現場での準備
垣根を作る長さ(巾)が狭い場合にはそれほど問題ありませんが、少し長くなる場合には地盤の傾斜の有無を見極めることが必要となります。
レベルなどの測量器械があれば別ですが、無くても次のような方法で見極めることが出来ます。
@垣根を作る予定の両端に1.5m程度の竹を差し込みます。
Aこの一方の竹(A)に水糸を結び、その糸をのばして行きもう一方の竹(B)に仮に結びつけます。このとき(B)に結びつける高さは感覚でほぼ水平と思われる高さに結べば良いわけですが、たるみの無いようにピンと張ることが大切です。
Bその場から少し離れて、付近の建物等の窓枠などの横の線とこの水糸とを見通してみます。ズレが有るようであれば(B)の仮結びした糸の高さを調整して結び直し再度見通してみます。
Cこれを何回か繰り返して、水糸と建物の枠の線とが一致すれば水糸は水平に張られたことになります。(厳密な水平を求める必要はなく、この程度の水平で問題ない)
Dこの水糸を基準として、要所要所の地面までの長さを測ってみます。これによってあまり高低差が無ければそのまま作業に取りかかれます。(参考図の垣を作る場合には高低差は7センチ程度が限界)
E高低差が有りすぎると最下@の胴縁が地面に潜ってしまうので胴縁の高さを変えるか、あまり差が有る場合には中間に親柱を1本入れて段差を調整する必要があります。

材料等の準備
50センチ程度の根入れ(地中に埋まる部分)を考慮した長さの丸太を、柱として準備します。太さは、親柱は末口(丸太の根本と反対の方、細い方)9センチ・間柱は末口7.5センチ程度で良いでしょう。情況によってはそれぞれもう少し細い方が良い場合もあります。原則として尖らして杭にすることはせず、そのまま使います。
一般的には180センチ間隔で柱を入れますが、端からかまわず180センチにいれて、最後が狭くなってしまうということの無いようにします。あくまでも柱の間隔は等しくすることを前提に考えます。したがって施工する長さを等分して180センチ程度に収まるように数量を算出することになります。

竹は径3〜4センチ程度のものが一般的に使われます。規格で言えば18〜12本〆のマダケとなります。
竹は元からウラ(先端)まで同じ太さではありません。したがって同じ程度の太さに粒を揃える場合と、太さにバラツキがあっても良い場合とでは1本の竹から取れる数量は全く違ってきます。
実際に竹を見て、先端の細いところはどの程度まで使うか考慮して使用数量を算出すると良いでしょう。
また立子は節止めとして使用するため、捨てる部分がかなり出てくることも考慮しておく必要があります。

四つ目垣は胴縁と立子の交点を全部結ぶため棕櫚縄の使用数量も割合に多くなります。縄掛けのページで記したとおり、関東では棕櫚縄2本使いとして結びますのでそれも考慮する必要があります。
結び慣れた人と不慣れな人とでは結び上がって切り落とす部分の長さが全く違います。したがって一概にどれだけ使うかということは言えませんが、細めの竹の場合1交点当たり1.2m、太めの竹を使う場合には1.5m使うことを目安として算出すればおおよその数量が出ます。

胴縁の継ぎ方

竹の選別と切りそろえ
@
用意したマダケの中からなるべく真っ直ぐな竹を胴縁用として選抜します。垣の長さ(巾)が長い場合には1本の竹では届かないため継いで使います。その数量も考慮して選抜します。

A残った竹で立子を切りそろえます(竹垣の基本参照)。立子の根入れは最低5センチ程度はほしいところです。また長すぎるのも作業性が悪くなりますので長くても20センチが限度です。
したがって仕上がり高さ+5センチ(参考図の場合でいえば95センチ)以上の長さで節止めとなるよう切っていきます。節止めにして切った結果、あまりに長すぎるものは後の作業性が悪くなるため、根入れ分の長さが20p以下となるよう根本を切りつめておきます。
B
準備できた竹は、竹の扱い方を参考に洗っておきます。

@親柱の位置を決めて少し大きめに穴を掘ります。この穴に丸太を入れて、まず高さを調整します。トントンと丸太で底の土を突き固めるように落として安定させます。
A高さが所定の高さに決まったら今度は位置の確認をして少し土を戻します。位置がずれないように押さえながら、突き棒(細い丸太など、小棒とも言う)で少し突き固めます。
B丸太の位置と立て込み具合(丸太が真っ直ぐに立っているか)を見ながらまた少し土を戻し入れて突き固めます。立込が曲がっていると後で直すことが出来ないため、この段階で良く見極めます。建物などの柱や壁、窓枠などと見通して垂直に立て込みます。
C絶えず立込を確認しながら少しずつ土を戻し入れ突き固めるという作業を繰り返して完了させます。
D片方の親柱の立込が完了したら、もう一方の親柱も同じ要領で立て込みます。このとき留意することは最初に立てた丸太の頂点とこの丸太の頂点が水平になるよう立て込むことです。方法は先ほど地盤の水平を見たときと同じ要領で水糸を使います。
立込のすんだ丸太の頂点とこの丸太の頂点に水糸を張り見通してみます。穴底の土の高さを調整しながら水糸が水平になるようにします。高さが決まったら後は先の丸太と同じように位置を決め、少しずつ土を入れ突き固めて完了させます。

