蜘蛛巣城

くものすじょう

1957

日本 

85

 

原子怪獣現わる

The Beast From 20.000 Fathoms

1953

アメリカ

70

 

ゴジラ

ごじら

1954

日本

90

 

この森で、天使はバスを降りた

THE SPITFIRE GRILL

1996

アメリカ 

65

 

攻撃

ATTACK

1956

アメリカ 

80

 

こねこ

kitten

1996

ロシア 

80

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


いうえおかきさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわを



蜘蛛巣城
1957 日本


 監督 / 黒澤明
 原作 / ウィリアム・シェークスピア
 脚本 / 小国英雄  橋本忍  菊島隆三  黒澤明
 出演 / 三船敏郎  山田五十鈴  志村喬  浪速千栄子


 黒澤作品のなかではずっと下位にあった。十代に観て、そのときの「気色悪い」というイメージがいつまでも消えなかったのだ。
 しかし、DVD化され、あらためて観なおしてみると、ひじょうにおもしろい。
 三船もいい。だが、それ以上に山田五十鈴の圧倒的な演技に打ちのめされてしまう。『サンセット大通り』のグロリア・スワンソンもすごかったが、ここでの山田もヒケをとらぬみごとさだ。こんな女優さんが、今テレビで活躍する女の子たちのなかから出てくるんだろうか……。
 「ご城主様、ホホホホホ……」(浪速千栄子)。いやはや、気色悪い。




原子怪獣現わる (The Beast From 20,000 Fathoms)
1953 アメリカ


 監督 / ユージン・ルーリー
 特撮 / レイ・ハリーハウゼン
 原作 / レイ・ブラッドベリ
 脚本 / ルー・モーハイム  フレッド・フリーバーガー  ユージン・ルーリー  ロバート・スミス
 出演 / ポール・クリスチャン  ポーラ・レイモンド  セシル・ケラウェイ


 この20年前に『キングコング』が制作されているが、日本の特撮のゆくえを決定づけたのはあきらかに本作だろう。
 水爆実験により、怪獣がよみがえる。それが海を泳ぎ、大都市へ上陸……。この、あるいはこれに類似したパターンはもうマネという域を超えて、一つの公式≠ノすらなった。
 怪獣が暴れまくるだけでなく、その血液が得体の知れぬ病原菌をまきちらすというところまで組みこんでいるところがよろしい。

 わが『ゴジラ』の先駆的作品とされることもあるようだが、公開年月が接近しており、ゴジラがどこまで本作の影響を受けているのか疑問でもある。とりあえずはこちらが先ということになるので敬意は表しておかねばならんだろう。
 ハリーハウゼンの怪獣操作がすばらしい。




ゴジラ
1954 日本


 監督 / 本多猪四郎
 原作 / 香山滋 
 脚本 / 村田武雄  本多猪四郎  
 音楽 / 伊福部昭
 特撮 / 円谷英二
 出演 / 志村喬  河内桃子  宝田明   平田昭彦ほか


 ↑の『原子怪獣現わる』の後追いとなるのかもしれないが、かりにそうであったとしても、先輩を追い抜き、ぶっちぎってしまったのが本作といえる。
 なんといっても主役の怪獣キャラクターの造形が圧倒的に違う。作品としての勢いが違う。
 撮影機器の性能がかんばしくないせいか、全体にトーンが暗い。それがかえってすごい雰囲気を生んでいる。
 特撮は、『原子怪獣』のハリーハウゼンに一籌を輸するものの、円谷もそれほど負けてはおらず、重量感では上まわっているかもしれない。
 オープニングからいきなり、ゴジラ≠R文字が異様な迫力であり、その鳴き声がすさまじい。伊福部の音楽もハマっている(※私的には『大魔神』での彼が最高)。この2年前に『七人の侍』が誕生しているが、あのオープニングにまさるともおとらぬみごとさである。
 『七人の侍』といい、この『ゴジラ』といい、映画界そのもののパワーが炸裂したようにも思える。
 その両方で重要な役を演じた志村喬はしあわせな役者というほかはない。

