トートバッグといえば女性の持ち物と決まっていたようなのですが、
ここ一年位でしょうか、学生風の若い男でもトートバッグを持っているのをしばしば見かけます。
メンズ・トートなんてのが売られているようですね。私はどうしても、
男が持つトートバッグには馴染めませんので、自分で持つつもりはありません。
考え方が古いといわれればそれまでですけど、馴染めるとか馴染めないとかは別にして、
サラリーマンの仕事用として考えた時に、トートバッグの機能には満足出来ないと思いますので。
若者達はトートバッグを自分達のファッションとして取り入れているようです。
本当に便利だと思っているかどうかは定かではありません。
まあ、個人的な好みではありませんが、それを否定するつもりは毛頭ありません。
しかしながら、先日はどうしても認められないパターンを見かけました。
歳はどう見ても 50 歳以上。頭のてっぺんの髪が薄くなってます。スーツを着ていて、
どこから見ても普通のサラリーマンです。そういう男が、
トートバッグを持って通勤電車に乗っていたのです。
さすがにスーツにトートバッグは似合わないだろうと思うのです。
仕事で使う書類とか製品カタログとかを、
トートバッグ状の紙袋に入れて持ち歩いているサラリーマンは良く見かけますが、
彼はそういうパターンではありません。通勤に使うメインのバッグがトートバッグなのです。
しかも、彼は充分におやじです。トートバッグが似合ってません。どうやら世の中には
「ビジネス・トート」なるモノが存在するらしいのですが、彼の持っているトートは、
そんな感じではなくカジュアルなトートです。スーツと合わせるのはなんぼなんでも無理があります。
スーツにアウトドア用のリュックを合わせるのと同じくらい無理があります。
若者達が持っているトートを真似してみました、といった感じで、浮いているのです。
好意的に考えるなら、もしかしたら彼は、ビジネス・バッグの機能の低さに辟易していて、
トートに新たな可能性を求めたのかもしれません。その気持ちは分からなくはありません。
私見ではありますが、ビジネス用のバッグのデザインは、サラリーマン経験のない奴が、
机上の空論でやっているとしか思えません。○○を収納可能なポケットを付けました、
なんて言っていても、出し入れのしやすさなんて全然考えられてません。
「収納可能であること」は考えていても、サラリーマンの実際の生活パターンの中での、
出し入れのしやすさは考えられてないのが特徴です。
ブランド物なんかでは、はなから実用性を無視したようなバッグさえあります。
デザイナーは大いに反省すべきですね。
私がデザインしたら、もっともっと使いやすいバッグを作る自信があります。実際、
既製品のバッグでは満足出来なくて、自分が使いやすいようにデザインして、
その通りに作ってもらったこともありますが、いまだにそれは愛用していますし、
それ以上の使い勝手のバッグに出会ったことはありません。
それはさておき、私としては既製品のビジネス・バッグの機能は、
信じられないほど低いと思っているので、同じように感じている人が、
トートバッグに新たな可能性を求めたとしても、それはそれで理解出来ないこともありません。
ただ、彼の場合はカジュアルなトートをスーツに合わせるといった失敗をしていますし、
現在のトートバッグでは、サラリーマンのニーズを満たせるとも思いません。
トートをベースにしても、
サラリーマンが使いやすいバッグをデザインすることは可能だと思うのですが、
世の中のバッグ・デザイナー諸氏が、そういう路線でデザインする(できる)
のかどうかは大いに疑問です。単なる収納性だけが実用性だと思ってもらっては困ります。
サラリーマンを一年でも半年でもやって、
サラリーマンにとってのバッグの機能性について勉強して頂きたいものです。