M


 

摩井暁子

Akiko Mai

CHACONNE

2007/8

 

 

前田朋子

Tomoko Mayeda

BWV.1003/1004/1005

 

 

 

前橋汀子

Teiko Maehashi

BWV.1001-1006

1988

 

 

トーマス・マジャール

Thomas Magyar

BWV.1004

 

 

 

アラ・マリキアン

Ara Malikian

BWV.1001-1006

2003

 

 

ヴォルフガング・マルシュナー

Wolfgang Marschner

BWV.1001-1006

 

 

 

ヨハンナ・マルツィ

Johanna Martzy

BWV.1001-1006

 

 

 

シンシア・メイ

Cynthia Mei

CHACONNE

1998

 

 

イゾルデ・メンゲス

Isolde Menges

CHACONNE

1924

 

 

ユーディ・メニューイン

Yehudi Menuhin

BWV.1001-1006

1934

 

 

ユーディ・メニューイン 

Yehudi Menuhin

CHACONNE

1945

 live

 

ユーディ・メニューイン 

Yehudi Menuhin

CHACONNE

1948

 live

 

ユーディ・メニューイン

Yehudi Menuhin

BWV.1001-1006

1956

 

 

ユーディ・メニューイン

Yehudi Menuhin

BWV.1004

1968

 live

 

ユーディ・メニューイン

Yehudi Menuhin

BWV.1001-1006

1976

 

 

ユーディ・メニューイン

Yehudi Menuhin

CHACONNE

 

 workshop

 

ペトル・メシェレール

Petr Messiereur

CHACONNE

1973

 

 

ロベルト・ミケルッチ

Roberto Michelucci

BWV.1001-1006

1991

 

 

ナタン・ミルシテイン

Nathan Milstein

BWV.1004

1935

 

 

ナタン・ミルシテイン

Nathan Milstein

BWV.1004

1953

 live

 

ナタン・ミルシテイン

Nathan Milstein

BWV.1001-1006

1954

 

 

ナタン・ミルシテイン

Nathan Milstein

CHACONNE

08/1957

 live

 

ナタン・ミルシテイン

Nathan Milstein

BWV.1004

10/1957

 live

 

ナタン・ミルシテイン

Nathan Milstein

BWV.1001-1006

1973/74

 

 

ナタン・ミルシテイン

Nathan Milstein

CHACONNE

1986

 live

 

シュロモ・ミンツ

Shlomo Mintz

BWV.1001-1006

1983/84

 

 

ブランシェ・オネゲル・モイーズ

Blanche Honegger Moyse

BWV.1004

 

 

 

ヴィクトリア・ムローヴァ

Viktoria Mullova

BWV.1004

1993

 

 

ヴィクトリア・ムローヴァ

Viktoria Mullova

BWV.1001-1006

2007/8

 

 

ヴィクトリア・ムローヴァ

Viktoria Mullova

CHACONNE

1989

 live DVD

A B C D E F G H I J M Ka Kr LN O P Q R Sa Sk T U V W X Y Z &
chaconne


 

摩井暁子
Akiko Mai

Oct & Dec, 2007 & Jan, 2008
chaconne=14:44
( BDS MUSIC ENTERTAINMENT  CD-JAPAN )


 摩井暁子という方の無伴奏アルバム。自作曲などとともに、シャコンヌが収録されている。
 なかなかの演奏のように「想像」される。と言うのは、なにしろ直接音成分がすくなく、響きが過剰であり、判断がむずかしい。ただ、彼女がのびのびと弾いていることは伝わってくる。
 とにかく、音像が遠く、主役は直接音よりも間接音となっており、ヒーリング・ミュージックのような仕上がりとなっている。

 キュッヒル盤がやはり、すさまじい残響を取り入れていたが、あれはロケーション現場(※教会)のもつ特徴だった。
 こちらは秋川キララホール(東京都あきる野市)での録音。あきる野市のHPをのぞいてみると、700席ばかりの中ホールである。写真の印象では、見るからに残響が豊かそう。それでもこのふんだんな間接音は、制作者の、より意図的、確信的なものを感じさせている。
 
