「あなたの中に本当の弱さを見つけて、それに負けてしまいなさい。そこに、あなたの才能を生かす道があります。ほとんどの人々は自分の弱点を克服するかすっかり覆い隠そうと力を尽くすことに人生を費やしてしまう。自らの弱点を受け入れることに力を尽くして、自身を分裂させない人、そんな人は非常にまれです。でも、どんな世代にもそのような人は少しはいます。そして彼らはその世代を導くのです。」
                                    モーシェ・フェルデンクライス

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 床に仰向けで横になってみましょう

比較的単純なATMレッスンの実例をスケッチの形で取り上げます。これを例にして、後ほどレッスンの解説を試みます。まずやってみましょう。楽しくて簡単に覚えられるレッスンですよ。

これや他のATMレッスンを始める前に、一般に先生は生徒たちに注意をこのレッスンの進行する過程に向けて、感覚情報に注意を払い、特定の結果を成し遂げようとする懸念をできるだけ少なくするように話すことでしょう。そのため、先生は生徒たちがATMレッスンをする前にはそのレッスンの名前や課題を話すかもしれませんが、話さないこともあります。

テーマ:両腕を掃くようにまわすことで転がって座る

1.仰向けになって、両脚は伸ばして、気持ちよく感じる幅に開いてください。そして、床との接触の感覚と呼吸の動きに注意を向けて下さい。

2.仰向けのままで、両膝をまげて両膝が天井に向くように両足を立ててください。両足の幅は気持ちよく感じる幅に開いておきます。そして、両腕を頭の上の床におきます。

3.それでは、両膝を左に倒して、それから両腕を床の上で左に滑らしてください。鼻や顔が左膝の方に近づくように体をまるくしていきます。そして、両膝を立てた姿勢に戻ります。この動きを数回繰り返してください。右膝の内側を床におけるような十分なスペースが両脚の間にありますか?

4.真ん中に戻り、両腕は体の脇におろして両脚を伸ばして休みましょう。床との接触や呼吸の変化に気がつきますか?

5.両膝を立てて、両腕を頭の上の床におきます。こんどは両腕を床の上で左に滑らすことで動きを始めて、それから、続けて、両膝を左に倒してください。鼻を左膝に近づけるように動かしながら。同じ道筋をたどりながら戻り、ちょっと間をおいてから、再び繰り返します。この動きを数回繰り返して下さい。

6.休んで下さい。それから、顔を左膝に近づけながら、両膝を倒すことで動き始めて両腕を左に滑らす動きに戻ります。左肘をまげて、その左腕に体重を載せられるような左腕の場所を見つけられますか?

7.真ん中に戻り休んでください。休みながら、今やった一連の動きを思い出してください。それから、右へ同じ一連の動きをすることを想像して下さい。

8.それでは、実際に右へこの一連の動きをしてください。左への動きと比べて右への動きはどのように違いますか?

9.少し休みましょう。両脚の状態と感覚に注意をむけてみましょう。

10.また、動き始めてください。片側へ動き、真ん中に戻り、そのまま、逆側に動きを続けてください。そんなふうにして、両腕を掃くようにまわすことで、片側に転がって肘にのり上がっていき、横座りになることをあなた自身で発見するでしょう。おなじ道筋をたどって戻って、掃いて転がり逆側に座わります。

11.休んで最初に床に仰向けになったときと、どのように違うか調べて下さい。それから、いま学んだやり方で座り、それから立ち上がって下さい。いつもと違った立ち方をしているなら、それに気がついていて下さい、そして歩き回って、歩く事がどのように感じるか観察してみましょう。

レッスン終了


 自己認知力

フェルデンクライスメソッドの前述のATMあるいはFIを行っている例の説明をしてみます。
たとえば、生徒が仰向きの状態から、未分化の丸太のような転がり方をすることはできるかもしれないが、分化された動きで転がることは難しいようだとしましょう。両脚をまげることができるのなら、結果として続いておきる転がることは連続した動きとして仰向けから座る状態に効率的に動く可能性を与えます。生徒は両膝を右に倒すことと骨盤をその方向に転がすことが難しいので、やりにくいのだと発見するかもしれません。人間の構造と機能の複雑さを考えれば、この難しさには多くの理由がありうるでしょう。
フェルデンクライスメッソドの先生は、生徒が現在どのように運動をするかについて発見して、先生と生徒の両方にとってより見通しがきくようにして、それから、別の可能性を検討しようとします。
フェルデンクライスメソッドでは、人がどのように今の動きの問題の解決を秩序だてるのかということの詳細な認識こそが、改善には根本的で、漏れが無いとないと考えらています。
モーシェ・フェルデンクライス博士は、「我々が実際に何をしているかについてわからないならば、我々はおそらく、我々がやりたいことをすることができないでしょう」と述べています。


 自分がやっている事を知る

自分がやっている事を知る過程を二段階に分けると、まず、先生はしばしば生徒の注意を彼らの習慣や好みの動きのパターンに向けます。その後で他の選択肢を探求します。(Follow and Lead )
それでは、前記の例を続けましよう。両膝を右に傾けるより左に傾ける方が楽(例えば動きの幅がより大きいとか)だと気づいたとします。先生はこの動きの制限の原因は単一か複合した要因で、近位(proximal)によるものなのか、それとも遠位(distal)によるものだろうとか考えます。
例えば、骨盤の動きをさらに詳細に調べることで股関節の動きは楽で十分に動くけれども肋骨の動きが制限されていることを浮かび上げるかもしれません。
または、右脚の動きにより注意を向けることで、内旋ー内転が外旋ー外転よりより楽で、左股関節の外旋ー外転は右股関節より大きいことをはっきりさせるかもしれません。つまり、このパターンに寄与する要因の一つは右股関節の外転を制限している右内転筋群の持続的な緊張でありうるということになります
先生は生徒にこの事に気がつかせることを助ける為にいくつかの技術の選択します。例えば、あるアプローチは緊張ーリラックス交互に使うことで、生徒にリラックスしたときと対比させて筋肉の活動の感じを誇張して気づきを促します。別の戦術は優しく生徒の股関節を時計回りそして反時計回りに小さな円周を描きながら、その脚を股関節を90°の屈曲位で膝関節を90°の屈曲位に保つことで動きの方向性から気づきを促します。
これらを数回繰り返すかまたは別のテクニックを使った後で、先生は最初にやった右膝を傾ける動きに戻ると、先生と生徒の二人とも何か変化があることに気がつくでしょう。
特に、FIでは調査と指導の意図(医学的モデルで言えば診断と処置)が同時に、つながって起きます。


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