組子の取り付け
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組子の本格的な取付の前に、上下の太い組子を釘留めします。この釘留めをしないと、後の組子を入れる時に知らず知らずのうちに柱が開いてしまう場合があります。
釘留めには二通りの手法があり、一つは組子取り合い詳細図の赤い線が示すように、小穴の開いている方からやや斜めに打ち込み釘を見せなくする方法です。
もう一つの手法は釘の頭をつぶしておいて柱の真横から打ち付ける方法です。この手法は若干釘の頭が見えることになりますが強度的にはすぐれています。
いずれの方法にしてもキリ等で下穴を開けて釘を打つようにします。(竹の扱い方参照)

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柱丸太 @親柱の丸太に、組子の竹を落とし込む小穴(溝)を彫るための墨出しをします。始めに墨壺を使って中心線となる芯墨を打ちます。墨壺がない場合には糸を使って要所に印を付け、定規で線を引く事も出来ます。次にこの中心線から組子に使う竹の太さの幅を振り分けて記し、墨を出します。組子の竹は当然太さも違い、また元とウラ(先端)でも太さは違ってきます。したがって何センチの幅に溝を掘るかと言うことは悩むところです。広すぎるとがたつきが多くなり、狭過ぎると竹を削る事になり手間もかかります。一般的には平均的な元の太さより若干細め(狭い)の溝幅にすると良いようです。
次に垣の高さとなる組子の掻き幅を記します。
A親柱の墨出しが終わったら溝掘りの作業にかかります。始めに組子の上下に径4センチの竹を差し込む穴を開けます。竹の切り口をあてがい鉛筆で太さを印し、この中心にドリルで下穴を開けます。
 なかなか竹と同じ太さのドリルは無いので、この下穴を崩すようにノミで彫り込んでいきます。深さは3〜4.5センチが適当でしょう。 時々竹をあてがって差し込み具合を確認しながら彫り上げます。 各柱上下2ヵ所に開けます。
B次に電動丸鋸で墨出しした線に沿って内側を真っ直ぐに切っていきます。 丸鋸は水平に構えることが大切です。電動丸鋸がない場合には平ノミで彫りとることになります。溝の深さは浅すぎると組子が外れやすくなり、深すぎると差し込む作業性が悪くなります。普通は15〜18ミリ程度とします。
墨出しした両側の切り込みが済んだら更にその内側に3筋ほど切り込みを入れます。この切り込みは曲がりをそれほど気にせず、目見当で切って行くだけで問題ありません。いずれの切り込みも先に開けた上下の穴を乗り越えて切り込まないようしっかりと止めます。
C次に丸鋸で切り込んだ刃跡にバールの平たい部分を差し込み、左右にこじるようにして、刃跡と刃跡の間の木を掻き取ります。
おおかたの木片が取り除かれたら平ノミを使って底の部分をさらい、平らに仕上げます。この作業を繰り返して親柱全部に溝を掘ります。
D全体の小穴が掘り終えたら、先に開けた上の穴から組子の竹2本分程度(ここでは約6センチ)下がった位置から組子2本半程度(ここでは7.5センチ)の間の穴を深くします。始めにドリルで下穴を開けてから平ノミで彫って行くと楽に開けられます。この深い穴は組子を組んでいく作業上で必要となってくるものです。(穴加工詳細図を参照) 
 
 (間柱を入れる場合には、組子の竹を釘留めとするため溝穴を掘る必要はありません。丸太を良く見極め一番通った面が正面に来るよう考えて、その面に軽く鉋を掛けておきます。これは組子の竹と丸太とのなじみを良くするためであり、面幅が1〜2センチ程度あれば十分です)

E加工の終えた丸太は建仁寺垣の柱の下ごしらえを参考に防腐処理をしておくと良いでしょう。

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材料の下ごしらえ
柱の立て込み
見附となる第一の親柱を立てることから始めます。片面建仁寺垣の柱の立て込み方を参考にすすめて下さい。ただ建仁寺垣の柱と違い、溝が彫り込まれている訳であり、この溝の方向が違っていると組子の竹が収まらなくなってしまいます。柱の位置と方向をしっかりと見極めて立て込む必要があります。第一の親柱がすんだら第二の親柱を立て込みます。
間柱を必要とする場合には下ごしらえで鉋を掛けた面が正面となるよう、位置と方向を見極めて立て込みます。

