仕上げ
掻き付け縄や仮留めの針金などを取り除きます。棕櫚縄の切り落としや竹くずなどを拾い整地します。最後にもう一度離れた位置から全体を眺めてみます。気になる部分があれば最後の直しをして完了です。

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縄掛け 建仁寺垣の縄掛けを参考に押縁を結び留めます。結ぶ位置は標準構造図に見るとおり最上段の押縁・玉縁を結ぶ位置が立子の3枚目にくるようにします(注1)。あとはおよそ40〜50センチの間隔となるよう割り振って結ぶ位置を決めていきます。3段目5段目も同様の位置に結びが来ます。2段目4段目6段目は上記の中間となるよう配置します。押縁は釘留めしないためしっかりと締め付け結ぶ必要があります。また結び目が立子の中央にきちっと収まるようにしたいものです。
2・4・6段目の押縁は縄の位置が端分から離れるため押縁が浮く場合があります。この場合には立子の1枚目と2枚目の間に銅線を二巻きして胴縁と押縁を締め付けます。この針金掛けは棕櫚縄掛けのように立子の前で綾とせず立子と立子の間で縦一文字にし、裏側でねじって留めます。最上段玉縁は飾り結びとします。飾り結びはボリュームを持たせるため棕櫚縄を3〜4本使い(3〜4本合わせて使う)とします。結び終えたあと短く切りそろえる場合もありますが、2段目の押縁との中間〜3分の2程度まで垂れ下げるのが一般的です。垂れ下げた縄の端分は解れないようコブに一結びしておきます。

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縁を取り付ける
@玉縁用に用意した少し太めの半割竹の内節を払います。金槌を使って払ったあとナタなどを使ってきれいに節を取り除きます。節の取り除きが不十分の場合、押縁との接点がなじまず体裁が悪くなります。
A下写真のように斜めに切り垣の天端に一度載せてみます。親柱になじむよう印を付け、小刀で削り込 んで再び載せてみます。これを何度か繰り返して親柱になじませます。
B反対側の親柱側も同様に仕上げますが、短くしすぎないよう慎重に切る必要があります。 継いで使用 する場合は押縁同様に継ぐ位置をあらかじめ考慮して仕上げます。なお、胴縁や押縁と同じ位置に継ぎ部分が来ないようにすることが必要です。
C胴縁、押縁とにかけて針金を回し仮留めします。

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押縁を取り付ける
立子の掻き付けが終わったら、少し離れた位置に立ち垣全体を眺めてみます。見苦しい部分が有れば押縁をあてがう前のこの段階で直しておきます。
押縁を取り付ける順番はどの段からということはなく、最下段から順番に取り付ける人、作業しやすい段から始める人とまちまちです。ただ胴縁同様竹の元とウラが一段ずつ交互になるよう取り付ける必要があります。また最上段の押縁は少し細めのものを使用します。
@胴縁用に半割した竹の一方を斜めに切り親柱に仮当てします。親柱との馴染みを見極め小刀で削って再び親柱に仮当てしてみます。これを何度か繰り返して親柱に隙間無くなじむようにします(取 りあい詳細図参照)。この時胴縁と異なる点は釘留めをしないため節止めにする必要のないことです。
押縁が厚く親柱からはみ出してしまう場合には押縁を少し割いて薄くし、はみ出さないようにします。
A片側の仕上がった押縁をあてがい、端分を針金で仮留めします(押さえ手がいれば仮留めの必要は有りません)。反対側の親柱と接する部分に記しをつけ、斜めに切った後@同様小刀で削り親柱になじませます。胴縁を継いで使用する場合には継ぐ位置をあらかじめ決めてからこの作業を行います。
B針金で適宜仮留めして押縁の収まり具合を確認します。不都合が有れば取り外して再調整します。
Cこの要領ですべての押縁を取り付けます。
D格段すべての押縁を針金で仮留めした後、少し離れて全体を眺めてみます。傾いているところが有ればこの段階でずらして直しておきます。次に玉縁を取り付けます。

