サイボーグ技術が人間を変える
サイボーグ技術が人間を変える
NHKスペシャル「サイボーグ技術が人類を変える」は、人間というものを改めて考えさせた。サイボーグ技術については、断片的には聞いていたが、ここまで進んでいるとは驚きであった。あとはもう一歩というところで、それこそ「アルジャーノンに花束を」で描かれた想像の世界が現実のものとなる。そして、その一歩は何十年も先のことではなく、ほんの数年後というところまできているのだ。
神経工学という学問が急速に発展している。脳がコンピューターやマイクロチップとつながってさまざまなことをできるようになっているのである。事故で両腕をなくした人の胸の筋肉に脳から出ている神経を埋め込み、それをコンピューターで読み取って、義足ならぬ義腕にその信号を送ると、その義腕がその人が考えたように動くという技術がすでに開発されて実用化されている。失明した人が、カメラの付いためがねを掛けると、そのカメラに映った光が頭の中に埋め込んだチップによって視覚神経を刺激して、その光を感じ取ることができる。
パーキンソン病で体の自由を失った人の特定の脳神経を刺激すると、体の震えが止まり、正常な生活ができるようになる。ただ、その刺激が停まると、また震えが再発するので、頭部に神経を刺激する機械を埋め込み、体外から刺激する電流を送るスイッチで操作する。これらの技術が医療や障害者のために使われるのは素晴らしいことだが、どうもそこだけにとはとどまらない。研究はさらに見えない先へ進んでいる。
脚のない人に義足を付けて、この技術を適用している間に、その人の力が普通の人間の数倍、あるいは数十倍にも発揮できるようになるという実験結果が紹介された。また今はネズミやサルで実験されているが、この技術を適用すると、脳が外から与えられた信号を学習して、どんどん発達するのだそうだ。そうすると外部から与えた信号情報に従って自由に行動させることが可能になる。これこそがサイボーグ技術の行き着く先だろう。
米国国防総省は、この技術を兵士に応用しようとしてすでに動き始めている。そうなると、兵士を指揮官が自由に動かせるようになる。それによって米国は世界の派遣を握ろうとしているのだという。これは実に恐ろしいことだ。ここまで進んでしまった人間の技術というものは、果たして人類を幸福にするものとは到底言えないだろう。 (2005/11/05)
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Last Update:2004/10/19
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