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仕上げ
全ての縄掛けが終了した後、仮留めの針金をはずします。
少し離れたところで全体を眺め押縁が曲がっていないか最後の確認をします。曲がりが気になるようであれば押縁に木片をあてがい、金槌で軽く叩いて修正します。切り落としなどを片付け整地して完成です。

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間柱を取り付ける場合には必ず間柱の前に押縁がくるようにします。この押縁で釘留めした釘の頭は隠れることになります。
間柱の部分に限って押縁は片面のみになります。
縄掛け
押縁の取り付け仕上げは縄掛けとなります。この縄掛けは両面建仁寺垣の縄掛けと同じ要領で表裏共に結びます。
建仁寺垣の押縁が横使いなのに対し、御簾垣の場合には縦使いとなっています。従って縄の回し方が若干違ってきます。
建仁寺垣では表側から差し込んだ縄を裏側で上又は下に回して表側に引き出しますが、御簾垣では差し込んだ縄を裏側で横に回して表側に引き出します。(縄掛け図を参考)
後の結びは建仁寺垣の縄掛け両面建仁寺垣の結び方をそれぞれ参照して同じ要領で結び上げます。

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押縁の取り付け
押縁は径50〜60の半割したマダケを使用しますが、断面詳細図に見るとおり組子の太さに違いがありますのでそのまま当てる訳にはいきません。押縁加工姿図のように太い竹の当たる部分は削り取って全体に接するようにします。また必ず垂直に入れることも大切です。
@押縁の取り付け位置に一度あてがって削り取る位置や形状を鉛筆で印し、小刀で削っていきます。この合わせ方が悪いと押縁が締まりませんので留意します。特に上と下の削り込む位置がずれやすいので、片方を一度に仕上げるのではなく少しずつ両方を削って、仮にあてがって様子を見るようにします。削り取る部分が少ない場合にはサンダーを使うことも一つの方法で、慣れると綺麗に削れるものです。
A仕上がった押縁を両面から合わせ、針金で数カ所仮留めします。これは仮留めのため、亜鉛引き鉄線の18番が扱いやすいでしょう。2周回してねじって締めていきます。
A次に細い組子を取り付けます。組子は下から順番に小穴に差し込んでいきますが、全部の組子が全て同じ長さとは限りません。初めに細めの竹1本を垣巾に合わせた長さに切って最下部にあてがってみます。この竹を少しずつ持ち上げて上方の長さの違いを確認します。下から上までほとんど同じ長さであれば最初に全部の竹をこの竹の長さに合わせて切り揃えて問題有りません。しかし長さが違うようでしたら1本1本竹の長さを調整しながら小穴に差し込み落とし込んでいく必要があります。穴より太い竹は先端を削って差し込みます。
 竹は太さが左右異なります。従って同じ向きで入れていると垣の横の線が傾いてしまいます。絶えず水平になるよう交互に入れるなどの留意が必要です。
 組子が水平にはいると同時に、隙間を均一にしかも出来るだけ少なくするように配慮します。このためには竹の向きをよく見て曲がりが前後になるように入れます(前後の曲がりは押縁で締め付けて行くとかなり修正されます)。また互いに接する竹の節と節が重ならないように入れていくことも大切です。さらに極端に高い節は少し削ることもあります。これらはいずれも隙間を少なくするための配慮です。
 この組子は全部釘留めする必要は有りませんが、5本に1本程度は釘留めしておく必要があります。これは経年で竹が痩せて組子が下に寄ってしまい、上部に大きな隙間が出来るのを防ぐためのものです。釘留めされていると隙間は均一となり気にならないものです。
 間柱を入れる場合には間柱に全部の竹を釘留めします。
B組子は上に近くなるに従って差し込みにくくなってきます。竹が長い場合には少ししならせて入れることも出来ますが垣の幅が狭い場合には竹をしならせることも出来ません。そこで必要になってくるのが一段深く彫った小穴です。組子取り合い詳細図のAの位置で、一度この小穴に竹を差し込んで第二の柱の方にスライドさせて落とし込んでいきます。上部2本の竹は同じ要領で差し込んでから押し上げて入れます。最終に納める竹は図のBの竹となります。
 上まで隙間無く組子を入れるためには最後の5〜6本の竹で調整します。太さをいろいろ組み合わせてうまく収まるよう、竹を選抜しておく必要があります。