親柱を立てる
地盤の傾斜に問題がなければ親柱を立てることから始めます。親柱と間柱の関係は下図の通りとなり、胴縁竹の太さ分だけ間柱は下がりますので、これを考慮してまず親柱を立てます。

墨だし(胴縁の取り付け位置を記す)
張ってある水糸を基準に、胴縁を取り付ける高さを記します。方法としてはそれぞれの柱ごとにスケールを当てて印を付けていっても良いわけですが、作業性も悪く間違いを起こしやすいものです。そこで普通は余っている竹のウラなどを利用して水糸から各胴縁までの長さを記した「専用の物差し」を作って使用します。これを一般に「尺棒」や「バカ棒」と呼んでいますが、これを水糸にあわせて各柱にあてがいながら必要段数の印を付けていくわけです。こうすると間違いなくどの柱にも同じ間隔で印を付けることが出来ます。

間柱を立てる
@
親柱間の長さを測り、等分して間柱の立つ位置を決めます。
Aそれぞれの間柱の位置に親柱同様少し大きめの穴をほります。
B親柱に仕上がり高(参考図で言えば丸太の上から10センチ下がったところ)の印を付け、その位置に水糸を張ります。この水糸は親柱の中心に張る方法と、胴縁竹の太さ分だけずらして張る方法とが有りますがどちらでもやりやすい方法でかまいません。ここでは中心に張る方法を前提に進めます。いずれにしても、これから先この水糸がすべての基準となりますのでたるみの無いようピンと張ります。
C先に掘った穴に間柱用の丸太を立て入れ、丸太の頂点が水糸の高さになるようにします。穴底の土を調整したり、丸太でトントンと土を付くようにしながら水糸すれすれの高さにします。
D高さが決まったら位置を決めます。丸太の左右の位置は少しずれても問題有りませんが、前後の位置が大切になります。従って水糸を基準にして胴縁竹の平均的な太さ分だけずらした位置に正確に立て込みます。このとき、丸太の上の方ばかりを気にしていると曲がって立て込んでしまう場合があります。必ず垂直に柱が立つよう、少し離れて見通しながら決めるようにします。
E高さと位置が確定したら、親柱同様に土を少しずつ埋め戻して突き固めます。この要領ですべての間柱を立て込みます。

注A…これは根元の方は肉厚で丈夫ですが、ウラは肉も薄く割れやすいことによります。

間柱と胴縁・立子の取りあい

親柱と胴縁の取りあい

C幅の狭い垣根では必要ありませんが、長い垣根では胴縁を継いで行く必要があります。継ぎ方は先に見た継ぎ方図の通りですが、どこでもかまわず継いで良いというわけではありません。まず間柱に接するところでは継がないこと。そして継いだ位置が上下同じ位置にならないようにすることも留意点です。さらに親柱のところで節付きとなるように、最後に継ぐ竹は節を考慮しながら継ぐ位置を決めることが要求されます。したがって最後の竹は先に親柱に取り付ける作業(斜めに切り柱になじませる)を済ませてから継ぐ位置を決めて竹を切ることになります。親柱にも釘止めをして、これで一段目の胴縁は完了となります。
D続いて2段目以後の胴縁を取り付けます。2段目の胴縁は1段目とは反対の親柱に竹の元が来るように取り付けます。そして3段目はまた1段目と同じ方向に元が来るようにします。こうすることによって胴縁はすべて互い違いの向きになり、偏りもなく強度も増すことになります。
Eすべての胴縁が取り付けられた後、間柱と胴縁を棕櫚縄で結びます。先に打ち付けた釘の上を通るように棕櫚縄を斜めに2周り掛けて真柱の後側でイボ結びとします。釘だけでも耐えますが、万一竹が割れても釘がはずれないようにするためと、結んであるという見た目の強度のためです。

A墨の位置を確認し、節に掛けてキリで穴を開け釘止めとします。このとき強く打ちすぎるとくぎの頭が竹に食い込み割れることがありますので要注意です。
B間柱に胴縁を釘止めしていきます。勿論キリ等で下穴を開けることを忘れないようにします。
 (棕櫚縄はすべての胴縁が取り付け終わってから)

