2003年1月30日


「お疲れ様です」はメールの礼儀


しばらく前、年明け早々のことですが、学生時代の友人数名で集まって飲んだのです。 当然、集まった面々の年代は同じです。全員が会社勤めのサラリーマンです。

私と同様にコンピュータ関連企業に勤めている人が多かったせいもあるのでしょうが、 全員の会社で、10 年以上前から電子メールを利用しているということでした。

で、会社で飛び交うメールにまつわるあれこれの話をしていたのですが、 一人が次のような話をしたのです。

「ここ 2 - 3 年の新卒のメールが変なんだよな。メールの書き始めに必ず『お疲れ様です』 をつけるんだよ。どんな用件でも必ずだよ。『おはようございます』はなくても 『お疲れ様です』はあるんだな。朝っぱらから『お疲れ様です』なんて言われる筋合いはないよな」

すると驚いたことに、その場の全員が「激しく同意」状態。もちろん私もそう感じていました。 いやあ、話が盛り上がりました。

「おめえに『お疲れ様です』なんて言われたくねーよ」

「疲れてねぇよ!」

「いや、本当に疲れてる時はもっと頭に来る!」

「質問のメールが来たから答えてあげたら、『お疲れ様です。ご回答ありがとうございました』 だと。バカにしてるのか?」

「『お』と打つと『お疲れ様です。』になるように単語登録しているに違いないな」

「『お疲れ様です。お仕事中失礼します』もあるな。『お仕事中失礼します』 なんて書いてあるから、仕事に関係ない件でのメールかと思えば、しっかり仕事のメールだし。 だいたい、その時間は仕事中に決まってるっちゅうの。アホか?」

こんな調子です。これだけ意見の一致を見るのも珍しいことでしょう。 誰かが発言する度に、一同はゲラゲラ笑いながらも深く頷くのでありました。

その場の人の話を総合すると、どうやら最近の新卒君達は新人研修でメールの書き方を習っていて、 そこで「お疲れ様です」を教わるようなのです。「お疲れ様です」が適した状況と対人関係において、 「お疲れ様です」を使うのは全く問題ありませんが、状況も対人関係も関係なく、 挨拶代わりに「お疲れ様です」を使うのは明らかにおかしいわけです。

どの会社も非専門的な研修内容については外部委託することが多いと思うのですが、 昨今の研修業界(あるのか?)においては、メールの書き出しに「お疲れ様です」 と書くのが社会人としての礼儀だということになっているようですね。 因みに、何百人もメンバーがいる社内のメーリングリストに、 メガバイト単位のファイルを添付したメールを出すことに関しては、 何も教わっていないようですけど。

研修で「メールの書き出しには『お疲れ様です』をつけること」などと言われたからといって、 それを素直に信じてしまう新卒君達にも問題があるでしょうね。 新人時代の私だとしても、「それは違う」と講師に言っていたと思います。 その程度の常識はいかに若造の私でもあったと思いますよ。

もちろん、私の部署の新卒君達も、当初は「お疲れ様です」を使いましたが、 業務命令で「お疲れ様です」と「お仕事中失礼します」は使用禁止にしました。 時にはウケ狙いでわざと使う奴もいますけど、基本的には私の部署では 「お疲れ様です」は絶滅しました。いや、私が絶滅させました。

でも、他部署の新卒君達は相変わらず「お疲れ様です」を使いつづけております。 時々は本人に注意したり、彼らの上司に言いつけたりしてますが、 あまりに数が多いので一人では退治できません。

お客様に出すメールに「お疲れ様です」を使ってしまわないことを祈るのみです。

それにしてもです。「お疲れ様です」 現象はうちの会社だけで見られる特異な現象かと思っていたのですが、 どうやらこれははかなり大きな広がりを見せているようで、 暗澹たる気持ちになるのでした。




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