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子を掻きつける
立子を並べただけでは押縁を当てる前に倒れてしまいます。 したがって立子を胴縁に仮止めする必要があります。この作業を「掻き付け」と呼んでいます。掻き付けに使用する縄(針金)を掻き付け縄と呼びますがこれは仮留めの縄であるため、押縁を当て仕上がった段階で取り除くのが原則です。
 掻き付けは全部の押縁にする必要はなく、普通は1段か2段です。一段の場合には作業のしやすい胴縁に掻きつけます。標準構造図で言えば下から4段目の胴縁が作業性が良いでしょう。2段掻きつける場合にはこの他に最下の胴縁にも掻きつけます。
@取りやすいように立子を適宜胴縁に立てかけておきます。
A掻きつける胴縁の一番左側、親柱の際に用意した20番の針金の端を一巻きしてねじり留めます。
B親柱に合わせて削った立子を掻きつけます(立子の掻き付け方を参照)。この時立子の頂部が水糸す れすれの高さになるようにしますが、下が土の場合にはすべての掻き付け終了後頂部を木槌等で叩いて高さを揃えられるため少し高めでも問題はありません。
C続けて順次掻きつけていきますが、時折その場から離れて立子が真っ直ぐに掻き付けられているかチェックしながら掻き付けて行きます。少し斜めになっていると感じたら立子の上下を入れ替えて掻き付けます。
D掻き付けの残りが40センチ程度になったところで掻き付けをいったん止め、残りの部分に立子を立てかけ並べてみます。もし隙間があいたり広すぎて収まらない場合には他の巾の違った立子と差し替えたり少し削ったりしながら調整します。割り振りをしてうまく収まったら引き続き残りも掻き付けます。
E掻き付けの針金を胴縁に回してねじり留めて掻きつけ完了です。
F仕上げとして立子高さの不揃いを揃えます。木槌で立子の頂部を叩き水糸に合わせます。
親柱に立子をなじませる
親柱に立子を1枚あてがってみます。この時柱と立子が隙間無くぴったりと付くようであれば問題ありませんが、柱の曲がりや節等の凹凸でたいてい隙間ができるものです。そこで立子を削りこの隙間が気にならない程度に仕上げます。
@立子の天端が水糸の高さになるようにしながら親柱にあてがいます。
Aコンパスやデバイダーを使って丸太の凹凸に合わせた線を立子にけがきます(右図参照)。
B次にこの線に沿って小刀で削り込み凹凸を合わせます。これを何度か繰り返して親柱になじませます。
削り込むときに注意することは、一方からのみ削っていくと竹が割けたりささくれたりするため、中央に向かって両方から削るようにします。
C反対の親柱の方も同様に立子を作っておきます。

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胴縁を取り付ける
@最下の胴縁を取り付けます。胴縁用の竹の根本の方を、取り合図に見るように節の際で丸太になじむよう斜めに切ります。更に小刀を使い密着するよう削って調整します。
なお垣根の幅が狭く1本の竹で通る場合には、胴縁の両端を節付きにすることは難しいためウラの方を節付きとし、元の方を節間で使用します。これはウラの方が竹の肉厚が薄く割れやすいためです。釘止めする前に両端とも同じ加工をしておきます。
 作業する上で手元の人がいる場合には竹を抑えてもらうことができますが、一人の場合には柱等に針金や棕櫚縄で仮止めして作業をすすめます。
A墨の位置を確認し、節に掛けてキリで穴を開け釘止めとします。このとき強く打ちすぎるとくぎの頭が竹 に食い込み割れることがあるので要注意です。
B間柱に胴縁を釘止めしていきます。勿論キリ等で下穴を開けることを忘れないようにします。(棕櫚縄はすべての胴縁が取り付け終わってから)
C幅の狭い垣根では必要ありませんが、長い垣根では胴縁を継いで行く必要があります。継ぎ方は先に見た胴縁の継ぎ方の通りですが、どこでもかまわず継いで良いというわけではありません。まず間柱に接するところでは継がないこと。そして継いだ位置が上下同じ位置にならないようにすることも留意点です。さらに親柱のところで節付きとなるように、 最後に継ぐ竹は節を考慮しながら継ぐ位置を決めることが要求されます。したがって最後の竹は先に親柱に取り付ける作業(斜めに切り柱になじませる)を済ませてから継ぐ位置を決めて竹を切ることになります。親柱にも釘止めをして、これで一段目の胴縁は完了となります。
D続いて2段目以後の胴縁を取り付けます。2段目の胴縁は1段目とは反対の親柱に竹の元が来るよう に取り付けます。そして3段目はまた1段目と同じ親柱側に元が来るようにします。こうすることによって胴縁はすべて互い違いの向きになり、偏りもなく強度も増すことになります。
Eすべての胴縁が取り付けられた後、間柱と胴縁を棕櫚縄で結びます。先に打ち付けた釘の上を通るように棕櫚縄を斜めに2周り掛けて真柱の後側でイボ結びとします。釘だけでも耐えますが、万一竹が割れても釘がはずれないようにするためと、結んであるという見た目の強度のためです。

