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ブラジル代表の親善試合で

 NHKの衛星放送でブラジル代表とニュージーランド代表の親善試合を見た。ブラジル代表が4−0で勝った試合だ。ブラジルの攻撃は強力だといわれるが、どうやらそれは攻撃に割く人数に係っている様に思った。本来ディフェンダーのサイドバックは基本的に攻撃要員と思った方が良いし、センターバックもしょっちゅう前線でシュートを放っている――それもセットプレーでなく、流れの中で。
 これを要するに、みんなで攻めてくるから相手にとって脅威である。攻めてくる人数が多いから守る方は困る。そういう単純な理屈の様な気がする。

 ブラジルの選手というと技術の高さということが言われると思うのだが、それより遥かに「阿吽の呼吸」の様なものが利いている様に見えた。巷間で「有機的」とされるブラジルの攻撃の肝はまさにそれであって、あいつならここへ欲しいのではないか、という様な「相手本位」に近い考え方なのかもしれない。

 味方の特長性格を知り尽くしていて、敵に合わせるというより味方に合わす。日本代表はそういうチームと戦わねばならぬ、のだが、味方のことを考えさす余裕を与えなければ何とか取っ掛かりになるのではないか。
 それこそブラジルを上回る迫力で全員攻撃を仕掛ける思い切りがあって良い。それでブラジルの選手に自分の持ち場を意識させる。そうすれば段々味方より相手(詰まり日本の選手)の事にばかり気が向いて、有機的な攻撃は影を潜めるのではないか。
 ボランチが上がり過ぎるとバランスが、なんていう優等生的な思考はブラジル戦に限っては脇に置いておいて、あいつが上がったなら自分も上がらなきゃ、というくらいの勢いで攻め込んで欲しい。上がる人数が増える分だけボールの動きどころが増えるのはブラジルと同じだ。攻め切れば日本だってブラジルに一斗樽分冷や汗をかかせることは十分出来ると思っている。

(Tsusei, 5 June 2006)

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