沖縄・与那国島サトウキビ刈り援農隊

南南西に進路をとれ 1976与那国島サトウキビ刈り援農報告記 その16



援農隊員へのアンケート
 このアンケートは、第1回与那国島サトウキビ刈り援農隊参加者80名全員に対し、今年(1976年)9月おこなわれたものである。質問事項は大きくわけて次の4点であった。回収率は20%であった。
 第1に、援農の意味、目的については、多数の参加者が与那国島に渡る前から持っていた。政治的、社会科学的、農業政策と、各自各様であった。また、明確な問題としてはとらえてはいず、ただ漠然とした参加者も数多くみられた。しかし、明確な問題意識を持っている者も、いない者も、実際に援農に携わっていく過程で、沖縄のサトウキビ農業の実態を、己の目で体で認識をふかめていくと、わかるがゆえに言えなくなってきた。そのためアンケートには、ただ「考えた」と一言だけ記入した者が多かった。
 第2に、援農のやり方については、今回の2、3ヵ月の期間が程よい期間だと答えた者が圧倒的であった。また、畑、製糖工場のどちらでもよい、場所も与那国島にこだわらないと多数が回答してきた。
 第3に、今回の待遇についてである。今回は与那国町農協の事件などがあり、受け入れ態勢がまったく整っていなかったために、数多くのトラブルが発生した。宿泊、畑作業、日当、旅費などの問題が無数にあったことをアンケートは報告している。
 第4は、いわゆる沖縄問題についてである。参加者は各自、問題意識を持っているものが多かった。

●仕事中に援農の意味について考えましたか?

募集したのが体験旅行というキャッチフレーズであったため、考えなかったわけではないが、与那国に行って働いている間、私は本当の援農のむずかしさを知った。(M・K)

●隊員同士あるいは島の人と援農について話し合いましたか?

NO (Y・E)
隊員同士でよく話した。(A・K)

●その結果、あなたは援農をどう考えていますか?

出稼ぎであることとユニークな体験をすることとの両面性。(K・W)
援農という概念はまだハッキリしない。援農に参加したというのは、気恥ずかしい気がして、出稼ぎに行ったという方がすっきりする。(A・K)
やはり農業問題の現状の把握と展望という視点を抜きにしては"援農"はあり得ないと思った。つまり、農家が抱えている問題に、私が抱える問題と重なり合う部分をさぐり、それを背負う方向で労働力を提供するというスタイルが望ましいと考えた。(A・T)
ただの援農を考えるとすれば、少しでも島の人たちに役に立って助けることだと思う。しかし、お互い人間だから感情の違いでむずかしいと思う。(M・K)

●日当をもらうことをどのように考えますか?

みんな各々生活を持っているのですから、日当は当然もらって良いと思います。無料では参加できる人も限られてしまうし、島の人にとっても無賃労働者の存在は、あまり良いことではないと思います。(M・K)
こだわりはない。ただ、受け入れ側が、安い労働力であるという点で、味をしめてしまうようでは困る。(E・I)
賃金をもらうのいいが、農業を日給、時給で割り出すのはむずかしいと思う。(A・K)

●石垣島・与那国島以外の島へ行くべきだと思いますか?

島の交流をするなら他の島へも行ったほうが良い。(M・K)
人手不足の島だったら石垣、与那国にこだわらなくても良いと思う。(A・K)

●民宿の待遇(食事、部屋、ふとん、風呂、その他)の感想は?

待遇は悪かったが、安い宿泊料で各民宿に押し付けた与那国町に問題がある。(A・K)
民宿の主人が「果たしてこの代金は農協から入金になるのか。なるのならいつ」と言うような状態だった中での待遇と考えるなら最高であったと思う。(湯槽の施設があれば)(M・N)
食事、ふとんなどについて、最初はそのひどさにびっくりしたが、1、2週間もするころには慣れ(あきらめか?)てきた。ぜいたくを言ったらキリがありません。(A・T)

●畑作業(仕事の指導、テント、合羽、その他)の感想は?

地元の人たちと組んで仕事ができるようにならないものか。(A・T)
作業の指示は、指示者によってバラバラで、だいぶ面食らいました。時には指示者とけんか腰でやり合ったこともありました。テントは雨の日(食事時)には絶対必要です。(A・T)

●製糖工場作業の感想は?

旧式の機械で、たびたび故障したりして、愛着感はあったが、機械に使われている感じで、キビ刈りと無縁な作業をしているような疎外感を抱いた。(A・K)

●日当や旅費支給についての感想は?

日当については「日当」の有無そのものを(金額の多少でなく)検討すべきである。(M・N)
往復旅費支給は当然として、日当は世間相場とあまりかけ離れないようにすればよい。(K・W)
工場は残業割り増し手当や深夜手当が出るのに対し、畑は賃金体系が滅茶苦茶。両者に差があっても別によいが、その説明がまったく行なわれないところに問題がある。(Y・E)

●受け入れ側への要請は?

(石垣島の個人農家へ入った経験から)個人農家住み込みの長所は、民宿団体生活よりはるかに濃密に"沖縄"に触れられることは確かだが、もし住み込んだ農家の主人とソリが合わなくなったときは、援農の意義は根底から失う。私の場合そうだったから、とくに農家住み込みの怖さを感じる。事前調査が行き届いていないかぎり、農家住み込みは一種の賭けだ。(K・W)

●本土復帰や基地など沖縄問題については?

沖縄問題について、基本的な知識すらない。そんな中でB52のこととか、革新知事のことを言ってみたって浮いちゃっている。帰ってきてから他人に話をするとき、沖縄の人間が日本語を使っているのかどうか聞いた人が随分いたし、半裸で未開(何に対してかは知らないけれど)の野蛮な生活であろうと思っている人が割りといたもんネェ。ボクにしたって、そんな人をアザ笑うほどの知識もない。そのことがいちばんヤバイ。(Y・T)
行ったことで、大いに目を開かれるところがあったけど、まだ書くほどのことになっていない。(M・N)

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Last Update:2004/01/07
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