 摩井暁子は富山県出身。どこでだれに師事したという情報はなく、プロとして活動しているのかすらもわからないが、その腕前はアマチュア・レヴェルを超越している。和音で苦しいところや明らかなミスもみられる。しかしこれは修正可能な程度のものなので、あえてそのままにしてあるのだろう。ツギハギ(編集)を嫌ったとも考えられる。

(2009/02/23)



 

前田朋子
Tomoko Mayeda

2009
chaconne=13:36
( Gramola 98883  CD-GERMANY )


 

(2011/12/03)



 

前橋汀子
Teiko Maehashi

1988
chaconne=14:44
( CBS SONY-Japan 48DC-5215/6  CD-JAPAN )


 前橋汀子は、知名度のわりに録音のすくない人であるが、無伴奏全曲を入れてくれているのはうれしい。
 非常に充実した演奏で、それゆえ再録音にも期待したくなるというもの。これを入れたのは1988年である。そろそろ頃合いではなかろうか。

(2007/07/08)



 

トーマス・マジャール
Thomas Magyar


chaconne=
(PHILIPS-Holland N 00238 L  LP-HUNGARY )


 ハンガリーのヴァイオリン――それだけで聴きたくなる。
 これも期待を裏切らぬ名演だ。第2パルティータ全楽章を入れている。第3パルティータとのカップリング。
 楽器は1698年製のピエトロ・グァルネリウス(マントゥーアのピエトロ)。有名な「デル・ジェス」のお師匠さんである。

(2007/07/08)



 

アラ・マリキアン
Ara Malikian

P2003
chaconne=16:26
( WARNER MUSIC SPAIN 5046701432  CD-SPAIN )


 アラ・マリキアンの全曲CD。
 ここでのマリキアンはきわめて沈着冷静であり、まるで、バッハを奏しつつ、思索に耽っているようである。聴き手は知らぬ間に森寂の世界へいざなわれる。
 実に味わいのあるシャコンヌだ。音楽全体の流れよりも、個々の変奏に埋もれた宝物の発掘に力点を置いている。これほど(「BAKA」を付けたいほど)ていねいに演奏されるシャコンヌは類をみない。典型的な求心力の演奏といっていい。
 マリキアンは1968年レバノン、アルメニア系の家庭に生まれた。ジャンルにこだわらない多彩な音楽活動を展開しているようだ。身近なところでは、財政難で廃止となった日本国際音楽コンクールでの入賞歴もある(※第6回。二村英仁が優勝)。
 彼はパガニーニのカプリース全曲、イザイ無伴奏全曲も録音、無伴奏三冠≠達成している(※ほかに、ルジェーロ・リッチ千住真理子など)。

(2007/10/23)



 

ヴォルフガング・マルシュナー
Wolfgang Marschner


chaconne=14:23
(CHRISTOPHORUS SCK 70 335  LP-W.GERMANY )


 ヴォルフガング・マルシュナーによる全曲3枚組。
 中古市場では稀覯盤・高額盤として知られている。だが、このマルシュナーのバッハは、ただそれだけではない魅力を放っている。 
 
 のびやかでメリハリが効いており、荒れるところがなく美しい。技術面も文句なし。
 ひじょうに説得力のある演奏で、埋もれたままになっているのは惜しい気もする。
 録音はきわめて優秀。残響をやや多く取り入れ、マルシュナーの美音をうまくとらえている。
 
 ライナーは独語のみにて読めず。
 マルシュナーは1926年、ドレスデン生まれ。プシホダらに学んだ。
 彼の名は、中堅クラスまでのヴァイオリニストの経歴などを読んでいるとしばしば目にする。指導者として実績のある人のようだ。日本では四方恭子が彼に師事している。
 彼はたしか、BWV1003 を別口で入れていた。

(2007/07/08)



 

ヨハンナ・マルツィ
Johanna Martzy


chaconne=
(TOSHIBA EMI EAC-60244/51)


