スウィング・ガールズ

SWING GIRLS

2004

日本

65

 

スタンド・バイ・ミー

Stand by Me

1986

アメリカ

80

 

スティング

THE STING

1973

アメリカ

85

 

ストレイト・ストーリー

the straight story

1999

アメリカ

85

 

砂の器

すなのうつわ

1974

日本

80

 

スネーク・フライト

SNAKES ON A PLANE

2006

アメリカ

50

 

素晴らしき哉、人生

It's A Wonderful Life

1946

アメリカ

95

 

スミス都へ行く

MR. SMITH GOES TO WASHINGTON

1939

アメリカ

90

 

戦場のピアニスト

THE PIANIST

2002

ポーランド=フランス

90

 

千と千尋の神隠し

せんとちひろのかみかくし

2001

日本

65

 

空飛ぶ生首

TORMENTED

1960

アメリカ

65

 

 

 

 

 

 


いうえおかきくけこさしたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわを
 



スウィングガールズ
2004 日本


 監督 / 矢口史靖
 脚本 / 矢口史靖
 音楽 / ミッキー吉野 岸本ひろし
 出演 / 上野樹里 貫地谷しほり 本仮屋ユイカ 豊島由佳梨 平岡裕太 竹中直人 白石美帆ほか


 最初は、知り合いの方にお借りしたDVDで鑑賞した。こんなもんかという程度の感想であり、それっきりと思われた。ところが、女の子たちの天真爛漫な笑顔(川沿いのランニング)と、竹中直人のレコードマニアぶり(他人事とは思えず)を、どうにも忘れられず、ついに一週間後、しゃあない! とかなんとかわめいて自分用のDVDを買っていたのだった。
 これほど不満てんこ盛りでありながら、ライブラリーに加えた作品はかつてない。

 あんな短期間で吹けるようになるのかとか、そんなことは映画だからどーでもよろし。看過できないのは、お寒いユーモアセンスである。スカートをズリ下ろしてみたり、洟を垂らさせてみたり……。楽器のなかへゲロを吐かせたりするのを観ると笑うどころか不愉快を通り越し、怒りすら覚えた。いっぺん問うてみたい。「ソレ、おもろいか?」と。
 白石美帆の役は案外重要と思われるのに、造りこまずにほったらかしであり、本職である谷啓をあの程度のはたらきで終わらせるのももったいない。
 ラストも不満だ。素人の手前勝手な放言になるが、私なら列車のなかで終わらせたい。立派な舞台と聴衆を得ての演奏披露は役者たちの特訓の成果であって、作中の落ちこぼれ女子高生らのそれではなかったように思える。
 ボーとすごしていた日々、なんとなく見つけたみずから打ちこめる対象、仲間と協力して創ることのよろこび、さしずめ球児にとってのボール、それが彼女たちのジャズではなかったのか。ステージなんかどうでもいい。好きな音楽ができればそれでいいという気概を、持ち前の天真爛漫さでみせてほしかった気がする。
 言いつつ、上野と貫地谷が廊下ですれちがうところなど、魅力的なシーンもいくつかある。イノシシにはおどろいたが、あの奇抜さに抵抗は感じなかった(繰り返すが、洟垂らしは余計)。
 主要ガールズみな魅力的であるが、私としては、終始一貫ブレなかった、関口(本仮屋)とベース&ギターのコンビに健気さを感じ、応援したい気持ちにさせられた。

 ミッキー吉野と岸本ひろしによる音楽はさわやかで心地よかった。エンディングのナット・キング・コールは余韻に彩りを添えるうまい(あるいはずるい)選曲だ。




スタンド・バイ・ミー (Stand by Me)
1986 アメリカ


 監督 / ロブ・ライナー
 原作 / スティーヴン・キング
 脚本 / レイノルド・ギデオン ブルース・A・エヴァンス
 出演 / ウィル・ウィートン  リヴァー・フェニックス  コリー・フェルドマン  キーファー・サザーランド
 主題歌 / ベン・E・キング(『スタンド・バイ・ミー』)


