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■東電MOX2.24報告書を読み解く■(03/08改) |
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■再測定不正疑惑 東電報告書によると、抜取検査の方法は、検査員がペレットをデジタル式マイクロメーターに乗せ、足踏みスイッチを踏むことにより測定値がコンピュータに送られるというもの。東電報告にある図を見ると、明らかに検査員は測定結果を確認してから、スイッチを踏むことができる。さらに、ペレットを回転させながら測定するとの記述もある事から、合格範囲からわずかに外れるものについて、検査員がペレットを回すなり位置をずらすなどして範囲に入る測定点を探し、測定結果で確認してからスイッチを踏む、という不正が行われた可能性ある。現に関電用MOXを製造していたBNFLではこの再測定の不正が行われていたことが、関電のBNFL調査中間報告で明らかにされている。 d.抜き取り外径検査の測定方法
東電の場合こうした不正が行われた余地は関電の場合よりも大きいとみなすべきである。というのは ・東電報告書の図では、検査員は明らかに測定結果を見てから、データを送るスイッチを押すことができる。福島第一原発が発行している「ふくいちメール」では「測定値を確認してからスイッチを押す」と明確な記述がある。 問題はこの不正の可能性について、東電もAVIも全く検証の作業を行っていないことである。 そもそも今回の東電の再調査、再々調査が関電MOXの検査不正が明らかになったことに伴うもので、再測定の不正がBNFLで行われたことがはっきりした以上、ベルゴ社の行った検査についてもこれが行われていたのかどうかの調査を当然行わなければならないはずである。 この問題については、抜取検査の元データの詳細な分析が必要である。90度回転させる前後のデータの比較や測定精度が0.001mmであるなら、その単位での測定結果分布の統計的分析が少なくとも必要であろう。さらに全数の計測記録との比較検討がなされるべきである。ところが、東電報告書にあるのは、1000分の4mmごとの粗い、しかも上中下の測定点も90度回転させる前後もごちゃ混ぜのグラフだけである。しかも東電自身がデータを手にしていない。当然、上記のような検討はなされていない。顧客側が要求して行うはずの品質管理検査のデータが手に入らないというのは全く異常なことである。それなのに、ベルゴ社に不正はないときめつけ、まるでベルゴ社の宣伝パンフレットのような報告書を出す東電もおかしい。通産省はこれを認めるべきではない。 東電は速やかに原データを入手し、不正がないというのであれば、資料を公開した上でそれを証明すべきである。 PAGETOP | HOME | プルサーマルMENU ■抜取検査規格について 東電報告書では、ベルゴ社の文書体系には、ISO、IAEAの規格に並んで、アメリカ材料試験協会、ドイツ工業基準局、MIL−STD等の抜取検査規格がある(P9)。しかし重要な顧客先であるはずの日本のJIS規格はない。ベルゴ社が抜取検査に用いたのはJISではなく米軍規格であるMIL−STD−105Dだが、これは5年前に廃止された古い規格で、今は別の規格に更新されている。 関電、三菱はBNFLに対しJIS(JISZ9015)に準拠する抜取検査(200個を抜き取り5・6判定)を実施させていた。三菱とBNFLの間でどういった規格を適用するかについて打ち合わせがされていたことが、関電の中間報告で明らかになっている(P24)。 日本の安全審査書では従うべき規格はJISであるはずである。その辺を気にしているのか、東電報告書では、「抜取率は、MIL−STD−105D(日本のJISZ9015に相当)」(P6)と括弧書きがされている。しかし、両者は同一ではない。7000個から32個を抜き取り、ゼロイチ判定を行うのは、MILでは「通常検査」だが、JISでは、抜取数が少ないリスクを許容できる場合に行う「特別検査」である。 さらに、東電報告書に示されている「AQL0.15%、32個の抜取」というのは「ゆるい検査」と呼ばれるものである。JISによると「ゆるい検査」は、最初に「なみ検査」を行い、これが一定以上連続して合格した場合にのみ移行できるものである。合格率が低い場合には、「きつい検査」に移行する。