 全曲。これは東芝が発売した「ヨハンナ・マルツィの芸術」(8LP)に含まれているものである。
 マルツィは昔っから人気が高く、そのオリジナル・イシューにはアホらしいほどの値がつく。財力勝負でかなわぬ酒呑み学生だった私にとって、このボックスのリリースはまさに狂喜乱舞モノだった。\16000 も惜しくなかった。オリジナルのバカ値を知っていたからだ。
 現在は、ありがたいことに、彼女の残した正規録音のほとんどはCD化されている。
 しかし、このセットの中身を今、すべてオリジナルでそろえたらいくらかかるのだろうか。

 (2007/07/08)



 

シンシア・メイ
Cynthia Mei

1998
chaconne=13:55
( Chiaroscuro  CD-USA )


 シンシア・メイによる、みごとなシャコンヌである。
 余分な力の抜けた、自然な演奏で、角張ったところがない。楽器の特徴か、やわらかな音色がひじょうに心地よい。テクニックも申しぶんない。
 録音もよい。残響がほどよくブレンドされている。
 
 ピアニストのアイリーン・チャンコと組んでつくった自主制作盤。リストやショパン、ラフマニノフなど、チャンコのソロも入っていて、そちらもまたいい。 
 マーク・フィッシュ(Mark Fish)という作曲家による"Womanwork"なる作品をも収録。これは世界初録音の由。親しみやすい旋律で、なかなか魅力的な曲である。
 
 これは拾いものだった。
 
 シンシア・メイは、アジア系のアメリカ人のようであり、現在もアメリカを中心に活動しているようだ。
 アレキサンダー・シュナイダーやカミラ・ヴィックス、ピンカス・ズッカーマンらに師事。
 1994年製のDavid Morse violin を使用している。

 (2011/01/09)



 

イゾルデ・メンゲス
Isolde Menges

Apr 07, 1924
chaconne=14:20
( goodies 78CDR-1178 CDR-JAPAN )


 イギリスの女流、イゾルデ・メンゲスのバッハ。シャコンヌのみの演奏。

 たまに、オリジナルSPが海外市場に登場する。が、手を出さなかった。相場にしても、多少ムリをすれば、なんとかなる程度の額も、SP盤については過去に割れて届いたことがあり、それ以来、その輸入には二の足を踏むようになっていたのである。
 それを今年(2009)に入って、関東のディスク・ショップ《グッディーズ》が、みずから制作&販売している、ダイレクト・トランスファー・シリーズの1枚として復刻してくれた。
 で、さっそく入手、ようやくメンゲスのシャコンヌを聴くことができた次第。

 おそらく初のCD化。
 当CDR入手により、このメンゲス盤の録音年を知ることとなった。1924年という。ということは、これが史上初のシャコンヌ・レコーディングである可能性がかなり高い。
 病膏肓に入り、シャコンヌばかりを飽きもせず聴きつづけてきた結果、どうもこの曲に関しては女性が優位である――という印象が強くあるが、初めて録音したのも女性だったとは、ちょっとした驚きだった。
 日本人初は、おそらく巌本真理であるはずだから、こちらも女性が先鞭をつけたことになる。
 ちなみに、パルティータ第2番の全5楽章を世界で初めて入れたのは、アドルフ・ブッシュで、この5年後、1929年のことである。

 85年前の録音だ。さすがに奏法など古めかしいものの、なかなか魅力的な演奏。技巧的にも、現代の奏者と比較して、やや劣るかという程度で不満はない。当時としては、かなりの腕達者として通っていたのではなかったかと想像する。
 電気以前の録音も、鑑賞にまったく支障はない。ノイズは多い。しかし、最新デジタルにはない、ふくよかな響きがある。ある意味で生々しく、85年前の演奏家の姿が目の前に立ち現れるかのような錯覚さえした。これは余計な細工を廃した、文字どおり「ダイレクトな」復刻によるところも大きいに違いない。  

 メンゲス女史は1893年、イギリスのサセックス生まれ。1976年に没している。
 ふつうに考えれば、1950年ごろまで活動していてもおかしくないはずなのに、録音はすくなく、それもSP録音にとどまるようである。はやばやと引退してしまったのだろうか。大物としてはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲などがある。
 このシャコンヌは31歳時の録音。彼女のバッハ無伴奏は、ほかに第1ソナタのフーガ、第3パルティータのガヴォットが残されていたはず。

