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モーツァルトとの縁

 僕は余り熱心なモーツァルトの聴き手ではない。先ず聴いた事のある曲が少ないし、従って手許のCDもそんなに多くないし、大体モーツァルト目当てで買ったCDが一体何枚あるのか心許ない有様なのである。

 しかしモーツァルトは僕にとって殆ど最初の作曲家だった。小学生高学年の時、我が家に初めてやってきたオーディオセットで僕がのべつ幕なし聴き続けたのは、モーツァルトの交響曲第40番であり第41番だった。
 やがてそれは第35番と38番になり、4曲のホルン協奏曲となり、ピアノ協奏曲の21番と17番になった。オーディオセットと一緒に揃えられたLPコレクションは「運命交響曲」「田園交響曲」が無い等不思議なラインナップだったが、それらが加わった後でも僕は、圧倒的にモーツァルトばかり聴いていた。

 そして、僕はLPプレーヤーが壊れる程モーツァルトを聴いた。それくらい言っても差し支えないだろう。本当にLPプレーヤーは壊れて、それからCDプレーヤーを手に入れるまでの5年程、僕はモーツァルトだけでなく殆どクラシック音楽を忘れた様になっていた。
 そこへもう一度引き戻したのは、矢張りモーツァルトだった。高校の部室で所在無くしていた僕に聴こえてきた交響曲第40番と41番は、僕が最初に聴いたLPがCD化されたものだった。それを全部聴いて家に帰ったら、もう我慢が出来なくなっていた。

 そうしてクラシックへ戻ってから、意外にモーツァルトを聴いていない事を残念に思っている。今年はモーツァルト生誕250年でもあるし、折角だからこの機に乗じて意識的に積極的にモーツァルトを聴いてみたいと思っている。

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 無謀にも「モーツァルトを何から聴き始めたら良いか」という問にも答えておきたい。

 僕は室内楽を聴いていないので、本当はバイオリン・ソナタの辺りに取っ付き易いのがあるのではないかと踏んでいるのだが、聴いてもいないものは逆立ちしてもどうにもならない。
 そこで敢えて申し上げるとすれば、ピアノ協奏曲第21番を挙げたい。僕が最初に聴いていたのはロシア出身のアシュケナージというピアニストのレコードだ。これは自分でピアノを弾いてオーケストラも指揮したもので、刷り込みを勘案してもその演奏は良い方だろうと思う。
 その曲ともう一曲が入って一枚約2000円は安くないが比較的簡単に手に入る録音ではなかろうか。30分以内で終わるから畏れず挑戦して頂きたい。

(Tsusei, 27 January 2006)

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