ここでは、顎下型ガマ腫で治療が長くかかった例をお示しいたします。この患者さんは、3回のOK-432注入が必要でありました。(その他の患者さんはほとんど2回以内の注射で治っています。)
よくある質問にも書いてありますが、最初の治療で反応が悪くてもあきらめる必要はありません。普通は投与量を増やしていくことで、ちゃんと治療することができます。
この患者さんは、30代後半の女性の顎下部正中部(オトガイ)にできたガマ腫です。最初、オトガイ部を穿刺して内容液を吸引し、代わりにOK-432の希釈液(0.1KE/mlを6ml、OK-432の総量0.6KE)を注入しました。しかし、治療翌日には通常本治療時に見られる発赤・腫脹はありませんでした。2週間後には、また治療前と同じに腫れてしまいました。
そこで、初回治療2週間目に再度同じ治療を行いました。今回は、内容液7mlを吸引して、OK-432を(0.2KE/mlを5ml)総量1.0KE注入いたしました。注入翌日には、本治療の反応である注射部の発赤・腫脹が認められました。2週間後には縮小傾向となりました。
左は第2回治療4週間目の写真です。まだ、軽度の腫脹が認められました。ここで、第3回目のOK-432嚢胞内注入療法を行いました。内容液は写真の様に血性の粘液でありました。これは、2回目の治療の影響と考えられます。今回もOK-432の総量は1.0KEを投与しました。2週間目には、同部に硬いしこりが残っておりますが、4週間後にはそれも無くなり、治癒いたしました。
この例では、ガマ腫はCTでも少なくとも2つのふくろに分かれる様な形で存在していました。おそらくそのために最初の投与量が少なかったこともあって、最終的に3回の注射が必要でした。しかしこのように、通常はOK-432の量を増やして繰り返せば効果がでます。