国旗問題解決のキーワードは「!!                 主張=

   学校教育で「国旗」「国歌」をどのように扱うか、近年、続いてきた論議の中で、広島県では学校長や関係行政職の幾人もが自殺するという
   痛ましい事件が起きている。戦争という過去を引きずりながら、日の丸論議は「君が代」「天皇制度」とセット化され、かっての保守、革新の
   構図と共に賛成、反対に色分けされ、今も両者対立の具の一つにされている。

   先年、小生はある中央紙に「国旗は本来形式」と主張し、年配者からお叱りを受けたことがある。日本社会では、学校行事に限らず公共団
   体や民間企業の何らかの儀式式典で、ステージ正面に日の丸を大きく広げて掲げる。そして、壇上に上がった参会者はその日の丸に深々
   と頭を下げる慣習がある。
   五年前、広島市の新しい市長に選ばれた秋葉忠利氏が、就任セレモニーで市庁舎ホール正面に市章のサインボードと共に設置されている
   日の丸に「
」をしなかった。ということで市議会本会議で問題になったことがある。小生が日本の国旗に限らず世界の国旗が持っている精
   神性や思想性に触れず、国旗は本来形式的存在と議論し、お叱りを受けた理由も、また、掲げられた日の丸に頭を下げる行為も国民が等し
   く国旗に多大な意味合いを求めるが為と思われる。

   しかし、それは第二議的視点であって、第一議的にはあくまでも国旗は形式的「」である。そうであるが故に国旗は単純に好き、嫌いの感
   情で取り扱うものではなく必要取り扱いに際しては、嫌いでも大切にしなければならないものである。

   政治の場に限らず、国際スポーツイベントでもエントリー国の国旗が必要になる。その際、エントリーした国の国旗が一か国分一旒でも用意
   されていなかったら他のエントリー国国旗も絶対に掲揚できない。それがプロトコールであり、国際儀礼のノウハウである。平たく言えば「あれ
   ばいい、なくてはならないもの」。国旗の性格とはこのようなものである。

   先年の、ボスニア紛争では、東西ヨーロッパの境で激しい戦闘が繰り広げられた。この紛争解決に武力荷担した一方のNATO軍は19か国の
   加盟で成り立つ。その関係会議の場には常に加盟国国旗が揚げられる。屋内掲揚では、日本の傾斜型と違い垂直の直立ポールが使用さ
   れる。この両者(直立型と傾斜型)は、日本人が好む掲(かかげ)げ方である壁などに貼りつけたものと違い各旗が広がりを失う。
   そして、狭い屋内でのポール設置のため各旗が接近し、国別の見分けができない。しかし、クレームはなしと聞く。つまり、国旗設置は形式
   としての扱い、ということが関係者に理解されているので、国旗の精神性や国柄を表す紋章等を強いて見せなくてもよいのである。

   広島県立高校の卒業式で、ステージに三脚使用の日の丸と校旗がそれぞれ上部を鉄棒らしきもので固定され、畑のカカシのように吊り下げ
   られていたニュース写真を見たことがある。また、広島市立中学校校舎の屋上には、二本のポールそれぞれに向かい合って日の丸と校旗が
   ボード状(合板らしきもの)で掲(かかげ)げてある。「
風が無くても翻っている、という意味か。これらを見聞するに、殊更にそれらのデザイン
   を見せようとする大人の行為が、そのものが持つ精神性と思想性を求め過ぎた心の歪みが見えるようで、非教育的でさえある。
   NHKTVの番組終了時に、君が代のメロディーと共に映される日の丸が四角四面では・・・。優雅に動くから人の感情も反応する。

   旗はなびくことで旗であり、動くことで旗である。「」は即ち、助数の言葉として国旗等を数えるときに使用する。ボード状の日の丸や校旗
   は「
」でもって数えることのできない「サインの類」である。

   
国旗論争の、「日の丸」賛成、反対の両者にこの辺りの議論が欠けている。したがって、この両者が、国旗が持つ一面性のみを立場立場
   で主張し続ける限り、国旗論争にピリオドはない。

   したがって、地方教育委員会が学校現場に対し、「学校行事の屋内式典では、国旗の掲揚は正面掲揚が望ましい」。と行政指導することは
   却って教育界に混乱を招くことになる。子供の世界には広げて「掲揚」と言いつつ、自治体首長室、議会議長室、議員控え室、民間会社の
   社長室、そして国際会議の背景装飾、同ウェルカムパーティ等、大人の社会では国旗は大方旗ざおにぶら下がっている。

   
  
 なぜ、学校行事の式典では国旗を広げて掲げなければならないのか!? この、「なぜ」の答えが教育だ。それが見出せない限り国旗論争
   はエンドレス、と言うこと。
   ただ、答えは分かっているが、斜めの戦後教育を引きずる教育関係者の怠慢が見えなくもない。                      
縷縷