 ところでこのディスク、演奏はすばらしいのだが、物品としての魅力にとぼしい。
 CDRは市販(太陽誘電製)のブランクディスク(裏青)使用であり、インナーやディスクへの印字も家庭用プリンター(らしい)……と、率直に言って、この程度なら素人でも製作可能であるし、ちょっとセンスのある人なら、もっと気の利いたものをつくれるだろう。
 貴重な録音であり、ナイスな復刻であることは認めるものの、これで1500円か……と、シゲシゲとながめてしまう安っぽさだ。せめてインレイにはもっと上質の紙を使い、原盤のラベル写真の掲載、ディスクにしてもプロ用CDRを選択するくらいのことはすべきではないか。

 原盤はSP2枚4面であり、それを実際にプレーヤーでかけるとすると、面、盤、それぞれの切り替わりで一旦停止≠余儀なくされる。この復刻ディスクはその部分をつながず、そのままにしているので、計4トラック、3つのブランクが入っている。
 メンゲスは1面最後の音を、2面の冒頭でもう一度弾いている。ここはすなわち第1のブランクにあたるが、SPになじんでいない人には、すこしばかり興が削がれるかもしれない。
 オリジナルを尊重する姿勢は理解できるとはいえ、こうした場合は、各トラックをスムーズにつないだ編集版も同時収録するのが親切ではないかと思う。とくにこのCDRの収録時間の合計は、シャコンヌ1曲きりの15分足らずであり、余白はタップリある。
 私は、パソコンにて4つのトラックを連結し、音楽が自然に流れるよう継ぎ目を修正したうえで聴いた。上に記した演奏時間はその独自編集版によるものである。

(2009/04/15)



 

ユーディ・メニューイン
Yehudi Menuhin

May 25, 1934
chaconne=14:39
( EMI-France CHS 7 630 352 )


 メニューインほど、有名でありながら評価の分かれる演奏家もめずらしい。
 私の場合、率直に言って「嫌い派」に入る。
 決定打は、ずっと前に聴いた実演がまったくつまらなく、「カネ返せ」レベルのものだったことだ。かなり楽しみにしていたため、裏切られた思いがしたのである。「メニューインは生きた化石やナ」とため息をつきつつ帰った記憶がある。
 これだけ名のある人なので、もっと聴いてから判断をくだすべきだと思うが、そこまで手がまわらないのが実情であるし、まわす意欲も湧かない。

 無伴奏全曲録音の最多記録保持者。3回(4回という説もある)入れているが、古いものほどいいように思う。
 したがって、これがベスト。3つの全曲録音、すべてがCD化されている。これも仏EMI、ReferenceシリーズのCD。

(2007/07/08)



 

ユーディ・メニューイン
Yehudi Menuhin

1945 LIVE
chaconne=13:36
( REVELATION RV10066  CD-UK )


 終戦直後、モスクワにおけるライヴである。
 私の知るメニューインによるシャコンヌのなかでは、もっとも緊張感が高い。時代を反映しているのかもしれない。
 さぞや聴衆の胸に届く演奏だったろう。
 音は時代相応。
 

(2011/01/09)



 

ユーディ・メニューイン
Yehudi Menuhin

1948 LIVE
chaconne=12:44
( audite 95.588  CD-GERMANY )


 1948年、ベルリンでのライヴ。
 メニューインのシャコンヌ録音のなかでは、ステレオ盤、1945年盤に次ぐ、すぐれた演奏である。
 音はそれほどよくない。とはいえ、鑑賞に支障をきたすほどではない。
 
 カップリングは、チャイコフスキーの協奏曲(指揮はフリッチャイ)とモーツァルトの協奏曲第4番(同ベーム)で、ともに名演奏。お買い得ディスクだ。
 ちなみに、モーツァルトは↓ターラ盤と同じ音源である。こちらaudite盤のほうが、わずかながら音質良好か。

(2011/01/09)



 

ユーディ・メニューイン
Yehudi Menuhin

1956-57
chaconne=
( ETERNA 8 20 495  LP- )