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柱丸太  柱として60センチ程度の根入れ(地中に埋まる部分)を考慮した長さの丸太を準備します(風当たりの少ない場所では50センチの根入れでも問題ありませんが、逆に風当たりの強い場所では60センチ以上が必要です。
 この竹垣は組子に丸竹を使うため、組子の竹の太さによって柱の太さも違ってきます。柱に組子を差し込む溝を掘るため、作業性の上では太めの柱に細い組子を使う方が無難です。ただバランス面も考慮する必要があるため太すぎるのも考え物です。ここでは組子に径3センチのマダケ使うこととして、末口10センチの丸太を親柱に使うこととします。
 建仁寺両面垣と同様に間柱を入れる方法と、全て親柱形式で施工する方法があります。使用する組子の竹や好みにもよりますが、間柱形式で施工する場合には間柱の太さは末口7.5センチ程度で良いでしょう。全て親柱形式にする場合には当然親柱と同じ太さのものを使用することになります。
 親柱形式は柱の溝加工に手間がかかることや、組子の竹が1間づつきざまれた状態になるため強度的には若干弱くなりやすいことを考慮しておく必要があります。ここでは間柱のない形式で進めます。

組子
  組子の竹はマダケや晒し竹、黒竹などが使われます。晒し竹や黒竹などの加工竹(製竹)を使う場合には曲がりが少なく施工がたやすくなりますが、マダケ(原竹)を使う場合には曲がりがあることから材料の調整や施工の手間もかかります。ここではマダケの径3センチ程度の物を使うこととして進めていきます。規格で言えば18本〜21本〆程度のマダケとなります。組子の一番下と一番上には一回り太い竹(ここでは径4センチ)を差し込みます。これによって強度も増します。
マダケは曲がりの強いものはハネ出すことも考慮して多めに準備します。
  
押縁  押縁には同じ太さの物を使う場合と、太い物を半割にして使う場合とがあります。これはデザイン上のことであり、どの方法を取るかは好みによります。組子と同じ太さの物を使う場合には2本寄せて使うことが多いようです。ここではマダケの径5〜6センチのものを半割として使うこととして進めます。規格でいえば6〜7本〆程度のマダケとなります。
 数量的には押縁の数から算出します。表裏に同数の押縁が必要(間柱の前面は表側のみ)となります。また半割にして使用しますが、先端は節止めとするため切り落としが出て来ることを考慮して算出が必要です。

棕櫚縄
 棕櫚縄は両面建仁寺垣と同じ程度の使用数量と考えて良いでしょう。これも縄掛けのページに記したとおり関東では黒の棕櫚縄(染め縄ともいう)2本使いとして結びます。

その他 組子を留める丸釘や押縁を仮締めする針金などが必要となります。
  丸釘は親柱に接する部分の組子5本に一ヵ所、間柱には組子全部を止める数が必要となります。親柱部分には1寸5分(45ミリ)程度、間柱部分には2寸(65ミリ)のものが適当でしょう。
  針金は#18程度のものが扱いやすいでしょう。押縁に3ヵ所程度仮締めするだけのもので使用数量は極わずかです。
材料等の準備

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このコーナーでは御簾(みす)垣の作り方を紹介します。
この竹垣は組子(丸竹が一般的)を横に使うもので、簾のようにに見えることからこの名があります。簾(すだれ)垣と呼ばれることもあります。組子の連続となり、建仁寺垣のような胴縁はありません。
表裏が無く両面から見ることが出来ますが、丸竹を使うことから節や曲がりの関係で若干透きが出来ます。したがって完全な遮蔽とはなりませんが建仁寺垣とは違った趣があります。
作り方も簡素なものから押縁に凝ったものまでいろいろありますが、ここでは基本的なものを紹介します。

御 簾 垣
組子の竹 組子となるマダケは束を解いて広げ、使える物を選抜します。極端な曲がりやねじれている物はハネ出して、なるべく真っ直ぐな物を選抜したいところです。また曲がっている場合でもその部分のどちらかが真っ直ぐであれば切って真っ直ぐな部分を使用します。緩やかな曲がりは押縁を当てることによって矯正されますので問題なく使えます。この材料の吟味が仕上がりの良否につながりますので材料の無駄は仕方ないところでもあります。
 選抜した竹は必要な長さ(参考図の場合には180センチ程度)に切った後、竹の扱い方を参考に洗っておきます。

押縁の竹
 押縁の竹は先端を節止めとして寸法に切り揃えます。洗った後、二つ割りしておきます。割り方は建仁寺垣の押縁の割り方を参照

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