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墨だし(胴縁の取付位置を記す) 
@柱の垣方向の中心に垂直の芯墨をうちます(墨壺
が無い場合には定規を当てて線を引く)。下ごしらえの段階で芯墨をうっておき、柱が正確に立込まれている場合はそれでよい。この芯墨から追って間柱の前面の位置となるところに印を付けます。
A次に胴縁を取り付ける位置を記します。 方法としては張ってある水糸を基準にそれぞれの柱ごとにスケールを 当てて印を付けていっても良いわけですが、作業性も悪
く間違いを起こしやすいものです。 そこで余っている竹のウラなどを利用して、 水糸から各胴縁までの長さを記した「専用の物差し」を作って使用します。これを一般に尺棒とかバカ棒と呼んでいますが、これを水糸にあわせて各柱にあてがいながら必要段数の印を付けていくわけです。
こうすると間違いなくどの柱にも同じ間隔で印付けが出来ます。
間柱を立てる
@親柱間の長さを測り、等分して間柱の立つ位置を決めます。
Aそれぞれの間柱の位置に親柱同様少し大きめの穴をほります。
B親柱に立子の仕上がり高(標準構造図で言えば丸太の上から12センチ下がったところ)に印を付け、その位置に水糸を張ります。この水糸は親柱の中心に張る方法と、間柱の前面となる位置に張る方法とがありますがどちらでもやりやすい方法でかまいません。ここでは中心に張る方法を前提に進めます。 いずれにしても、これから先この水糸がすべての基準となりますのでたるみの無いようピンと張ります。
C先に掘った穴に間柱用の丸太を立て入れ、丸太の天端が水糸の高さになるようにします。穴底の土を 調整したり、丸太でトントンと土を突くようにしながら水糸すれすれの高さにします。
D高さが決まったら位置を決めます。丸太の左右の位置は少しずれても問題有りませんが、前後の位置が大切になります。従って水糸を基準にして取り合図のように、ずらした位置に正確に立て込みます。
このとき、丸太の上の方ばかりを気にしていると曲がって立て込んでしまう場合があります。必ず垂直に柱が立つよう少し離れて見通したり、下振を使って決めるようにします。
E高さと位置が確定したら、親柱同様に土を少しずつ埋め戻して突き固めます。この要領ですべての間柱を立て込みます。

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親柱を立てる 地盤の傾斜に問題がなければ見附となる第一の親柱を立てることから始めます。親柱と間柱の関係は取り合い詳細図@の通り、間柱の位置が後に下がります。親柱に細いものを使用する場合には取り合い詳細図Aのように少し多めに下げる必要があります。柱が極端に細い場合にはもっと大きく下げる必要もあります。これは押縁が親柱から飛び出さないようにするためです。かといってあまり間柱を下げすぎると今度は押縁が奥に入りすぎて不格好になってしまいます。柱の太さ、半割にした押縁の厚さとを見極めて位置関係を決定したいところです。

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現場での準備 四つ目垣のの項の現場での準備を参考に地盤傾斜の状態を見極めます。急傾斜(高低差が大きい)の場合には、垣巾が広い(長い)と最下の押縁が土中に潜ってしまうことにもなります。こんな時には胴縁の高さを調整するか間柱の部分も親柱として立て込み垣高を調整することになります。