通産省によると、東電の場合、福島向けと柏崎向けのそれぞれについて最初の3ブレンダーについては「なみ検査」の80個の抜取を行い、全てに合格したので32個抜取の「ゆるい検査」に移行した。(この辺のことについては東電報告には全く記述がない。)しかしJISでは、「なみ」から「ゆるい」に移行するには、少なくとも15ロットが連続して合格しなければならない。 また、「なみ」から「きつい」への移行が義務的なのに対して、「ゆるい」への移行は義務的ではなく、顧客が要求すれば移行しなくてもよいとなっている。関電は「なみ」で一貫させている。 PAGETOP | HOME | プルサーマルMENU ■測定の点数について ・ブレンダー…混合時に同じだった単位。ペレット約7000本。福島第一原発3号機用(1F3)は70、柏崎刈羽原発3号機用(KK3)は62。 1ロット=約4ブレンダー=約28000本??ただしロットごとの測定点数があまりにばらばらなので、ロットごとのブレンダー数やペレットの本数にはアンバランスがあるかもしれない。 1F3の場合、測定されたペレット2852本。これを3点ずつとして測定点は8556点。最初の3ブレンダーは抜取数80で6点で計測したとすると、追加分が720。合計して9276点。これでも東電報告書にある総データ数9516にあと240点足りない。これは80×3なので、6点の計測を行う80本の抜取をもうあと1回行ったとみるのが妥当か。 KK3の場合、測定されたペレット3096本。これを3点ずつとして測定点は9228点。最初の3ブレンダーは抜取数80で6点で計測したとすると、追加分が720。合計して10008点。これでも東電報告書にある総データ数10488にあと480点足りない。これは80×3×2なので、6点の計測を行う80本の抜取をもうあと2回行ったとみるのが妥当か。 通産省は1月14日交渉において、最初の3ブレンダーについては80本の抜取を行い、さらにまんべんなく抜き取るために約7000本のブレンダーを2〜3個に小分けにし、それぞれから80本の抜取を行った、と発言していたが、上記の考察では再抜き取りは1F3でわずか1回、KK3でも2回だけ、ということになる。その後のブレンダーの抜取状況については32個以上というだけで正確な数字は、報告書を見てもまったくわからない。 最初の3ブレンダーがロット番号の若い順にあるとすると、1F3は、1591ロットが測定数960、6で割ると160でこれは80個の抜き取りを2度行ったことになる。続いて1593、1594ロットが測定数480で、6で割ると80になる。これでちょうど3ブレンダーだが、これだと1ロット=1ブレンダーでロット数とブレンダー数の比率がおかしい。KK3については、はじめから80でも32でも割り切れない数なのでこうした検討もできない。 東電報告書にはロットごとの外径測定結果のグラフがあるが、測定点数はばらばら。しかも上中下、回転前後のデータがごちゃ混ぜになっている。1F3ではロット番号1591から1609までが示されているが、1592、1598、1599が欠番となっている。これは何を意味するのか不明。KK3ではこの欠番が増え、1757から1789のうち、16ロットが欠番になっている。 PAGETOP | HOME | プルサーマルMENU ■プルトニウムスポット フランク・バーナビー氏の指摘(グリーンピースMOX情報10号付録)によれば、プルトニウムスポットは、燃料損傷の原因となりうる安全上重要なものだが、東電が行っている検査方法(αオートラジオグラフ)では、測定に時間がかかり、点数がどうしても少なくなることが問題にされている。 東電報告書では、プルトニウムスポットの検査は1F3で32データ、KK3で36データとなっている。この数字はブレンダーの数(各約70)よりも少ない。少なすぎはしないか。全く検査されていないブレンダーが存在することになる。 PAGETOP | HOME | プルサーマルMENU ■プルトニウム富化度 関電の場合、これが原因で不合格となるロットが存在している(最終報告書では少なくとも4ロットがプルトニウム富化度が原因で不合格とされている)。検査方法、検査結果はどうなっているのか。東電の場合、等価核分裂性物質濃度及び同位体組成の検査が1F3で10データ、KK3で12データとなっている。ロットごとに検査をしているBNFLよりもずさんではないのか。 PAGETOP | HOME | プルサーマルMENU |
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