 メニューインはSP、モノ、ステレオとその都度入れた。だんだん悪くなるというか、退色してゆくようである。
 2回目の全曲。ただし、SPの全曲は、バラ録りを重ねてゆくうち6曲がそろったのであって、セットとしてリリースされたものではなかった。したがって、厳密な意において、彼の全曲録音≠ニ言えるのはこれが初となる。
 モノラル。オリジナルはHMVか。これはETERNA盤。
 あまり特徴がなく、この人ならでは、というものが希薄で、歯がゆく感じてしまう。ただ、90小節あたりのアルペジオには迫力があり、魂を感じる。

(2007/07/08)



 

ユーディ・メニューイン
Yehudi Menuhin

Oct 6, 1968  live
chaconne=13:50
( TAHRA TAH-533  CD-FRANCE )


 スイス・ベルンでのライヴ。
 真摯さを感じさせるバッハではあるとはいえ、メリハリが効いておらず、なにかつかみどころがないような演奏で、深い感動を呼び起こしてはくれない。
 私は技巧的なまずさや失敗にはきわめて寛容だが、粗雑やぞんざい、疎漏、かりそめなどに目をつむることはできない。ここでのメニューインには何度かそれらを感じる箇所があった。


 カップリングはモーツァルトの第4協奏曲で、こちらは1951年ベルリンでの録音。
 両者には十数年の開きがあるものの、音質に大差はない。むしろ、こちらのほうがいいくらいであり、さらにいえば、演奏もモーツァルトのほうがうんと印象に残るものだった。このモーツァルトは美しく、こぢんまりとしており、それがどこかしら大切にしたくなるようなけなげさを感じさせて、とてもよろしい。バックにベームを得たこともプラスになったかと思われる。

(2007/11/01)



 

ユーディ・メニューイン
Yehudi Menuhin

P1976
chaconne=
( EMI-Angel RLC-3203 )


 ユーディ・メニューイン、3組目の全曲録音。2組目の項で、だんだん悪くなると書いた。大エラーだったようである。
 このたび、おそらく10年以上ぶりにこのステレオ録音の第2パルティータを聴き、驚かされた。もともと早熟の人で、古い録音にいいのがあったために、全盛期を過ぎて技巧もおとろえ、エエとこなし、と実演での印象もあり、結論づけてしまっていた。

 枯淡の香味がある。テクニックの衰えも耳障りなほどではない。ほとばしる厳しさは、まれな集中と、聴衆への力強い発信を感じさせる。こちらのふやけた精神にカツを入れてくる。
 評価を180度転換せねばならない。反省しきり。これはすばらしい演奏です。
 彼のベストと思いこんでいたSP全曲との比較だが、第2パルティータに限って言えば、こちらのほうが上かもしれない。

 1976年リリース。ステレオとはいえ、音はよくない。3LPのアメリカ盤。

(2007/10/16)



 

ユーディ・メニューイン
Yehudi Menuhin

May 25, 1964
"Music Workshop At Bryn Mawr College"
( B&C RECORDING INC. )


 これは番外扱い。
 メニューインの、シャコンヌ演奏についての講義を録音、LP化したものである。会場はペンシルベニア州にあるブリン・マー大学。1885年創立の名門女子大であり、名女優・キャサリン・ヘプバーンの母校ということだ。

 プライヴェート盤らしい。私はヴァイオリンどころか、楽器自体と無縁、しかも英語のヒアリング能力もきわめてお粗末。したがっておもしろくもなんともない。持ってるだけ。

(2007/07/08)



 

ペトル・メシェレール
Petr Messiereur

1973
chaconne=
( ANTON 110373  LP-CZ)


 ターリッヒ弦楽四重奏団の第1vnを弾いているか弾いていたかしていた人の由。メシェレール、メシュレール、メッシェレウ……いろんな読み方がされている。メシェレール名義で、モーツァルトのソナタ集のCDが出ていた。
 シャコンヌonly。
 プラハ芸術家の家、ドヴォルザーク・ホールにおける録音。

(2007/07/08)



 

ロベルト・ミケルッチ
Roberto Michelucci

P1991
chaconne=15:28
( fone  90 F27/3  CD-ITALY)


