用途によってはそのまま使用しますが、 竹は出来れば洗って使用したいものです。 竹を洗うことを「竹を磨く」ともいい、昔は籾殻を湿らせて使っていました。しかし今では籾殻も入手し難くなっていることや新しい素材も出てきていることから、他の用品を使用しているのが一般的です。
いろいろ試行したところによれば台所で使用されるカールした真鍮製タワシ(写真1)が優れているようです。 これに水を付けて繊維方向に軽くこすると汚れはよく落ちます。
ただし力を入れてこすり過ぎたり、 古くなってちぎれてきたものを使用すると表面に傷が付き、
早く色が抜けてくるので注意が必要です。 またステンレス製のものは材質の硬いものが多く傷が付きやすいようです。ステンレス製でも柔らかいものは問題有りません。
短い竹の場合には水槽等に水を張り、竹をこの水にしばらく浸けておくと汚れが落ちやすくなります。
ステンレスや真鍮製の密毛ブラシ(写真2)も使い方によっては重宝しますが、 スポンジタワシ類(写真3)やスチールウールなど、きめの細かすぎるものは色抜けが早いようです。これは汚れ落ちが悪いために力を入れすぎて(こすりすぎる)表面に紙ヤスリをかけたようになってしまうからかもしれません。
以上はマダケを前提にしたものです。孟宗は繊維の凹凸が表皮に現れているため、
マダケと同じ洗い方をすると色抜けが早くなってしまいます。孟宗の場合はぬれ雑巾で拭く程度にするか、汚れがひどい場合には密毛ブラシ(写真2)や亀の子タワシに水をつけて軽くこすったあとぬれ雑巾で拭くのが良いようです。


用具別による洗いあがりの比較
用具1で洗ったものには変化が見られないが、用具3で洗ったものは色が抜けて白くなり始めている。
用具1で洗ったものもいずれは白くなりますがが、ディスプレィなどに使う場合は青みが長く残った方が体裁がよいので洗い方には留意したいものです。




竹は繊維が同一方向に細かく並んでいるとともに表皮が硬いため、 木と同じ感覚で切ると切り口の表皮がささくれてしまいます。
このため鋸は刃の細かい竹挽き用を使い、竹を少しずつ回しながら切ることが大切となります。
竹細工などでなるべくまっすぐに切りたい場合には、竹を切る希望の巾に紙を切ってテープ状にし、それを竹に巻きつけて鉛筆等で周囲にぐるっと線を描き、その線上をノコギリで切っていくと上手くいきます。
竹の桿は中空となっているため無理をすると割れやすいものです。回しながら切ることは竹の桿を割らないためにも必要なことです。
割ってある竹は回しながら切る必要はありませんが、ささくれを防ぐため皮面から切ることが大切です。
竹はいつ伐っても良いというものではありません。竹屋から買う場合には関係ありませんが、自分の庭にある竹を伐って使う場合などには伐る時期に注意が必要となります。春先から夏の間に伐ったものは虫が入ったり蒸れたりして使い物にならなくなるおそれがあります。
竹屋ではおおむね9月から買い入れを始めます。そして3月始までには、秋口までの出荷予定数量をストックします。 この時期のものであればまず虫の付く心配は無いでしょう。 そんな中でも10月末から2月にかけて伐られたものは材も締まって最も優れているようです。
したがって真夏の竹屋には青竹の在庫が大変少なくなっているのが一般的です。この時期に伐りたてのみずみずしい竹がある場合は要注意です。
装飾など一時的に使うには問題はありませんが、 垣根などの構造物を作る場合には避けた方が無難です。
信頼できる店から買うことが望まれます。
竹は大げさな機械が無くても簡単な道具でいろいろ加工できるものです。 要は竹に馴染み竹の性質を知ることが竹材を扱う決め手となると思います。
ここでは竹の性質をふまえて「切る、割る」といった竹材を扱う上での基本を説明します。


外皮の色と竹桿内部の節の関係(写真右の矢印に注目)