 現在30代後半以上の方には経験があると思うが、昭和40年代、関西では(※よそは知らない)私鉄が毎年のようにストライキを決行していた。私がちょうど、作中の少年たちと同年齢のころである。
 あんなに胸躍らされるイベントはなかった。私の場合、うまいぐあいに阪急電鉄が住居のすぐ裏を走っていて、ストになるとよろこびいさんで軌道内をうろつきまわったものだ。いつもは轟音で満ちる線路道が、その1日ないし2日間に限り、人々がバラストを踏む音の響く、のどかな歩行者天国となった。
 大阪の北郊にある自宅から淀川まで、線路上を友人らと歩いたことがあった。片道5、6キロ程度だが、小学生にすれば体感距離として旅と呼びたいほどの道のりである。
 この作品のなかで鉄橋を渡るシーンがある。あれも体験した。道中、神崎川という河川があり、鉄橋となる。長さは150〜200メートルくらいだったろうか。その部分、歩道らしきものは設置されておらず、渡るなら直接枕木を踏まなければならない。その間隙からはるか下に川面が見え、ゾッとした。線路と並行して橋がかかっていた。危険を避けるなら、いったん軌道を離れ、そっちを選択すればすむ。しかし、そうすると、この旅、この冒険が意味のないものに堕ちそうな気がし、ビビリながらも渡りきった。

「12才の夏、誰も大人になんかなりたくなかった……」とDVDのパッケージにはある。逆ではないか。12歳といえばそろそろ背伸びをしたがる時期であるはずだ。大人になりたくなかった、などという夢想は、オッサンなりオバハンになってからの酒のツマミのようなものだろう。

 ※なお、ポスターその他の宣伝素材では「Stand by Me」だが、フィルムでは、「by」が「By」となっている。





スティング (THE STING)
1973 アメリカ


 監督 / ジョージ・ロイ・ヒル
 脚本 / デヴィッド・S・ウォード
 出演 / ポール・ニューマン  ロバート・レッドフォード  ロバート・ショウ


 これをまだ観ていない人がうらやましい。
 この作品は何度観てもおもしろい。しかし、最初の一杯こそ格別であり至上であるからだ。二杯目以降は、鮮烈と衝撃がどうしてもうしなわれてしまう。意のままにならない記憶という能力、その融通の利かなさを恨まねばならない。
 初めて観る方は、体調をととのえ、あらかじめトイレに行っておくこと。宅配便にじゃまをされないようドアには不在の紙を貼っておき、電話線は抜いておくこと。以上、チェックのうえ、しっかり目を開き、集中して鑑賞すべし。二度目はもう鮮度が落ちている、ということを忘れるべからず。
 『明日に向って撃て!』のコンビに、名優ロバート・ショウが加わり厚みを増した。全篇に流れるスコット・ジョップリンのラグタイムといい、これほど軽妙洒脱な作品もめずらしい。
 エンターテインメントとはこういうもの、というお手本のような作品でございます。
 このみごとな脚本を仕上げたウォードはのちに『メジャーリーグ』で監督&脚本をつとめた。




ストレイト・ストーリー (the straight story)
1999 アメリカ


 監督 / デイヴィッド・リンチ
 脚本 / メアリー・スウィーニー ジョン・ローチ
 音楽 / アンジェロ・バダラメンティ
 出演 / リチャード・ファーンズワース シシー・スペイセク


 タイトルの「ストレイト」は人の姓。ストレイトという方の実話である。
 ささいなことで仲違いし、10年以上も交流がない兄が脳梗塞で倒れた。73歳のアルヴィンは、その知らせを聞き、会いに行こうと思い立つ。旅の相棒は小さなトラクターで、時速10キロに満たない。道程は500キロ以上。明確な目的などない。ただ仲直りをし、また昔のように、いっしょに夜空の星を観られたら……。

 老人は旅からなお学び、老人と出会った人間は老人から教わる。
 アルヴィンを見送る、トラクター屋の大将や、庭先に泊めてやった家の主のあたたかいまなざしが印象的である。
 自分で地図をひろげて旅をしたことのある者としては、どうしても点があまくなってしまう。秀作ロードムービー。

 特典映像として監督と主役、それぞれへのインタヴューが収録されているが、ひじょうに物足りない内容だ。もっとマシな質問はできんのかと言いたくなる。「アカデミー賞とれますか?」なんて本人に訊くかね?