 このあと、長いシリーズとなった。この初代を超えるものはとうとう生まれなかったとはいえ、夢をあたえてくれたその後の昭和ゴジラ作品群を見捨てる気にはなれない。平成ゴジラについては、私的には金子修介作品のみ評価。




この森で、天使はバスを降りた (THE SPITFIRE GRILL)
1996 アメリカ


 監督 / リー・デヴィット・ズロトフ
 脚本 / リー・デヴィット・ズロトフ
 出演 / アリソン・エリオット


 なんといっても、アリソン・エリオット。彼女につきる。
 作品自体はまあまあ。ラストは絶対許せませんな。ストーリーがハッピーエンドへ流れようとしているのを、無理矢理ねじ曲げたような感じである。さからうべきではなかったと思える。
 アリソン・エリオット、なんで出てこないんでしょうな。70年生まれというから、今が旬だろう。もったいない。好みのタイプだ。なんとかいい作品にめぐまれて出てきてもらいたいと思う。彼女は4歳から8歳まで日本(東京)に住んでいたそうです。




攻撃 (ATTACK)
1956 アメリカ


 監督 / ロバート・アルドリッチ
 原作 / ノーマン・ブルックス
 脚本 / ジェームズ・ポー
 出演 / ジャック・パランス  エディ・アルバート  リー・マーヴィン


 ストーリーは単純にして明快。こいつはこうと、最初から個々のキャラは公開済みで、そのまま通してしまう。こいつは実はこうだったとか、そんなひねりはいっさいなしである。
 これはDVD化は望み薄かなと思っていたが、うれしく裏切られた。
 ジャック・パランスの顔。いいですな。大口開けて、目を見開いた死体がこれほど似合う役者もいない。
 『ローマの休日』で欠かせない役を演じたエディ・アルバートが典型的なアカンタレ役。
 このDVDを手にするまで30年以上観れぬままだったのに、いろんなシーンを鮮明に記憶していた。幼心にも気に入っていたのだろう。
 女は一瞬、画面の奥に映るだけ。男一色の映画です。




こねこ (kitten)
1996 ロシア

 監督 / イワン・ポポフ
 脚本 / イワン・ポポフ  アレクサンドル・マリヤモフ
 音楽 / マルク・ミンコフ
 出演 / アンドレイ・クズネツォフ  マーシャ・ポポフ  サーシャ・ポポフ


 愛猫が行方不明。大人らは、そのいたずらに手を焼いていたこともあり比較的冷静も、子供たちにとっては一大事である。家族総出であちこち探し回るが、あいては気まぐれな動物だ。そう簡単に見つかるはずもない。

 映画はそんな一家の騒動を描くのではなく、迷子猫を追跡するというストーリーとなっている。人間にすれば、何丁目から何丁目への移動にすぎなくても、仔猫にすれば大冒険旅行。すなわち、これはロード・ムービー≠ニ言っていいでしょう。
 それにしても、うまく録った。話の筋も一本の竹ひごのようにわかりやすい。端から端まで目盛りを刻んでゆくだけである。コチャコチャ言ってもしかたがない。猫が好きな人は観てるだけで愉しいだろう。「キャー」とか「ワー」とか「イヤーン」とか「かわい〜い」とかいちいち声をあげて鑑賞するがよろし。

 一家の主は、オーケストラのフルート奏者。ヴィヴァルディ(フルート協奏曲『夜』)を練習中で、それがテーマ音楽のようになっているが、むしろ、ちらりと登場する、有名なワルツ『ウィーンの森の物語』のほうがなぜか印象深い。ミンコフの音楽もいい。
 かつて、日本にも似たような作品があった。不快感炸裂だったような記憶がある。立派な動物イジメだったような気がするが、思い違いか。いずれにしても、私はあれを観て以降、かの動物学者の出演するスペシャル番組などをいっさい観ていない。
 その点、この『こねこ』は、猫を危険なめに遇わせるような愚をやらかしてはいない。そういうシーンでは、たとえチープになっても簡易合成映像で切り抜けている。そんな姿勢にも好感がもてる。
猫映画の決定版≠ニある。看板にいつわりなし。



▲pagetop  CINEMA  FeFeFe