2003年2月13日


「天皇陛下、万歳」考


先日、前立腺ガンの手術を無事に終えられた天皇陛下が退院されて、皇居に戻られました。 皇居周辺の沿道には天皇陛下の退院を祝う人々が集まり・・・・、などと報道されていました。

そういった場面において、あるいはお正月の一般参賀などの場面において、 必ず見られる光景があります。

思いっきり気合を入れた声で、

「てんのうへいか、ばんざーい!!!」

と叫ぶ人々です。ほとんどは男の声ですが、時に女性の声も聞こえたりもします。 「てんのうへいか」の部分がリードとなって、「ばんざーい!!!」 は周囲の人々の唱和になったりもします。

それぞれに天皇なり皇室なりへの思いがあるのでしょう。もちろん、そういった思いだけではなく、 ある種の自己顕示欲が働いていることは間違いないでしょう。 アイドル歌手に対して声援を送る親衛隊(←死語?)のモチベーションと、 同質なものがあると思われます。

ふと思ったのですが、「てんのうへいか、ばんざーい!!!」と叫ぶ人は、 そこそこ適当な数に収まっているようです。例えば、10 倍の数の人が 「てんのうへいか、ばんざーい!!!」と叫んだとしたら、かなりうるさい状況になりそうですし、 そもそも、「てんのうへいか、ばんざーい!!!」という声もお互いにかき消しあって、 ごく近所においてさえ、

   てんのうへいか、ばんざーい!!!
  てんのうへいか、ばんざーい!!!
        てんのうへいか、ばんざーい!!!
てんのうへいか、ばんざーい!!!
     てんのうへいか、ばんざーい!!!
    てんのうへいか、ばんざーい!!!
              てんのうへいか、ばんざーい!!!
 てんのうへいか、ばんざーい!!!
       てんのうへいか、ばんざーい!!!

こんなことになってしまいそうです。こういった事態には至らない程度の人が 「てんのうへいか、ばんざーい!!!」と叫んでいるわけです。

でも、新年一般参賀のニュースを注意して見ていると、

てんのうへいか、ばんざーい!!!
 てんの・・・

こういった事は起こっているようです。満を持して「てんのうへいか、ばんざーい!!!」 と叫ぼうとしたところ、近くで誰かが一瞬早く叫び始めていたため、なおかつ、 そいつの声のほうが大きくて通りが良さそうだったため、「てんの」 だけですごすごと撤退したのです。

あきらめ切れない場合は、

てんのうへいか、ばんざーい!!!
 てんの・・・・・・・ばんざーい!!!

と、「ばんざーい!!!」だけ合わせてくるパターンもありますね (上下で「ば」の位置が合ってない場合はご容赦)。「・・・・」の部分には、 人生の縮図があります。七転八起、捲土重来、行きがけの駄賃。

何人かでハッピーバースデーを歌い始めると、全員がバラバラのキーで歌い出してしまうのですが、 徐々にひとつのキーに収束していく現象と似ていなくもありません。収束のメカニズムに関しては、 心理学、音響学の分野で様々な研究がなされておりますが、今のところ定説はありません。 (←でまかせです)




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