砂の器
1974 日本


 監督 / 野村芳太郎
 脚本 / 橋本忍  山田洋次
 音楽 / 芥川也寸志 菅野光亮(ピアノと管弦楽のための組曲『宿命』の作曲&ピアノ演奏)
 出演 / 丹波哲郎  森田健作  加藤剛  緒方拳  加藤嘉ほか


 中学の映画鑑賞会で初めて観た。市民会館まで全校生徒が移動させられて鑑賞するのである。ひじょうに感動した記憶がある。
 テーマ曲の『宿命』が、わかりやすい旋律で一度聴いたら忘れられない。原作はずいぶん昔に読んだきりなので、記憶はおぼろだ。たしか音楽家・和賀英良はクラシックではなく、電子音楽かなにかの作家となっていたはず。映像化にあたって、クラシックにしたのは正解だろう。

 DVDが手ごろな価格での出直し発売となったのを機にゲット。10年以上観ていなかった。
 合同捜査会議での今西役の丹波哲郎が大げさすぎると思ったものだったが、これも今観るとそれほど抵抗はなかった。
 今西が、車内で弁当を手にしたり、駅で乗り換えの列車を待つシーン、駅のホームに降り立つところ、田舎の未舗装路を歩いてゆくシーンなど、旅モノ≠ニ言いたいくらい魅力的に撮られている。回想場面で映される田舎の情景もよい。




スネーク・フライト (SNAKES ON A PLANE)
2006 アメリカ


 監督 / デヴィッド・R・エリス
 脚本 / ジョン・ヘファーナン セバスチャン・グチエレス
 出演 / サミュエル・L・ジャクソン


 悪ノリ全開のB級パニック。
 邪魔者は消せ――てなワケで、ターゲットが乗った飛行機に毒蛇の群れを放つ。
 荷物のスペースだかそんなところに蛇をどっさり入れた大箱を積みこませる。時限装置がはたらき、上空で箱がこわれる。機内は、『地獄八景毒蛇の戯れ』……と化す仕掛け。

 ンなアホな、というシーンの連続だが、この監督、どうやら確信的である。この毒牙に注意しなければならない。「さあ、ツッコんでこい!」と、待ちかまえているようですらある。挑発の香りが画面の裏側からただよってくるのだ。
 そうなるとツッコめない。敗北である。観終えてつぶやいた。
 「マイッタ……」




素晴らしき哉、人生 (It's A Wonderful life)
1946 アメリカ


 監督 / フランク・キャプラ
 脚本 / フランセス・グッドリッチ  アルバート・ハケット
 音楽 / ディミトリ・ティオムキン
 主演 / ジェームズ・スチュワート  ドナ・リード


 採点は100点満点としているが、もしかしたら、もっといいものと出会えるかも……。あわい期待を残して、あえて満点はつけないことにしておる。
 仮にもし、これから先、もう映画鑑賞はかなわぬ。一本たりとも観られない。そんな状況に今なったとすれば……今この瞬間、そうなったとするならば、ワタクシはこの『素晴らしき哉、人生』に100点をつけます。
 役立たずな人間なんていない――。キャプラの最高傑作であり、最高の人間讃歌。
 主役二人もすばらしく、ドナ・リードは『カサブランカ』(1943)のバーグマンとくらべてもヒケをとらない美しさ(役だけで比較すれば、リードのほうが断然イイ女)。
 最近は、電灯を消しても光っていそうな女優さんがおらんようになってしまいましたねェ……。




スミス都へ行く (MR. SMITH GOES TO WASHINGTON)
1939 アメリカ


 監督 / フランク・キャプラ
 脚本 / シドニー・バックマン
 出演 / ジェームズ・スチュワート  ジーン・アーサー


  今でも、この国でも、ちょくちょく見かける光景である。ちがうのはスミス氏がいないことと、このようなラストシーンが観られないということだけだ。
 キャプラの理想と正義、怒りが反応しあって爆発したような作品。政治腐敗を痛罵するのみならず、軽佻浮薄なマスコミまでもおちょくってみせるあたりが彼らしい。公開時は双方からクレームが飛んだらしいが、観客(一般市民)は熱狂的に支持したと伝えられる。
 スチュワート、アーサー、ペイン議員役のレインズ、マスコミ界の大物役のアーノルド、みないい。
 本の表紙を開いたところにメッセージを残すやり方は、『素晴らしき哉、人生』でも使われていた。キャプラに私淑するフランク・ダラボンも『ショーシャンクの空に』で採用している。

