女性が香水やコロンをつけていた場合、それが周囲からどう感じられるのかということに関しては、
「いい匂い」と思われたり「香水きつすぎ」と思われたりですが、節度を守っている限りにおいては、
比較的良く思われることが多いように思います。
「比較的」というのは男に比べてということです。そう思うのは私が男だからなのかもしれませんが、
男がコロンをつけていた場合、かなりの確率で悪い印象を与えてしまうのではないかと思います。
実際、私の周囲にもコロンを常用している男は何人かいますが、
私は彼らのコロンについては良い印象を持っていません。
コロンを常用している男の場合、不思議なことに「つけすぎ」
に陥ってしまうパターンが多いように思います。会議のメンバーの中にそういう奴がいると、
会議室中がコロンの匂いで満たされてしまいますし、間違って彼の隣りにでも座ろうものなら、
会議中ずっと息苦しい思いをすることになります。もう少し控えめにつければよいものを、
何故かたっぷりとつけてたっぷりと匂いを振り撒くのです。
極論するなら、匂いの暴力ですらあります。これはコロンに限った話ではありませんで、
ポマードおやじも同罪であることは言うまでもありません。ポマードおやじも、
整髪という本来の目的からすると使用量が多すぎて、その結果、
周囲に不快な匂いを振り撒いてしまっている場合が多いのは、みなさんご存知のとおりです。
コロンやポマードが薫る男どもは、私の中のブラックリストに名前が記されることになります。
例えば鈴木(仮名)氏がコロン大王だとしましょう。
私が社内を歩いていて、向うから鈴木(仮名)氏がやって来た場合、
私は素早くすれ違いの準備作業に入ります。具体的に言うなら、呼吸のペースを調整して、
すれ違った直後には息を吐くようにするのです。
鈴木(仮名)氏が数メートル先にいる段階で息をたっぷりと吸い込み、
すれ違いの瞬間からゆっくりと長く息を吐きます。それから、
不自然にならない範囲で出来るだけ早足でその場から立ち去ります。
息を吐ききった後でも危険地帯に留まっている可能性もありますから、
しばらくは無呼吸状態になることもあります。念のため、
次に息を吸う時には口から吸うこともあります。
このようにして、私はコロン大王の鈴木(仮名)氏とのすれ違いを乗り切るのです。
しかしながら、予期せぬ事態が勃発することもあり、すれ違いざまに、
「あ、高樹君、昨日の件だけどね・・・」などと話し掛けられ、
その場で立ち話をせぜるをえない状況に追い込まれたりもするのです。
「あ、その件でしたら○○さんにお願いしました。大丈夫です」
などと言って素早く立ち去れるのであれば、彼の前で息を吸う必要もないのですが、
話が長くなると、さすがに呼吸をしないわけにもいかず、風邪で鼻が詰まっているかのような、
口呼吸をせざるを得なくなってしまうのです。悲しい事態です。
例えば佐藤(仮名)氏がポマード大王だとしましょう。
私がエレベータに乗っていたら、よりによってコロン大王の鈴木(仮名)
氏とポマード大王の佐藤(仮名)氏がそろって乗り込んで来たとしましょう。
絶体絶命のピンチです。逃げ場はないのです。出来るだけ呼吸をしないようにしていますが、
こういう時に限って、私の目的階までに、
エレベータは何回も停止してしまうことに決まっているのです。悲劇であります。
悲劇はおいといて、このような事態においての素朴な疑問なのですが、コロン大王の鈴木(仮名)
氏とポマード大王の佐藤(仮名)氏は、それぞれのことをどう感じているのでしょう。
お互いにお互いの匂いは気にならないのか、それとも鈴木(仮名)氏は
「佐藤さんのポマードは臭くてたまんないなぁ」と思い、佐藤(仮名)氏は
「鈴木君はコロンのつけすぎだ。もっと周囲に対する配慮が必要だな」と思っているのか。
いつか確かめてみたいのですが、例えば鈴木(仮名)氏に「佐藤さんのポマードの匂い、
気になりませんか?」などという質問をするのは、なかなかに勇気がいることでして、
まだ真相はわからないのでした。