 イ・ムジチ合奏団の2代目コンマス、ロベルト・ミケルッチが伊fone に全曲を入れている。3CD。録音データの記載なし。
 彼は1922年生まれというから、60歳代後半の演奏か。もっぱら、イ・ムジチのメンバーとして知られているが、ソリストとしても買われていたらしく、モーツァルトを得意としたとのことだ。
 イ・ムジチのコンマスとしては、初代のアーヨから4代目のカルミレッリまでがシャコンヌの録音を残している。3代目のアッカルドまでは全曲を入れており、その事実から、ここのリーダーはよほどの強者でなければ務まらぬらしいという見方もあるいは可能かもしれない。

 ミケルッチの奏でるシャコンヌは、訥訥としており、かなり地味。アルペジオなど、馬力のないクルマが登坂車線を行くようなマイペースぶりで、元気がないと言えば言え、そこに味わいがあると言えば言えるか。

(2007/11/22)



 

ナタン・ミルシテイン
Nathan Milstein

1Dec 27 & 30, 1935
chaconne=13:44
( BIDDULPH LAB-055 )


 1935年のSP録音。英ビダルフがCD化した。ミルシテインによるシャコンヌのファースト・レコーディングである。また、彼が生涯愛しつづけたバッハ無伴奏を初めて記録したものでもある。第2パルティータ全5楽章を演奏している。
 この時点ですでに自信が横溢している。とはいえ、ここでの彼はすでに32歳であり、この曲については充分弾きこんだうえでの録音だっただろう。

(2007/07/08)



 

ナタン・ミルシテイン
Nathan Milstein

1Mar 13, 1953  live
chaconne=14:18
( BRIDGE 9066  CD )


 アメリカ国会図書館でのリサイタルをライヴ収録したもの。第2パルティータ完演。終演と同時に熱狂的な拍手につつまれる。このあとに続くブラームスの第3ソナタもすばらしい。のっけからミルシテインとバルサムが丁々発止の渡り合いであり、きわめてスリリング。

(2007/07/08)



 

ナタン・ミルシテイン
Nathan Milstein

Mar, 1954
chaconne=
( EMI ELECTROLA C187-81 815  LP-W.GERMANY )


 ミルシテインがキャピトルに残した第1回目の全曲録音である。
 これは2LPに詰めこみ復刻したエレクトローラ盤。オリジナルの3LPボックスにはファンが殺到し、運動会の棒倒しのような様相を呈するのが常となっている。
 3LPの再発盤はなかったと思う。そのあたりがコレクターのファイトをかきたてるのだろう。
 廉価CDで現役。

(2007/07/08)



 

ナタン・ミルシテイン
Nathan Milstein

Aug 04, 1957  live
chaconne=
( ORFEO C 400 951 B )


 ザルツブルグ音楽祭におけるライヴ。第2パルティータ完演。ほかに第1ソナタ、第3ソナタも。
 アンコールのパガニーニを除き、すべてバッハ・プロ。ひょっとしてこのとき、もう一日無伴奏リサイタルをやっていて、全曲を演奏したのでは、と思いたくなるが、その事実の有無、録音の存否は不明。

(2007/07/08)



 

ナタン・ミルシテイン
Nathan Milstein

Oct 11, 1957  live
chaconne=
( ERMITAGE ERM-107  CD-ITALY )


 シャコンヌのみ。
 上記、ザルツブルグ音楽祭より2ヶ月後、イタリーでの録音である。

(2007/07/08)



 

ナタン・ミルシテイン
Nathan Milstein

1973/1974
chaconne=
( DG 2709 047 )


 全6曲の3LP。ミルシテイン自身の代表盤であるだけでなく、この曲集のもっともすばらしいものの一つ。
 雑誌の投票企画などでは、これとシェリングのDG盤が覇を競うことになっているが、私なら断然ミルシテインだ。

 DGのオリジナルスCDでじゅうぶん愉しめるものの、LPのほうが音の質感でやや上まわるような気がする。
 極上の演奏、入手も易。MUST-HAVE ディスク。

(2007/07/08)



 

ナタン・ミルシテイン
Nathan Milstein

Jun, 1986
chaconne=
( Warner Classics 0927-49563-2)


 1986年におこなわれた、ミルシテインの『ラスト・リサイタル』。私の所有盤は廉価再発されたもので、つまらないジャケになってしまった。前のを買っとけば……と悔やむが、ジャケのためにわざわざ買い直す気にもなれぬ。