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材料の下ごしらえ 
柱丸太
 柱の丸太材はそのままの使用で問題ありませんが、必要に応じて焼いたり防蟻剤や防腐剤を塗布するといった、防蟻防腐処理をしておくと良いでしょう。 ただクレオソートは全体に塗ると、触れたときに衣服を汚したりかぶれることもあるため根元だけ(およそ75センチ程度)に塗るのが無難です。 垣根が以外に早く駄目になる原因は、柱が腐る以前にシロアリに食い荒らされていることが多いようです。
 この段階で各柱の四方に芯墨(柱の中心を示す線)をうっておく人もいます。芯墨を出しておくと後の柱の立て込み時の作業が早くなります。

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材料等の準備 
丸太  柱として60センチ程度の根入れ(地中に埋まる部分)を考慮した長さの丸太を準備します (風当たりの少ない場所では50センチの根入れでも問題ありませんが、逆に風当たりの強い場所では60センチ以上必要です。根本をコンクリートで巻き固める場合には短くても問題はないでしよう。
 太さは親柱は末口(丸太の根元と反対の方、細い方)9センチ、間柱は7.5センチ程度で良いでしょう。好みによりもっと太い物を使う場合もあります。親柱に細い物を使うと押縁がはみ出してしまうため、細めの物を使う場合でも末口7.5センチ以上は欲しいところです。
 柱の間隔は一般的には180センチ間隔で入れていきますが、端からかまわず180センチ間隔で入れて最後が狭くなってしまうということのないようにします。したがって全体の施工する長さを等分し、180センチ程度となるよう割り振りをして数量を算出することになります。
 
胴縁
  胴縁にはマダケの径3〜4センチ程度のものが一般的に使われます。なるべく曲がりの少ないものを用意したいところです。
 垣根の巾が狭い場合には1段に1本の竹で足りますが、広い(長い)場合には継ぎ足して使用することになります(継ぎ方は四つ目垣の項の胴縁の継ぎ方を参照)。
 
押縁・玉縁  押縁にはマダケの径5センチ程度のものが一般的に使われます。規格でいえば8〜7本〆のマダケとなります。玉縁(アマ縁、スアマなどとも呼ばれる)は押縁よりも少し太めのものを使う方が施工しやすくなります。したがって用意した押縁用の竹の中から一番太い物を玉縁に使用するようにします。
 大きな弓なりの曲がりは使う向きによってカバーすることが出来ますが、 胴縁竹と同様になるべく曲がりの少ないものを用意したいところです。胴縁同様広い垣の場合には継いで使用します。継ぎ方は胴縁の継ぎ方と同様の考え方(丸か半割かの違いだけ)で継ぎます。

立 子
 立子となる割竹を自分で割るのはなかなか大変なため、建仁寺垣用に割ったものを竹屋で購入することが賢明でしよう。
  モウソウ竹の割竹も出回っていますが、色つやの良さはやはりマダケには劣ります。 またモウソウ竹の場合は太い竹を割って作られるため、割竹の断面がほぼ平らな板状になってしまいます。したがって深みのないのっぺりとした仕上がりになってしまいます。 
 マダケの場合には断面にやや丸みが残り蒲鉾状のため、彫りが深く趣のある仕上がりとなります。また色つやも良く見栄えがします。仕上がりを考えればやはりマダケの割竹を推奨します。
 自分で割る場合には竹の扱い方を参考に、巾4〜4.5センチとなるよう割っていきます。仕上がり高に見合った長さに切りそろえた丸竹をベタ並べにして、その巾がおよそ69センチで巾1.8m分の割竹を作ることが出来ます。これを参考に数量を算出します。 

棕櫚縄 四つ目垣と違って結ぶところが少ないため、使用料は比較的少なくて済みます。縄掛けのページに記したとおり関東では黒の棕櫚縄(染め縄ともいう)2本使いとして結びます。
  結び慣れた人と不慣れな人では、結びあがって切り落とす部分の長さもだいぶ違います。また押縁、胴縁の太さによっても使用量は違います。さらに単なるイボ結びとするか飾り結びとするかによっても違ってきます。したがって一概に使用数量は決められませんが、一ヵ所結ぶのにイボ結びの場合に1.6m、玉縁を飾り結びとして垂れ下げる場合には3m程度が目安となります。結ぶ場所はおよそ40〜50センチ間隔で結ぶのが一般的です。これを参考に使用数量を算出して準備します。

