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高齢期の所得保障と年金改革 平成20年9月18日付公明新聞インタビュー
高齢者医療費の負担増について凍結、負担を緩和。平成19年11月2日付公明新聞インタビュー

平成20年9月18日付
公明新聞インタビュー

公明党は、年収200万円未満の低所得者に対する老齢基礎年金の加算制度の創設や、年金の受給資格期間の10年への短縮など、新たな年金改革の政策を打ち出しました。高齢期の所得保障の観点を中心として、福島豊・党社会保障制度調査会長に年金改革について聞きました。

  • 年収200万円未満の低所得者を対象に、現在、満額で6万6000円の老齢基礎年金を8万3000円に増額
  • 年金の受給資格期間を「25年」から「10年」に短縮し、追納期間も延長
2004年の年金改正の評価は。
福島 わが国は世界でも例のない少子高齢化が進行しており、こうした人口構造の変化への対応が年金制度に必要でした。
 このためにマクロ経済スライドの導入や基礎年金の国庫負担2分の1への引き上げ、積立金の活用、現役世代の保険料の段階的引き上げといった改革を総合的に実施し、年金制度の持続可能性を確実にしたのが、04年改正で実現した年金100年安心プランでした。これは、今も揺らいではいません。
今日的な年金改革の課題は。
福島 低年金・無年金の方の所得保障をどのように行うか、そして、明らかに生活保護に比べて低い老齢基礎年金の給付水準をどう見直すかです。
 高齢者世帯の年間の所得分布は、100万円未満が15.7%であり、 6世帯に1世帯が 100万円未満です。また、 100万円から200万円未満は27.1%です〈グラフ1参照〉。
 特に高齢の女性単独世帯の所得の低さは際立っており、3世帯に1世帯は年間所得が100万円未満であり、50万円未満という世帯も35万世帯あります。
 所得が十分でないために、生活保護を受ける高齢者が増えており(05年調査で全保護世帯の38.7%)、日本の年金制度が高齢期の貧困を防ぐという意味において、十分に機能していない実態があります。
公明党として、年収200万円未満の人を対象に、満額で6万6000円の老齢基礎年金を8万3000円に増額する政策を掲げましたね。
福島 公明党は、高齢期の所得保障を充実させる観点から、一定の所得水準以下の方に対し、税財源で基礎年金に一定額の給付を上乗せする加算年金を創設するのが、最も実現可能性の高い年金改革であると考えています。
 一律に基礎年金そのものの給付額を引き上げると、現役世代の保険料を引き上げなくてはならなくなり、逆に保険料の未納者を増やす懸念があります。

年金の受給資格期間の短縮や追納期間の延長については。
福島 現在、わが国では25年分の保険料を支払わないと年金がもらえません。諸外国を見ても、25年は長い〈表参照〉。10年程度に短縮して、年金の受給資格が確実に発生するようにしなくてはなりません。
 65歳以上で、今後70歳まで任意加入しても無年金になってしまう方が42万人もいます〈グラフ2参照〉。無年金者を出さないよう、追納期間(現行は2年)の延長や、受給資格期間の短縮を早期に実施すべきです。

政府が7月に策定した「5つの安心プラン」には、60歳代の働く高齢者の年金額を調整する在職老齢年金制度の見直しが盛り込まれました。
福島 04年の年金改正で一定の改革をさせていただきましたが、不十分という意見があります。政府も高齢者の雇用を拡大し、全員参加型の社会をつくるとの方針を打ち出しており、年金制度が高齢者の就労意欲を阻害しないよう、さらなる検討が必要です。
厚生年金の適用拡大については。
福島 非正規労働の拡大によって、将来の年金額が低くなることが想定されます。できるだけ早く厚生年金の適用を拡大し、将来の年金権を確立すべきです。
 また、非正規雇用から正規雇用への転換といった安定した雇用環境の整備にも、公明党は全力で取り組んでいきます。
民主党は年金制度を一元化し、最低保障(基礎)部分を全額税方式にすると主張していますが。
福島 最低保障部分を全額税方式に変えるには、追加費用として6.3兆円(民主党の試算)もの巨額の財源が必要です。一方、今後は年金だけでなく、医療や介護の給付も拡大し、その財源の確保も必要です。このため、年金だけに税財源を集中的に投入するという考え方は、バランスを欠いています。朝日新聞が社説(08年2月11日付)で「基礎年金をすべて税で賄うのは非現実的」であり、「税の投入は、年金より医療や介護を優先させる」と提言している通りです。
 貴重な税財源を投入するのであれば、公明党が提案するように、現在の年金制度が抱えている低年金・無年金の課題に重点的に投入する、つまり補足的な加算年金の創設が、限られた財源で必要な所得保障を賄えるという点で、より現実的な政策であると言えます。
 介護分野では、介護労働者の待遇改善が“待ったなし”の状況です。そのためには介護報酬の引き上げが必要ですが、保険料の引き上げには限度があるため、税財源をもっと投入すべきという議論になってくるでしょう。医療の再生も含め、社会保障全体を視野に入れた制度の再設計が必要です。
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