目安の巾だけ上、矢印の辺りで水平に切る
この巾を目安とする

室内で使用する場合は問題有りませんが、外で使う四つ目垣の立子などは雨水が溜まらないように節止め(節の上で切る)として使います。 また節から離れて止めたものは割れやすくなりますので、切り口近くに釘をうつ場合などにも節止めとしたいところです。
それでは節の上のどの程度で切ればよいかと言うと感覚的なものもあり結構難しいところです。長すぎるのも短すぎるのもヤボになってしまいます。 また短すぎると干割れが入りやすくなります。
竹桿をよく見ると、 節下の色の変わっているのが解かります。 この色の変わった部分の長さを一つの目安として、この長さ分だけ節の上に残して切るようにすると体裁がよいようです。 これは竹の太さに関係なく当てはまると思います。
料理の器や一輪挿しなどを作る場合には 節の下で切って上を使用 (竹が生えていた状態)するのが一般的ですが猪口などの浅いものを作る場合には反対に使った方が良いようです。
節の上で切って下側を使うと言うことです。
竹は真っ直ぐなようでも節々で交互に曲がっているものが多いものです。 この曲がりは節の上で曲がっているものがほとんどです。したがって節の下で切って使うと器の底が傾くか器そのものが傾いてしまいます。浅い器の場合にはこの節(底)の傾きが非常に目立つものです。節の下側を使用すると底が水平になりすっきりします。また、この使い方の方が切断面がきれいな丸になって現れます。
これは、竹が節の上よりも節の直下の方が真円に近いものが多いためです。
節の上側でカットした場合は切断面がややつぶれた丸(楕円)であっても節の下部でカットした場合には断面がきれいな丸になっている場合が多いということです。用途によってはなるべく丸いものが欲しいときもありますので、その場合には節の下側を切って使用すると良いでしょう。例えば竹で作るおもちゃの「起き上がり小坊師」を作る場合などは節下を使用して真円に近いものを使うと回転がスムースになります。
節の下で切って上を使う場合、節が傾いてしまう
節の上で切って下を使う場合、節はほぼ水平
下の桿に対してはほぼ水平。節の上の桿が曲がっている
曲がっている節の様子


竹は木と違い繊維が同一方向に並んでいるため、いきなり釘を打つと繊維に沿って割れてしまいます。したがって必ず錐で下穴を開けてから釘打ちとします。 錐は三ツ目または四ツ目錐、あるいは鉄鋼用のドリル刃(滑りやすいので要注意)等が向いています。 最近ではホームセンター等にいろいろと良い物が出ていますが、 ただ先端が木ねじ状のドリル刃は竹が割れるために避けた方が無難です。
木ねじで止める場合にも割れを防ぐため下穴を開ける必要があります。ただしアルミ部材などに使用されるタッピングビスは先端がドリルの刃になっているため割れることはありません。 ディスプレィなどに竹を使う場合には このタッピングビスは重宝する一つです。
大きな穴を開ける場合には特別なドリル刃もありますが、 無い場合には小穴を連続して開けてそれを切り出しナイフ等で広げていき所定の大きさにします。
竹を割る場合の道具としては両刃の刃物を使用することが望まれます。片刃の刃物を使用すると素直に割れず、刃が食い込んでしまい、なかなかうまく割れません。
竹は「破竹の勢い」などの例えがあり簡単に割れるように思われがちですが、実際にやってみるとなかなか思ったようにはうまく割れないものです。割れやすく割りにくいのがまた竹の特徴ともいえます。
「木元竹ウラ」という言葉があります。これは木を割るときには根元の方から、竹を割るときにはウラ
(根元と反対の方)からわると割りやすいと言うことを意味しています。 竹はウラから割ると比較的楽に力を入れずに割ることが出来ますが、元から割ろうとすると節の部分でかなりの抵抗があり無駄な労力を要します。
ただし例外もあり、 芽の付いた部分を細かく割る場合にはウラから割るとその部分で折れることがあります。
この場合には元から割る方がうまくいきます。 節のない部分を割る場合にはどっちから割っても問題ありません。
細かく割列していく場合には2等分ずつ割っていくと失敗が少ないでしょう。 よくある質問で、「1cm幅に割りたいのだがうまくいかない」というのがあります。どうやって割っているか聞いてみると、半割にしたあと端から1cmずつ順番に割っているとのことです。この場合ですと力の関係で狭い方(1cmの方)が負けて刃が逃げてしまいます。従って割り進めるうちに狭くなったり斜めになったりしてしまいます。
このように細かく割る場合には2等分したものをまた2等分するという方法を繰り返して希望の幅にする方が失敗は少ないものです。
3等分とするのはかなり技術が必要となります。 竹屋では丸竹を奇数に割る場合には 菊割りと呼ばれる道具を使いますが、この場合でも当分に割ることはなかなか難しいものです。