)


【再聴追記】
 今一度聴きなおしてみて、こんなによかったかなァ……と少々意外だった。終始抑制された、決して荒らげない温厚篤実の演奏で、鑑賞するというよりは、身をあずけておきたいと思わせる静謐の魅力がある。
 とはいえ、湾曲弓への抵抗感がなくなったわけではない。彼の無伴奏を普通弓で聴いてみたいという欲が大きくふくらんだ次第。
(2007/12/10)



 

アドルフ・ブッシュ
Adolf Busch

Nov, 1929
chaconne=
( TOSHIBA EMI GR-2245 )


 SP時代の名盤。世界最古の第2パルティータの記録。シャコンヌもこれが第1号か。名著『二十世紀の名ヴァイオリニスト』でハルトナックが激賞していた録音である。私の所有盤は東芝の旧GRシリーズ(4ケタ番号)のもの。たしか同番号でタイポグラフィ・ジャケもあり、あっちのほうがよかった。

 私にとって東芝のGRシリーズは歴史的演奏家のすばらしさを教えてくれた恩師だ。テクニックや録音よりもたいせつなことがある。そのことを教えてくれた。このブッシュもまたしかりである。
 アドルフ・ブッシュの無伴奏はこのほか、第3ソナタのライヴがある(CBS)。

(2007/07/08)



 イゾルデ・メンゲスによるシャコンヌが1924年の録音と判明。どうやらそちらが世界初録音となりそう。
 パルティータ第2番全5楽章完演となると、このブッシュがワールド・プレミアとなる。

(2009/02/20)


 メンゲスによるシャコンヌ世界初録音を聴き、そのなんともいえぬSPの雰囲気に惹かれ、ついでに、パルティータ第2番の世界初であるブッシュを聴きたくなった。

 SPのオリジナルをもっている。英ヒズ・マスターズ・ヴォイスの3枚セットである。
 SPファンにはもう「デジタルくそくらえ」的な、割れやすいものを扱っているわりには、ガンコな方が多いが、私は復刻盤があればそれでいいクチだ。
 「SPはSPで聴くべし」というのが彼らの主張で、たしかに、かつては復刻盤のどれもこれもが空の段ボール箱をたたくような、鈍く中身のないものになっていた。しかし、これは復刻する人間がわかっていなかっただけのことで、ややこしい機械を使わず、記録媒体と盤とをシンプルにつなぎ、なるべく情報量の増減がないように録音すれば、オリジナルに忠実な、SP本来の蠱惑的なサウンドを愉しむことができるのである。そして、その基本はようやく今、復刻現場に浸透しつつあるようだ。

 これはだいぶ前、再生装置もないのに、価格が手ごろ(※50ドルくらいだったと記憶)という理由で手を出したものだった。
 ブッシュは、3枚6面に第2パルティータの全5楽章を刻みこんだ。
 上記、GRの復刻盤はなかなか優秀で、のちに78回転付きのテクニクスのプレーヤーを手に入れ、このSPを聴いたときも、目を見はるほどの音の違いは感じられず、その点に限っては、さして大きな感動は得られなかった(※またこのセット、78回転ジャストで再生するとピッチが高い)。
 このブッシュ盤はその後の無伴奏演奏に明確な筋道を示し、多くの演奏家にヒントを与えたのはまちがいない。
 アドルフ・ブッシュは、レパートリーを広げず、特定の曲を弾きこんで自家薬籠中のものにする、というスタイルだったようである。

(2009/04/14)




 

エフゲニー・ブシュコフ
Ewgenij Buszkow

Nov 09-16, 1986
chaconne=14:50
( MUZA SX-2239 )


 エフゲニー・ブシュコフについては、旧ソ連のヴァイオリニスト、ということくらいしかわからない。1986年、第6回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールで優勝している。このシャコンヌはそのときの演奏。第2パルティータ完演ではなく、シャコンヌのみである。
 ディスクはコンクールの記念盤のようであり、他の上位入賞者の演奏も含まれている。第2位に日本の若林暢(のぶ)が入っている。
 余談ながら、前回の第5回では、上位6名のうち、5名が日本人演奏家という、異常ともいえる結果になっていた(※優勝は漆原啓子)。
 このコンクールもチャイコフスキー国際と同様、注目はそこそこに浴びるが、優勝者のその後はそれほどでないケースが目立つ。第1回がものすごすぎたか(※ヌヴー優勝、大オイストラフ2位)、第2回はオイストラフJr 優勝とはやくもスケールダウンしている。

 コンクール出場時のものであるから、ずいぶんと若いはずなのに、なかなか落ちつきがあり、貫禄すらチラつくほどの堂々としたシャコンヌである。地味だが、モノトーンの味わいが捨てがたい。
 録音はごく普通レヴェル。ややステ≠ゥ。ほとんどモノラルである。

 1990年のチャイコフスキー国際において諏訪内晶子が優勝、日本ではけっこう話題になった。あのとき、こっそり2位に入っていたのが、このブシュコフだった。
 その後どうなったのかが気にかかるものの、活躍の便りは届いてこない。当時、仮に20歳としても、現在40代だ。どうしているのだろう。

(2008/09/13)




chaconne

FeFeFe