海鳥の本(参考図書)

海鳥ウォッチングの参考になると思われる書籍を一部、紹介します。


雑誌

 BIRDER 1994年8月号 特集 「夏の海鳥 PartU」

 海鳥を興味を持ち始めた頃、何度も読み返しました。海鳥を観察するためのコツから、航路ガイド、書籍の紹介等まで、幅広く解説してあります。各種海鳥の写真も素晴らしく、その解説もとても分かりやすいです。三陸沖で撮られたハジロミズナギドリや小笠原航路のオオシロハラミズナギドリ等の写真も掲載されています。また、セグロミズナギドリ(以前はオガサワラミズナギドリと呼ばれていた)の詳しい解説もあり、とても参考になります。また、1991年8月号も海鳥特集でしたが、残念ながら私はこの号は持っていません。図書館で読んだことがありますが、こちらも参考になります。
 BIRDER 1999年9月号 特集 「航路で出会う鳥たち

 今はなき「釧路航路」が運休になるこの年、釧路航路の思い出をたくさんのバーダーの方々の文章で紹介しています。ハジロミズナギドリやカワリシロハラミズナギドリ、ミナミオナガミズナギドリ等のミズナギドリ類、また、エトロフウミスズメの大群やツノメドリ、ウミオウム等のウミスズメの仲間等、この航路ではの鳥達もたくさん文章の中に出てきます。この航路には3年間近く、毎月、乗船して海鳥を調査されているグループの方もおられました。報告が待たれます。私もこの年には6、7、8、10月と続けて乗船しましたが、この航路がなくなって、本当に寂しいです。
 BIRDER 2001年8月号 特集 「定期航路で海鳥観察」

 全国の定期航路の一覧が掲載されています。海上で見られるウミスズメ類についての解説もあります。また、漁船をチャーターしての鳥見や、イルカウォッチング船での鳥見に関する記事も載ってます。私も小型船にも乗ってみたいと思いますが、船酔いが心配で・・・。アメリカの海鳥探鳥ツアーについては、マーク・オブマシック著「ザ・ビッグイヤー」(アスペクト社)<1年間に北米大陸で何種類の鳥を見つけられるかを競う記録会の様子を描いたノンフィクション>にも、おもしろおかしくその様子が書かれています。
 BIRDER 2002年9月号 特集 「台風が連れてきた海鳥」

 海鳥が台風によって落鳥するメカニズムについて、詳しい解説があります。私も以前、波崎の道路でコアホウドリを保護し、海に戻してあげた経験があります。また、私の住む八王子市でも、オオシロハラミズナギドリやウミツバメ類が保護されたことがあるとのこと。不謹慎ですが、小笠原を通過する台風が発生すると関東上陸を願うバーダーは私だけではないと思います・・・。
 BIRDER 2003年7月号 特集 「夏のアジサシウォッチング」

 南西諸島をはじめ、行くことが難しい硫黄島や西之島、南鳥島など、南方の孤島のアジサシ類の繁殖状況等、それぞれ詳しい報告が載っています。また、ハイイロアジサシを除く、日本産アジサシ19種の識別について、たくさんの写真と共に詳しい解説がされていて、たいへん参考になります。私もヒメクロアジサシがみてみた〜い。硫黄島ツアーにも参加したいのですが、時間が・・・。
 BIRDER 2005年4月号 特集 「海鳥たちの未来」 

 海鳥の分類、形態的・生態的・生理学的特徴等の基本的知識から、「漁業による混獲」や「漂流・漂着ゴミ」等、人間生活との現代的な軋轢の問題まで、幅広く最新の知見で解説されていて、たいへん勉強になります。種別では、マダラウミスズメやクロウミツバメ等の分布や記録に関しての興味深い記事も掲載されています。
 マダラウミスズメの知床(北海道)での幼鳥の観察記録については、斜里町立知床博物館編「しれとこライブラリー@知床の鳥類」(北海道新聞社)にも、詳しく書かれています。

