顎下部リンパ管腫

右の顎下部の腫れの患者さんです。このHPを見て、非常に遠いところ(山陽地方)からわざわざ当院まで受診されました。場所的には顎下型ガマ腫の好発部位であり、またMRIも顎下型ガマ腫で良く見られるタイプの液体の溜まり方でしたので、私は治療前は典型的なガマ腫と考えていました。しかし、いつものガマ腫のつもりで穿刺してみると、内容液はガマ腫に認められる粘稠な液ではなく、ひじょうにサラサラした液体でした。写真のように、一番細い注射針を簡単に通り抜ける液体で、液体の性状からリンパ液と考えられました。もちろん、この治療はリンパ管腫の治療としてはじめられたものですから、OK-432 1KEの注入を行いました。真ん中が治療翌日です。私の期待ほどは腫れは強くなっておらず、触った感じも硬くなっておりませんでした。その後は、定期的に写真をお送りいただいておりましたが、治療2ヶ月目までは効果が認められず、第1回目の治療は効果が無かったと判断し、そのうち2回目をしようということにしておりました。しかし、あまりにも遠方ですので、なかなか次の治療の計画が立てられずにおりました。その後思いもかけず、治療6ヶ月後に右の写真が送られてきました。治療2ヶ月を過ぎた頃から、急に縮小が始まり、3ヶ月目頃には全く判らなくなったとのことです。嚢胞は、増大する条件(内容液の産生)と縮小する条件(周囲からの圧迫や吸収)のバランスによって成り立っています。OK-432の効果で内容液の産生が少しでも減少傾向にあれば、ある時期を境に嚢胞が縮小に転じることがありうるということを経験させていただきました。

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