沖縄・与那国島サトウキビ刈り援農隊

南南西に進路をとれ 1976与那国島サトウキビ刈り援農報告記 その13



「与那国あらかると」
 与那国島は、東シナ海に浮かぶ絶海の孤島だ。四季を通じて穏やかな気候には恵まれていない。静かな天気は長く続くことはなく、猫の目のごとく豹変する。春は台湾坊主。夏から秋にかけては猛烈な台風。冬は大陸から寒い季節風が島を直撃する。
 与那国島は、宮古、八重山などとともに人頭税の島としても知られる。人頭税とは、島民が一定の年齢になると、年貢をかけられる制度である。その重い年貢を納めるため、島民はやせた畑に四六時中、鍬を入れなければならなかった。
 天気の変わりやすい気候。苦しい生活。島の子供たちは、よくそのことを知っていた。子供たちは、父母が畑仕事に出かけている間は天気が変わらぬようにと、歌にたくして祈った。
 与那国島には、このように祈りにも似た童歌が数多くみられる。ここで、二つほど紹介しよう。

    ながやま

  ながやまぬ 神(かん)ふとぅぎ
  父(いいや)ん 母(あふた)ん 畑(はる)がら わるた
  雨(あみ)や 降(ふ)いひんなよう
  たんで たんで

  (ながやまの 神さま 仏さま
   お父さんも お母さんも 畑から帰るまで
   雨は降らないでください
   どうぞ どうぞお願いします)
   ※ながやま 御嶽の名称。害虫よけのむぬんを行なった拝所。


    雨(あみ)や降(ふ)いひんな

  北(にち)ぬ さがいてぃぬ たありん
  牛(うち)ぬ 鞍(ふら)や 山羊(びびだ)に掛(かぎ)てぃ
  馬(んま)ぬ 鞍(ふら)や 牛(うち)に掛(かぎ)てぃ
  かんし 足(た)らぬ
  ぬてぃん 足(た)らぬりゃ
  雨(あみ)や 降(ふ)いひんなよう
  たんで たんで

  (北のガジュマルの下で
   牛の鞍は山羊に掛けて
   馬の鞍は牛に掛けて
   たて糸にも足りない
   よこ糸にも足りないから
   雨は降らないでおくれ
   どうぞ どうぞ)
           −「郷土音楽教材集」(八重山教育事務編)から

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Last Update:2004/01/07
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