   <だいぶ以前に休刊になってしまった雑誌ですが・・・>
 アニマ 1987年11月号 特集 「鳥の大移動 海鳥の渡りを追う」

 山階鳥研、岡奈理子氏の「ハシボソミズナギドリの“本当の”渡りルート」の記事をはじめとして、キョクアジサシやアホウドリ類の渡り等の報告、渡りのルートと海流や風の影響についての解説等、海鳥の渡りについて興味深い内容がたくさん載っています。

 野鳥 2001年2月号 特集 「海鳥をたずねて−冬の沖と繁殖地から」

 「対談 冬の沖へ出かけてみよう!」の安西英明氏の話が興味深く、なかなかおもしろいです。フルマカモメはそれはそれはとにかく臭いらしく、1ヶ月ぐらい保護した小屋についた臭いは半年ほど、とれなかったとのこと。

  極東の鳥類 27 海鳥特集 極東鳥類研究会 2010  New

 「ロシア極東海域の海鳥類2」の報告文ではミズナギドリ類の極東海域での詳しい状況が記載されています。フルマカモメの繁殖コロニーの状況、マダラシロハラミズナギドリ等、漂行してくる種の分布と海域との関係日本海におけるアカアシミズナギドリの分布の状況をはじめ、この海域で記録されたそれぞれの種類の大変興味深い報告が満載です。なお、チシマウガラスやウミスズメ類については「極東の鳥類17・海鳥類特集」(2000年刊行)に掲載されているとのことです。
 また、北方四島の大まかな状況については、南千島鳥類目録【国後、択捉、色丹、歯舞】V.A.ネチャエフ・藤巻裕蔵 北海道大学図書刊行会(1994)が、参考になります。

(図鑑・読み物)

洋書は挿絵や写真、分布図をながめている程度ですので、内容の紹介は・・・


 OCEAN BIRDS オーシャンバード 海鳥の世界  旺文社  1985年

 ラース・レーフグレン著 日本語版監修 黒田長久 1984年にスウェーデンで出版された原書の日本語版。写真や図版等も豊富で、海鳥全般について書かれています。大きく、分厚い本です。絶版だと思います。図書館等で閲覧できます。


 Flight Identification of European Seabirds 

  Christopher Helm  2003年

 見事な海鳥の飛翔写真をきっちりと集めてあります。カナダカモメのページには、氏原両氏が銚子で撮られた写真も掲載されています。

 SEABIRDS  Christopher Helm 1983年

 イラスト、解説共、ピーター・ハリソン氏による有名な海鳥イラスト図鑑です。ハードカバーとペーパーバックスがあります。                                                           

 SEABIRDS OF THE WORLD A Photographic Guide 

   Christopher Helm 1987年 

 同じくピーター・ハリソンの写真図鑑です。それぞれの解説が短い文章なので、辞書片手に何とか読むことができました。巻末にあるアホウドリ・ミズナギドリ・ウミツバメ類のイラストによる識別のページも参考になります。アホウドリ等、長谷川氏をはじめとして日本人の撮影した写真も使われています。

 Photographic Handbook SEABIRDS OF THE WORLD  

   New Holland Publishers 1997年

 写真図鑑です。シロハラミズナギドリの飛翔写真は、上のピーター・ハリソンの写真図鑑のものと同じものです。また、ハグロシロハラミズナギドリの飛翔写真は、文一総合出版の「日本の鳥550水辺の鳥」に掲載されているものと同一の写真です。(ただし1枚はなぜかフィルムが反転して、印刷されています)

        
 Albatrosses and Petrels across the World               
   Oxford University Press 2003年 

