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塩撒き

 大相撲の仕切りは立ち合い以降のいわば競技部分に劣らず面白い。東西の力士をつぶさに観察して、東方は随分体が張っているとか西方はえらく気合が乗っているとか、そういうことを手掛かりに取組の行方を占ったりする時、それが優勝争いに絡んでいるかどうかということはもう余り係りの無いことになってくる。
 最近は仕切りの所作で随分動く人が増えた印象がある。余り当てにならない記憶だが、昔の仕切りはもっと淡々としていて、蹲踞から立ち上がって手を着いて東西に分かれるまで、殆ど余分な動作は無かった様な気がする。今はどうも落ち着きが無い様に見えてしまう人が多いが、或いは昔もそうだったかもしれないから深入りは止す。

 東西に分かれた力士は足元の塩を掴んで撒く訳だが、一時期からこれが気になっている。今は貴乃花親方となった横綱貴乃花が、どうも土俵に足を踏み入れてから塩を撒いている様に見えて仕方なかった。大相撲は何だかんだ言っても神様の事だから、清めの塩撒きを余りぞんざいにやると不吉な事が起こりやしないか心配になる。
 テレビで見ているだけだから実際のところ土俵に入る前に少し見えるか見えないか位撒いていたのかもしれないが、確かに土俵に入る前に撒きました、と判る程度の方が精神衛生上は良い。
 今現役で取っている関取衆の中にも、土俵に踏み込むのと塩を撒くのとタイミングがかなり微妙な人がいる。貴乃花と取り口も似ている横綱白鵬にその気があるのは少なからず引っ掛からないではない。今度の名古屋場所では磐石の観ありだが、若くて長く勤め得る横綱なのだからその辺り、怪我対策の一環として気を回しても悪くはないのではと思う。

(Tsusei, 25 July 2008)

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