その他
 胴縁を留める丸釘や立子を掻き付ける針金などが必要となります。
  丸釘は使う胴縁の太さにもよっても違いますが、1寸5分〜2寸(45〜60ミリ)のものが適当でしょう。
1ヵ所に1本使いとなるため、胴縁の段数と柱の数から使用数量は決まります。原則として押縁には釘は使用しません。立子を掻きつける(立子を胴縁に仮留めすること)掻き付け縄には赤の棕櫚縄(生棕櫚ともいう)の細いものを使用することもありますが、20番の針金(亜鉛引き鉄線)が使いやすいようです。一般には胴縁の1段だけに掻き付けますが、丁寧な仕事をする場合には2段掻き付けます。
  掻き付ける縄又は針金の所要量は垣巾(長さ)のおよそ4.0倍程度の長さを要します。2段掻き付けの場合はこの2倍となります。
 針金は板材の端切れなどに巻いておくと絡まることなく作業がしやすくなります。

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建仁寺垣に変化をつける 
建仁寺垣も四つ目垣と同様に胴縁(押縁)の段数を増やしたりその間隔に広狭をつける(これを吹き寄せにすると言います)ことによって趣を変えることが出来ます。また半割竹の押縁に換えて4〜5割りにした板状の竹を3枚組んで使うなどするとまた違った味わいが出てきます。特にこうした手法は袖垣など作る場合に用いられます。
どう変化させるかは作る人のセンスがものを言うわけですが、ただあくまでも「押縁は水平に、立子は垂直に」というのが原則です。創作垣と称して押縁を斜めにしているものを見ることがありますが、こうした手法はあまりセンスが良いとは言い難いもので、避けるべきでしょう。

注1…縄掛けの位置
原則として親柱から3枚目の立子に結びますがこれはあくまでも原則です。幅の狭い袖垣などでは3枚目に結ぶよりも2枚目に結んだ方が体裁がよい場合もあります。また立子の巾によっても違って来ることもあります。要はバランスです。原則を貫くあまりバランスの悪い縄掛けとなっては台無しです。
これは結びの間隔にも言えることで40〜50センチにこだわると幅の狭い袖垣では結ぶ位置が無くなってしまいます。

押縁取付のポイント
押縁が長すぎると立子との間に空間が出来て締まりが悪くなてしまいます。また短すぎても口が開いて体裁の悪いものとなってしまいます。柱から押縁がはみ出したり短くて口の開いているものは「押縁が笑っている」といって揶揄されます。
この部分は竹垣作りの重要なポイントであり、この部分を見ればその人の腕の善し悪しが分かると言えるほどです。

掻き付けのポイント
@隣り合った立子の節が並ばないようにすることが大切です。したがって次に来る立子は節の位置が違うものを選んで掻き付けていくことが必要です。
A無造作に掻きつけていると立子が次第に斜めになってきます。これは立子の巾が上下で違っているために起こります。この立子が斜めになっている状態を「雨が降っている」といって嫌います。
 時折離れて立て込み状態をチェックする他、掻き付け前に胴縁の随所に下振等を使って垂直の線を記しておき立込の目安とする方法もあります。