 最近出版された図鑑です。たまたま池袋のジュンク堂書店でみました。分布地図がわかりやすく示されていました。値段は2万円以上したと思います。手が出ませんでした。

 50羽から5000羽へ アホウドリの完全復活をめざして どうぶつ社 2003年

 長谷川博著 現在1000羽を超えるまでに復活した鳥島のアホウドリの過去、現在、未来について、各種データを基にわかりやすくまとめられています。長谷川氏と鳥島とアホウドリ、そして前出のピーター・ハリソン氏の交流については、ダイアン・アッカーマン著「消えゆくものたち」(筑摩書房)の中の一章「極東の天使たち」を、お読みいただくことをお薦めします。ピーター・ハリソン氏の生い立ち等にも触れられていて、読み応えがあります。また、長谷川氏は児童書を中心にアホウドリ関係の著書がたくさんありますが、氏の生い立ちから、アホウドリに本格的に関わっていくまでの自伝ともいえる長谷川博著「渡り鳥 地球をゆく」岩波ジュニア新書とてもおもしろかったです。

 
 SEABIRDS A NATURAL HISTORY  Yale University Press 2004年

 ネット書店で、表紙の絵が気に入り買ってしまいました(英語が苦手なのに…)。海鳥に関する博物誌です。海上での生活に適応した海鳥の仲間の形態、羽衣、食性、渡り、繁殖行動、成長等々の生活史について、書いてあるようです。写真や図版、表やグラフ等も豊富で、挿絵もなかなかいいです。同様の本で北アメリカの鳥類の生活史・習性について書かれた The SIBLEY GUIDE to Bird Life & Behavior も参考になりそうです(こちらも挿絵がとてもすばらしいです)。

  
   海鳥 識別ハンドブック   文一総合出版 2007年

 箕輪義隆著 日本産海鳥類を扱った待望の図鑑です。ヒメミズナギドリやシロハラアカアシミズナギドリ、コバシウミスズメやアメリカウミスズメ等、日本鳥類目録改訂第6版に未掲載の種も載っています。

  
 
 ALBATROSSES,PETRELS&SHEARWATERS OF THE WORLD

     Princeton University Press 2007年

 アホウドリ類、ミズナギドリ類、ウミツバメ類等のイラスト図鑑です。上面・体下面・翼下面等の羽色のパターンが似ている種の図版を同じページに載せ、類似種との比較がしやすくなっています。A & C Black Publishers Ltd社から出版された版(Helm Field Guides) もあります。
 

      A Field Guide to the SEABIRDS of Britain and the World
                                      Collins 1978年

  発行されたのは30年も前になりますが、最近、アマゾンで古本を購入しました。(送られてきたのは表紙に痛みはあるものの未使用品で、値段は1800円程でした。2009.10)。学生時代、サークルの鳥見に熱心な仲間の下宿の本箱には、この図鑑が並んでいたのを記憶しています。ペンギン〜ウミスズメ類まで、世界の300種近い海鳥類が網羅されているハンディ図鑑です。カラー図版以外に、生息環境や生態等を描いた味のある白黒のイラストも所々、挿入されていて、パラパラめくっているだけでも楽しいです。

      海鳥の行動と生態 その海洋生活への適応 生物研究社 2010年  

  綿貫 豊 著 待望の海鳥の専門書です。進化と生態、運動機能と生理、海上分布と採食行動、繁殖と適応戦略、海洋環境変化と海鳥等、最新の知見がギッシリ!データロガーを使った記録・解析技術にはビックリ! 表や図も豊富です。所々にあるコラムのコーナーも興味深い話題がいっぱい!学術書なので、難しい内容もありますが、一気に、読み進めることができました。

   Petrels,Albatrosses&Storm-Petrels of North America 
        A PHOTOGRAPHIC GUIDE       Princeton Univ Pr  2012年 New

 北アメリカのミズナギドリ類、アホウドリ類、ウミツバメ類の写真図鑑です。ページ数は480ページもあり、大判(25.7 x 18.5 x 3.8 cm)で、手に持つとずっしりきます。 写真図版も充実していて、ハシボソミズナギドリとハイイロミズナギドリの識別や、日本近海にまれに出現する種の識別の勉強にも役立ちそうです。