胴縁の取り付け
@
最下の胴縁(参考図の@の胴縁)を取り付けます。胴縁用の竹の根本の方を下図のように節の際で丸太になじむよう斜めに切ります。更に小刀を使い密着するよう削って調整します。なお垣根の幅が狭く1本の竹で通る場合には、胴縁の両端を節付きにすることは難しいので元の方は節間とし、ウラの方を節付きとして使用します(注A)。また、釘止めする前に両端とも同じ加工をしておきます。
作業する上で手元の人がいる場合には竹を抑えてもらうことができますが、一人の場合には柱等に針金や棕櫚縄で仮止めして作業をすすめます。

結ぶ
立子の立込が終了したら結びにかかります。立子が曲がっていないか確認しながら結んでいきます。結び方は縄掛けのページで記したイボ結びとします。但し間柱の前の立子については手順が少し異なり、建仁寺の縄掛けの手順を準用し裏を綾にせず、縦二の字となるよう縄を掛けイボ結びとします。
結ぶ面は特別な事情(裏側に人が行けないなど)が無い限り立子のある面でイボ結びとします。したがつて表側の立子を結び上げた後、裏面に回り裏面の立子を結んで完成とします。

ポイント
垣をきれいに見せるために 竹の扱い方に記したように、竹は節々で曲がっているものが多いわけで、これをうまくさばくことがきれいに作るコツとなります。四つ目垣では正面から見て竹がまっすぐに見えるように、胴縁や立子に使う竹の向きを見ながら取り付けるようにします。
また胴縁はあくまでも水平に、立子はあくまでも垂直に取り付けることが大切なことです。

立子を立てる
参考図の平面図に見るように親柱に添わせる@の立子から立てます。ここに使う竹は揃えた立子の中でも細めのものを選んで使用します。
@所定の位置に立て子を立て、木槌でたたいて水糸の高さと揃うところまで地中に打ち込みます。 障害物等があると位置がずれやすいので留意します。入りにくいようであれば少し地面を掘り起こして柔らかくしておくとやりやすくなります。木槌は竹の切断面に正しく当たるようにして、立子の頭部を傷めないように留意します。
どうしても強く打ち込む必要があるときは適当な角材を竹の上部にあてがい、その上から叩くとダメージは少なくなります。
A次に参考図のAの立子(間柱の前の立子)を同様に立て込みます。
B続いて@とAの中間点を測りそこにBの立子を立て込みます。この立子は少し太めで根入れもたっぷりあるしっかりしたものを選んで使います。これによって強度も増します。
C次に@とBの中間点の裏側にCの立子をたて、BとAの中間点の裏側にDの立子をたてます。
D後はそれぞれ立てた立子の間を3等分して立子を立てていき、すべての立て子を立て込みます。
E間柱と間柱の間の立子も同様に立て込み完了させます。

ポイント
四つ目垣に変化をつける 四つ目垣は単純な構造ですが胴縁や立子の使い方によって全く趣の違う竹垣にと変化します。その一つは胴縁の段数を増やしたりその間隔に広狭をつける(これを吹き寄せにすると言います)ことです。そしてもう一つは立子の数や間隔を変えたり、2本寄せとしたり、高さに変化をつけるなどの手法があります。いずれも、どの程度の間隔にするか等はその人のセンスがものを言うわけです。
ただあくまでも「胴縁は水平に、立子は垂直に」というのが原則です。創作垣と称して立子の何本かが斜めになっていたり、胴縁が傾斜していたりというものを見ることがありますが、こうした手法はあまりセンスが良いとは言い難いもので、避けるべきでしょう。

仕上げ
縄掛けが終了したら少し離れて見渡してみます。斜めになった立子は無いか、立子の飛び出しているもの(高さの不揃い)は無いか、結び忘れは無いか等をチェックします。
チェックが完了したら切り落とした棕櫚縄の端や竹くずを拾い集め清掃の後整地して終了です。

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注@親柱と仕上がり高さとの関係
この長さは丸太の直径の1倍〜1.5倍取るのが良いと言われています。しかし実際には1.5倍は長すぎるような感じです。丸太の直径分〜1.2倍程度が無難なところです。

側面図

平面図

正面図(表側)

四つ目垣参考図

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このコーナーでは竹垣の最も基本的な四つ目垣の作り方を紹介します。
高さに取り決めはなく自由ですが、ここでは仕上がり高さ90センチを前提にして進めていきます。基本的な構造や寸法は参考図の通りですが、基本は胴縁を水平に入れ立子は垂直に入れるということです。また親柱と間柱の中心線にずれがあることに留意が必要で

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