【関連標語】 ダムはムダ。




戦場のピアニスト (THE PIANIST)
2002 ポーランド=フランス


 監督 / ロマン・ポランスキー
 原作 / スワディスワフ・シュピルマン
 脚本 / ロナルド・ハーウッド
 出演 / エイドリアン・ブロディ


 徹頭徹尾戦争映画である。ピアニストの物語だからといって、音楽シーンをむりやり挿入するような安っぽいことはしていない。
 主人公が廃屋で奏でるショパン(バラード第1番より)が深い印象を残す。作中、殺す側と殺される側とのあいだに人間的交流が生まれる唯一の瞬間である。
 一人のドイツ将校が、廃屋にひそんでいたユダヤ人の男を発見する。訊けば、男はピアニストだと自称。そこにはたまたま焼け残ったピアノがあった。将校は、弾いてみろ、と男を鍵盤に向かわせる。
 そこでドイツ将校は、散々いじめぬいた相手の音楽(ユダヤ人の奏するショパン(※ポーランドの作曲家))にとろけるように屈してしまう。要するに殺す側も、化け物でもロボットでもない、同じ人間だったということだろう。砲弾など必要ないというメッセージととれなくもない。
 終戦の安堵が横溢するエンディングでは、やはりショパンの『華麗なる大ポロネーズ』が高らかに鳴り響く。観ているこちらも、生きていることのよろこびを感じずにおれない。

 ショパンのバラードの1番といえば、ずーっと『白い滑走路』がまとわりついて離れなかった。それが、これを観て、ようやくその呪縛から解き放たれた。そういう意味ではありがたい作品でもある。私個人は、スタニスラフ・ネイガウスの演奏が好きだ。ご参考までに。




千と千尋の神隠し
2001 日本


 監督 / 宮崎駿
 脚本 / 宮崎駿
 音楽 / 久石譲
 主題歌 / 木村弓


 不思議な街に迷いこむ――とそんな話らしい。そう聞いただけで、観てみようと思い、めずらしく映画館へ足を運んだ。好きな一篇、つげ義春の『猫町紀行』のような話かと想像したからだった。
 いきなり親がブタ化、千尋は「なんじゃこりゃー!」と混乱し、鳥獣戯画のような、陽気ではあるが、不思議というより不気味な世界に迷いこむ。恥をさらすようだが、釜爺が登場したとき、ナウシカのユパさまが突然変異を遂げたのだな、と不謹慎なことを考えてしまった。

 よくわからない。あちこちで大絶賛されていたけれど、なにを絶賛しているのかもよくわからなかった。
 てなことを言いながら、私はDVDを手元に置いている。千尋がカオナシとともに、銭婆に会いに行く。あの列車のシーンを忘れられないからである。
 どんな小説でも輝ける一言半句があればいい、と言った人がいた。映画も同じかもわからない。私は、映画館で鑑賞した思い出、そしてあの列車のシーンだけでこの作品を愛しつづけている。

 声優陣では、夏木マリが圧倒的。拝金ガエルの我修院達也もうまかった。
 エンディングの唄は悪くないが、木村の歌唱は素人レヴェルであり、雰囲気は買うものの、ここはやはりプロにお願いしたいところだった。岩崎宏美なんかどうだったろう……。




空飛ぶ生首 (TORMENTED)
1960 アメリカ


 監督 / バート・ I ・ゴードン
 原案 / バート・ I ・ゴードン
 脚本 / ジョージ・ワーシング・イエーツ
 出演 / リチャード・カールソン  スーザン・ゴードンほか


 B級ホラーである。こういうのを無性に観たくなるときがあるものだ。今年(2009)の正月、私はこのテのシネマを何本か観てすごした。愉しいひとときでありましたなァ……。

 人気のベテラン・ジャズ・ピアニストの男に若い女ができた。男はそのために、今の相手と別れようとするが、離してもらえない。
 男はとある島に住んでいる。島には古びた燈台があった。男はそこを好み、しばしば出入りしていた。
 燈台はいつも無人である。そこに女を呼び出し、別れ話をもちだした。女は首を縦に振らない。また、女も女で、男の弱みを握っており、それをネタに逆襲に出る。「別れてくれ」「イヤだ」「たのむから」「ぜったいイヤ」……の押し問答が続き、ふとしたはずみで女がもたれかけていた燈台の錆びた手すりが破損、女は宙ぶらりんとなる。下は荒海で白波が岩にぶつかり砕け散っている。「助けてぇ〜!」と女は叫びつづける。男はためらう。女はついに力尽き、海へと真っ逆さま……。
 あとはミナサンのご想像どおりとなる。死んだ女の幽霊が、男につきまとい、ネチネチとイヤガラセをスタートさせるのだ。

 インパクト絶大なる邦題である。B級であるから、これでよく、いや、むしろこうでなければならない。これをつけた人物はなかなかのセンスをしておるようだ。
 基礎点55pt、B級特別配点10pt、合計65pt。

 75分のモノクロ作品。



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