 クロイツェル・ソナタ〜シャコンヌ〜ヘンデルのソナタ、とならべている。彼のシャコンヌの録音が、いったいいくつ残っているのか把握しえていない。だが、これが最後の録音であることはまちがいなさそうだ。

 SPにも残した。ライヴでもひんぱんに採りあげた。2度の全曲録音を成し遂げた。そして最後のステージでも……。
 無伴奏を生涯にわたって奏でつづけた演奏家なら、ほかにもメニューインがいる。リッチもそうだろう。しかし、ミルシテインほどの魂を感じさせてはくれない。
 シャコンヌをもっとも愛した男――。私は彼をひそかにそう呼んでいる。

(2007/07/08)



 

シュロモ・ミンツ
Shlomo Mintz

Jan & Dec, 1983  Mar & Jun, 1984
chaconne=15:09
( DG 413 810-1 LP-W.Germany )


 デヴュー時に話題になったミンツの、当時は、「はやくもバッハか」といぶかしんだ全曲盤。調べてみると、4作目のディスクがこの3LPのボックス入り豪華盤だった。それだけDGが期待をかけていたともいえる。
 
 ミンツが20代半ばの記録である。
 まったく深刻ぶらない陽気なスタイルと、流麗と艶めき、てらいのないすがすがしさに魅了させられる。テクニックは完璧だ。シャコンヌではあきらかにテンションが上がり、終盤では好青年ぶりが抑制され、情熱の音楽家へと変貌している。

 録音場所は、ユーヘン(デュッセルドルフ近郊)のニコラウス修道院。こういう場所で入れたものにしては、残響はほどほど。
 ネット上には修道院の外観画像が流布されている。田園に囲まれた、なかなかすてきなところである。

 若手有望株と騒がれていたミンツも50歳を過ぎた。バッハについては、おそらく再録音に向けて準備を進めているはず――と思いたいが、彼はそれほどレコーディングに固執していないようでもある。
 もし出るとなれば、今度は発売確定と同時にオーダーをかけたい。
 仮にそれが実現しても、この真摯な演奏を忘れることはないだろう。

 ミンツは1957年モスクワ生まれ。2歳でイスラエルに移住し、ピアノ&ヴァイオリンを始めた。
 メータやスターンに認められてデビュー。20代前半、ドイツ・グラモフォンからすぐれたレコーディングを連発し、話題を呼んだ。

(2009/07/18)



 

ブランシェ・オネゲル・モイーズ
Blanche Honegger Moyse


chaconne=
(Marcel Moyse Records(un-numbered))


 ながらくこのひとがどういう人なのか皆目わからなかった。フルートのモイーズの親戚かなにかだろうとは思っていたが。
 ネット時代の到来で、ようやく正体が判明。ヴァイオリンはとうにやめ、カンタータなどの指揮者として活動してはるようである。日本流にいえば、もうすぐ白寿をお迎えになる(2007現在)。

 ブランシェ・オネゲル・モイーズはスイス系アメリカ人。
 1909年、ジュネーヴに生まれた。8歳でヴァイオリンを始め、すぐにアドルフ・ブッシュに師事。その後、パリに移り、エネスコやランドフスカ、セゴビアに学ぶという夢のような日々を送る。第2次世界大戦前にマルセル・モイーズの息子ルイと結婚した(後年離婚)。
 1966年(57歳)、腕の故障で弓を置き、合唱指揮者としてあらたなスタートを切る。
 そして78歳時には、バッハのクリスマス・オラトリオを指揮してカーネギーホール・デヴューを飾った。
 コレクターに人気のチェリスト、アンリ・オネゲルは兄(1904年生まれ)。

 プライヴェート盤らしい。第2パルティータ1曲のみをLPの裏表にカッティング。
 もはやどこで手に入れたのかすら記憶にない。アメリカの通販店からだったろうか。今までにこれを見かけたのは、入手したこのときかぎりである。一期一会の出会いだったのかもしれぬ。
 このレコードの演奏についてであるが……これだけの情熱をもった人のバッハに批評など無意味だろう。

