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芥川賞作家と乙幡啓子
寝転んでさらさら読み流していた新聞に、突然「乙幡啓子」という名前を見付けて思わず起き上がってしまった。 もう一つ、心の準備が出来ていなかったのは、その記事のあった場所が意外だったからだ。この人は例えば文化の新しい兆候とか流行とか、そういう内容でなら新聞に登場してもちっともおかしくない。住宅都市整理公団の大山総裁が新聞に載った時はまさしくそういう形だった。産業構造物を趣味とする人々の特集記事なら、大山総裁の登場は十分に予見出来る。独創的な工作を発表する人々の特集記事なら、乙幡さんの登場は十分に予見出来る。
それがいきなり書評のコラムに名前が出てきたのだから寝た子も座り直す。然もそこで乙幡さんは芥川賞作家にそのお気に入りとなった本を紹介した人として登場する。更に乙幡さんの「肩書き」は「『妄想工作』などの著書で知られる乙幡啓子」である。
よりによってお堅い日経の書評面だ。何も知らない人がこの記事を読んで、寧ろ乙幡啓子著「妄想工作」という作品に興味を持ったとしてもおかしくない。 (Tsusei, 20 February 2009)
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