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ハイドンの「カプリッチョ」

 この間ラジオを何となく点けたら今年はハイドンの記念年だというから驚いた。そんなことは全然知らないで9月からハイドンの「カプリッチョ」を弾き始めたところだったのだ。
 僕はハイドンには圧倒的な憧れがあって、ピアノを再開した当初からどうしても一曲はハイドンを弾いてみたいと思っていた。そこで再開一年になるのを期に小品から何かやってみようと思ったのである。
 いつもの事だが、選曲は楽譜を手に入れた楽譜屋さんからの帰りの電車の中だ。曲集を開いて目次をざっと見て各曲のページ数を調べて、というのもいつもと同じ、その中からなるべく短かそうなのをというのもいつもと同じだったのだが、今回何となく「一年も弾いてきたのだから」という余計な自負があって、少々長い曲でも大丈夫と大きく出てしまった。それで巻頭にあったト長調の「カプリッチョ」に挑戦する事にしたのである。

 しかしこの9月は余り熱心にピアノを弾かなかった。というか基礎練習に精を出したのは良いが、やたらにハノンやチェルニーの練習曲に時間を割き過ぎて、ハイドンを弾かずにその日の練習を止めてしまった事が多かったのだ。するとこれが悪循環で、ハイドンは弾かないから中々先に進まない、先に進まないから段々億劫になって弾かなくなる、弾かないから余計先に進まない。
 非常にまずいと思って月末になって慌ててハイドンをなるべく弾く様にしたのだが、それで弾ける程ハイドンは甘くなかった。寧ろ僕の技術では多少持て余す位難しかった。せいぜい一ヶ月で完奏位には漕ぎ着けてみせると思っていたのに、とてもではないが終わらない。一応最後までざっと指だけは通したが、これはもう半月は掛かるぞと恐れをなした10月の入りだったのである。

 それからいよいよ半月、相変わらずペースは鈍い。とても全曲通して弾く様な状態ではなくて、果たして月末までに弾けるかどうか。それすらも怪しいところなのである。

(Tsusei, 14 October 2007)

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裏白