 ※作曲家オネゲルの娘という話もあるが考えにくい。そうするとオネゲルが17歳時の娘ということになる。兄のアンリにいたっては12歳時の息子となってしまう。

(2007/07/08)

   
 ブランシェ・オネゲル・モイーズは2011年02月10日、バーモント州ブラトルボロにて死去。101歳だったということです。
 訃報は、BOMとお知り合いだったというS様より教えていただきました。ありがとうございました。(2011/02/20)



 

ヴィクトリア・ムローヴァ
Viktoria Mullova

Jun, 1993
chaconne=13:57
( PHILIPS 434 075-2 )


 パルティータ全曲。
 ムローヴァにとって、第1パルティータは再録音となる。
 モダン楽器を使っているようだが、まるで古楽器のような音の響きだ。そういった奏法があるのか、そういう響きを生む弓を使用しているのかよくわからない。異彩を放つパルティータ集といえる。
 録音データは第2パルティータに関するもの。

(2007/07/08)



 

ヴィクトリア・ムローヴァ
Viktoria Mullova

Mar 18-19, 2007 & Oct 20-22, 2008
chaconne=13:33
( onyx ONYX 4040  CD-EU )


 彼女がこのレーベルに入れるようになってからの、ラベックと組んだリサイタル盤がすばらしく、今や愛聴盤となっている。この無伴奏も期待できると踏んで、発売予告に接するや予約して待っていたもの。
 
 パルティータ第2番は14年ぶりの再録音。
 どんなものが飛び出してくるかとやや身構え気味に聴きはじめたら、意外に渋い仕上がりだった。私は楽器に暗いのでよくわからないのであるが、ここでは415というピッチだそうで、耳には(普段聴く一般的なピッチによるものよりも)半音低く聞こえることになるらしく、このことが聴感上、それだけにとどまらない効果を生んでいるのかもしれない。
 解釈的には、変わったことはなに一つやっていない印象だ。
 前回録音と比較すると、ずいぶん弾きこんだらしいことが明白で、表面的な華やかさは抑えられ、骨格が太くなり、構造も強固になっている。強い自信がうかがえる。当然のように、そこに由来する説得力も大きい。
 楽音の背後に、広く深い空間を感じる。一聴して、「これは」と言わせる種類の演奏ではないが、そのかわり長く聴いて飽きない、そんな予感がある。

 ただ、私的に違和感をおぼえるのが、ふいに顔を出す、「いかにも」なピリオド風味だ。
 前回もそうだったが、第1パルティータのサラバンドなどを聴くと、「そこんとこ、もうちょっとふつうにやってくれないか……」とどうしてもお願いしたくなるのである。
 ピリオド楽器や奏法を否定するつもりはない。私的に古楽器鑑賞が苦手であるのは事実だが、やるならやるで中途半端なことはやめ、全篇同じ色に染めてほしいわけだ。
 バロック弓だ、ガット弦だ――と、前宣伝でもやたらそのことが強調されている。
 そんなに重要なことなのか?
 そんなことせずともモダン弓と楽器でやればいいではないか、というのが正直なところも、やる側にはやる側の信念だとか好みだとかがあるだろうから、余計なお世話に違いない。

 ひじょうに完成度の高い全集であることはまちがいないものの、モダン楽器でまっすぐにやってもらいたいという希望をどうしても捨てられない……というのが本音です。

 録音はまったく問題なし。強いて言うなら、エコーが若干強めか。

(2009/03/29)



 

ヴィクトリア・ムローヴァ
Viktoria Mullova

Oct 9, 1989  live
chaconne=12:53
( ARTHAUS MUSIK 100 039  DVD )


 DVD。
 ライプツィヒの聖ニコライ教会におけるライヴ・コンサート。ムローヴァが、第2パルティータからシャコンヌだけを演奏している。ムローヴァ・ファンなら、この映像はうれしいものだろう。
 
 このDVDにはブロムシュテットのベートーヴェン『第5』も入っている。ぶっとい石柱が林立するあいだに大編成オケを押しこんでの演奏である。よくもまあ、あんなせまいとこで……と妙なところに感心させられる。

(2007/07/08)



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