佐藤麗子さんという女性がいたとしましょう。「佐藤麗子」は適当に思いついた名前ですので、
深読みしないように。
佐藤麗子さんは新卒でうちの会社に入って 3 年目だとします。
高樹と佐藤麗子さんは別の部署ですが、時々仕事上でメールのやり取りがありますし、
時々ミーティングで一緒になりますし、時々電話で話しますし、
時々直接話しますし、という関係だとしましょう。
まあ、会社関係のお付き合いとしては至極普通です。
くどいようですが、「佐藤麗子」は適当な名前ですし、「佐藤麗子」
のモデルが誰かいるわけでもありません。
さて、何かのきっかけで、高樹と佐藤麗子さんがちょいと親しくなったとしましょう。
飲み会で一緒になって、仕事上の悩みを聞いてあげたとか、
私の部署で企画したスキーツアーに彼女も参加していて、初心者の彼女に私が教えてあげたとか、
そんなようなきっかけです。
私は社内不倫はしない主義ですが、それなりに親しくなった女性を飲みに誘うことくらいはします。
で、高樹は佐藤麗子さんを誘って六本木の中華料理の店に行きました。あれこれと話しました。
会社ではとても出来ないようなプライベートな会話もしました。当然、より一層親しくなります。
でも、ホテルに誘ったりはしていません。帰りに駅まで歩く途中で、
彼女は冗談半分のように腕を組んできましたが、ただそれだけです。
本当にくどいかもしれませんが、この話は「例えば」の話です。
過去に似たような話がなかったとは申しませんが、少なくとも現在進行形ではございません。
で、こんなことがあると高樹と佐藤麗子さんはかなり親しくなります。それまでは、
仕事関係のメールだけでしたが、時には私用のメールも出し合ったりします。
内容はたわいもないことです。別に不倫関係になったわけじゃないので、
仮に誰かに見られても特に困らないような内容です。
しかしながら、高樹は佐藤麗子さんからの私用メールに微妙で決定的な変化があることに気付きます。
仕事のメールとは明らかに違うのです。仕事のメールでしたら、こんな感じになります。
高樹さん、
明日の○○様向けのプレゼンテーションですが、都合により、高樹さんのパートを最初に持ってきて、
他の方は順次繰り下げたいと思います。時間割は下記に示しますので、
不都合のある場合は早めにお知らせください。
よろしくお願いします。
佐藤
しかし、彼女からの私用メールはこんな感じです。
昨日はごちそうさまでした。とっても美味しかったでーす。
高樹さんて美味しい店を沢山知っているんですね。
また誘ってください。
れいこ
決定的な違いとは言うまでもなく、最後の署名の「佐藤」と「れいこ」の違いです。
もちろん、「れいこ」ではなく「麗子」でも良いのですが、
メールの最後にファーストネームを書くようになったのは、
これは大きな変化といえるでしょう。
私はイヂワルな奴ですから、返信に「最後の『れいこ』はポイント高いね」
などと書いたりするのですが、そうすると次の彼女からのメールは、また「佐藤」
に戻ったりして、なかなかカワイイものです。
全ての女性が佐藤麗子さんのように、
親しくなったらファーストネームを使うようになるわけじゃないでしょうが、
異性に出すメールでファーストネームを使うのは、
好意の表れであると解釈しても良さそうに思います。
でも、男女が逆になって、私のような年代の男が随分と若い女性に対して「あきら」
などと書いてしまうのは、かなりキモイことは言うまでもありません。