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零 ゼロ |
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■監督・脚本・編集/井出良英 ■出演/杉浦太陽 高野八誠 辺見えみり 犬塚弘 矢部太郎 松田賢二 なぜ今、特攻の映画なんだろう。 誰かを守るとか、自分の信念とか、熱い友情とか、殴り合いとか、そういうものを真正面から 描こうと思ったら、今は特撮ヒーロー物か戦争映画しかないのかな。 私は戦争には反対だ。暴力反対っ!特攻隊なんて、ナンセンスなものだったと思ってる。 鬼畜米英からしたら、「日本、必死だな(ニガワラ」ぐらいなもんだ。 だから、特攻隊を美化することには、どうしても嫌悪感を感じてしまう。 そういう映画だったらどうしようかと思ったけど、 この映画自体はとりたてて特攻隊を美化しようとはしていない、否定もしていないけど。 特攻という攻撃がある、それがいいのか悪いのかは別にして、そういうものが当たり前のように ある状況で、若者が生きて、死ぬ。 若者たちには、それぞれささやかな夢があり、その夢をかなえる間もなく 死んで行かなければならなかった。 翻って、現代に生きる若者はどうなんだ、と、物語は問いかける。 劇中で久我が言う。 「この戦争には負ける。」 「特攻で敵に打撃を与えることはできない」←うろ覚え 「それが運命だ。俺の占いは、当たる」←嘘 じゃあ、なぜ負けるとわかっている戦いで、特攻隊なんていうことをやるのか? 大事なのは、戦後なのだと、久我。 米英に、ただ単純に「日本必死だな」と思わせるだけではなく、いざとなれば身を捨てても 敵に体当たりできるような、そんな精神を日本は持っているのだと、それを知らしめるために。 そういう精神を持つ日本は脅威なのだと、思わせるために。 そのために自分は特攻へ行くのだと。 ま、要は「お前ら、日本を舐めんなよ」ということだ。 それに対して、長谷川は「自分の大切なものを守りたいから戦うのだ」と言う。 だから自分は死なない、と。仲間も死なせない、と。 長谷川と久我。動と静?二人は反発しあいながらも、お互いに認めあい、理解し、仲間となる。 反発しあい、っていうより、最初は長谷川が久我に反発し、久我は長谷川を理解できなかったって いう印象だったけど。 長谷川と久我が認めあうようになるきっかけの場面。 久我が仲間が傷つけられていることに憤り、「一視同仁」と叫ぶところ。 その言葉は、長谷川を救った恩師の教えであり、長谷川が大事にしている言葉だった。 その言葉にはっとする長谷川。 そして、仲間の大西が足蹴にされるのを見て、長谷川が思わず上官に殴りかかろうとする、と、 先に久我が殴っちゃってました、っていう場面。 一番好きなところです。 この後、二人は仲間となり、真の友となる。 なんでもヒーロー物にしちゃうのは、病気なんだろうけど、熱血主人公と、少し醒めた 準主役。王道というか定石というか、わくわくしたっす。 特攻とは、戦争とはなんぞやという前に、ある一人の少年が、ある一人の教師に救われた貧しい少年が、 教師になることを夢見る友だちを守るために戦いました、そういう愛と友情の物語として、すごく楽しめた。 杉浦太陽 ウルトラマンコスモス(このネーミング、微妙。どうしても、コスモスのコとスの間に スペース入れたくなっちゃうじゃんねー)は見てないし、「てるてる家族」もマジメに見ていないので ちゃんと見るのはこれが初めて。 「うまい」とは言えないけど、すごく勢いがあるっていう印象。主人公オーラ、っていうか、ヒーローの オーラはある、かな?童顔と、その童顔から発せられるヤクザな物言いがアンバランスで、 そこがいいっていう人にはいいんだろうし、ダメな人にはダメなんだろうな。 私は、良くも悪くもないけど、とりあえず、「勢い」に押し切られたっていう感じですかね。 高野八誠 静かなところと熱いところ、純なところ。安定してうまいと思ったっす。好演っす。 役柄が今の「高野八誠のイメージ」そのままだった。 いや、本人がほんとはどういう人なのかってことは、また別の話なんだけど。 もっとはっちゃけた役も見てみたかったり。 ただ、最後の一人芝居の場面。 ガランとした部屋の中で、先生と生徒を演じ、長谷川のノートを朗読するところ。 久我としてのセリフはなく、表情の変化と、声の変化で、久我の心情を 演じていて、ちょっとすごいな、と。 ここも好きなところ。 松田賢二 声に迫力があって、凄みがあって、よかったっす。 この方も初めて見たんだけど、なかなかいい役者さんすね。 他の役も見てみたくなりました。 辺見えみり 芸者さんなんだけど、芸者さんに見えなかったなあ。 すごく「かわいい」役だったからかな。 名札のついた着物にもんぺっていう姿がすごく可憐で、萌えでした。 映画の本編とはあまり関係がないけど、印象に残った場面。 静岡県出身の横山のリフティング。 兵舎にしている学校の校庭での蹴球。 ふつう、日本の戦争映画といえば「野球」だよね。 それが蹴球なのが意外で、でも、サッカー好きにはめちゃめちゃうれしかったっす。 平日のテアトル池袋。客はまばら。 客の7割はおじさんとおばさん。やぱ、ゼロ戦とか特攻隊とかだからかなあ。 散りぎわの美しさ、とか、潔さとか、そういうのって日本人の琴線に触れるのかもね。 私も特攻隊を美化するのはイヤとかいいつつも、そういう儚さみたいなのにはぐっとくる ところがあるしなあ。 ま、最近は往生際の悪い日本人がたくさんいますが。 |
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