D第一親柱の立込が完了したら、もう一方の親柱も同じ要領で立て込みます。このとき留意することは最初に立てた丸太の天端(てんば)とこの丸太の天端が水平になるよう立て込むことです。方法は地盤の水平を見たときと同じ要領で水糸を使います。
立込のすんだ丸太の天端とこの丸太の天端に水糸を張り見通してみます。穴底の土の高さを調整しながら水糸が水平になるようにします。 高さが決まったら後は先の丸太と同じように位置を決め、少しずつ土を入れ突き固めて完了させます。
@親柱の位置を決めて少し大きめに穴を掘ります。この穴に丸太を入れて、まず高さを調整します。トントンと丸太で底の土を突き固めるように落として安定させます。
A高さが所定の高さに決まったら今度は位置の確認をして少し土を戻しま す。位置がずれないように押さえながら、突き棒(細い丸太など、小棒とも言う)で少し突き固めます。
B丸太の位置と立て込み具合 (丸太が真っ直ぐに立っているか) を見ながら、また少し土を戻し入れて突き固めます。立込が曲がっていると後で直すことが出来ないため、この段階で良く見極めます。建物などの柱や壁、窓枠などと見通して垂直に立て込みます。下振(さげふり)が有ればそれを下げて糸と柱の立込を見極めて垂直を確認することが出来ます。 丁寧な人は下ごしらえの段階で柱の四方に中心線となる芯墨をうっておく人もいます。この場合は下振との見極めがたやすくなります。
C絶えず立込を確認しながら少しずつ土を戻し入れ突き固めるという作業を繰り返して完了させます。
立 子 立子は竹の扱い方を参考に洗っておきます。 この時に真っ直ぐなものと曲がりのあるもの更に特別厚みのあるものとに分けておきます。
 真っ直ぐなものはそのまま使えますが、曲がったものや特別厚みのあるものは少し手を入れておく必要があります。
 特別厚みのあるものは割竹の腹(裏面)を削って厚みを整えておきます。 曲がったものは両側面を削って曲がりを取ります (曲がりの直し方@参照)ナタ等で削りますが、電気カンナがあると食い込むこともなく早くきれいに仕上がります。特に曲がりの大きいものは削って修正しきれないため、鋸で挽目を入れて真っ直ぐになるようにしておきます。この挽き目を入れる方法は大きな曲がりも直すことが出来ますが、竹が弱くなるため1枚の立子に2ヵ所を限度としたいところです(曲がりの直し方A参照)。
 袖垣など間近で見る垣の場合には、この立子の下ごしらえは特に丁寧にしておきたいところです
胴縁、押縁、玉縁 立子同様に洗っておきます。垣の裏面が全く見えない場合には胴縁の洗いは省略しても良いでしょう。胴縁は丸のままで使いますが、押縁や玉縁は二つ割りにしておきます。
 竹は真っ直ぐなようでも節々で交互に曲がっているものが多いものです。この曲がりを見せないようにすることが垣をきれいに作るコツとなります。
 押縁に使う場合は割った竹を正面から見たときに真っ直ぐに見えるよう(側面から見ると曲がっている)に割ります。玉縁用に割る場合は 、これとは逆に側面から見て真っ直ぐなよう(正面から見ると曲がって見える)に割るときれいな仕上がりとなります。ただ垣の高さが目線よりかなり下がり、玉縁を上から見通すような場合には玉縁も押縁と同じように割る方がきれいに見えます。
  割る向きが決まったら竹の根元が動かないよう石などの基部に当て(写真@)、竹のウラ(先端の細い方)の真半分の位置に竹割り等の刃物をあてがい軽く叩いて割れ込みを入れます(写真A)。割れ口が3センチ程度に開くまでそのまま刃物を押し込むように割っていきます(写真B)。口が開いたところで、直径3センチ、長さ40センチ程度の端切れの竹をここに挟み込み刃物を抜き取ります(写真C)。あとは本体の竹を脇にして構え、挟み込んだ竹の両端を持って引き下げるようにして割っていきます(写真D)。この時脇と手先の力のいれ具合で割れが偏ってきますので注意が必要です。偏りかけたと感じたら本体の竹を上下反転させて割って行きます。残りが少なくなってきたら竹を立てるか適当なところに立てかけて最後まで割ります。なかなか真二つに割るのは難しく熟練が必要です。自信のない場合には竹屋に依頼するのが無難かもしれません。
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このコーナーでは遮蔽垣の一つでよく知られている、建仁寺垣の作り方を紹介します。
高さも自由で作り方もいろいろありますが、ここでは基本となる高さ180センチの割竹を使った片面:建仁寺垣(垣の裏側は割った竹の面が現れる)を作ります。
関西では胴縁に垂木材を使い立子を釘留めとする方法が多いようですが、関東では釘の使用は最小限として出来るだけ釘を使わないようにするのが普通です。ここでは胴縁に丸竹を使用して、釘をなるべく使わない方法を紹介します。

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